ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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スマホで書いてるんだが、スマホがアプデで使いにくくなった。


11話 来訪者

真夏。

 

「「あつーーーーーいっ!!!」」

 

めちゃくちゃな暑さだ。

 

気温計はなんと五十度をぶっちぎっている。砂漠かな?

 

「ってお前、ドラゴンなのに暑いのかよ?」

 

「暑いかどうかは感じるぞ?だが、耐えられるというだけの話だ」

 

それを言うと……、ギラと契約して、人の身でドラゴンになった俺も、暑いのは暑いが耐えられないほどじゃない、と感じていた。

 

人間であったならば、五十度を超える気温に曝されれば、まともに外を歩けないだろう。

 

今なんて、アロハシャツとハーフパンツで外を出歩いているけど、全く肌にダメージが通らないのだから、やはり人間をやめたのであろう。

 

契約に伴い、髪の色も赤くなってしまったが、まあ、ロックなので良しとする。

 

あんまりその辺は気にしていない。

 

 

 

今日も日課のモンスター退治をするっかァ……。

 

そんなことを考えながら、ハンティング用のライフルを担いで、門の近くに設置した櫓に登る。

 

スコープなしでも遠くまで見えるのは龍の力か。助かるな。

 

ん……?

 

『ギャアオ!アオオッ!』『ギャガアー!』『ゲギャガアア!』

 

あの鳴き声は……、バーゲストだな。

 

何かを追っかけている。

 

あれは……?

 

「ぐうっ、ああ、クソ!死ねえ!」

 

青い肌、黒い眼球、白い髪……。

 

そして、黒いツノと翼、先端が尖っている尻尾。

 

「悪魔か……?」

 

「そうだ、悪魔だな」

 

ギラがどうでも良さげに言った。

 

うーん?

 

俺は表向きにはキリスト教を信じていることになっている。

 

アメリカでは……、ってか英語圏では、熱心なキリスト教徒、ということにしておいた方が何かと都合がいいからだ。

 

だが、俺の本音を言えば、無神論者である。

 

幼い頃を日本で過ごし、宗教観が日本人寄りになっているのが原因だろう。

 

だから、悪魔だろうがなんだろうが差別をするつもりはないのだが……。

 

「何で悪魔がここに?」

 

「知らぬわ」

 

「悪魔って悪いやつなのか?」

 

「知らぬ」

 

ふむ。

 

ギラは人間の社会に興味がないんだったな。

 

さて……、ちょっと観察してみるか。

 

悪魔は三人、ボロいフード付きのマントみたいなのを羽織って、厳しい日光を防いでいるようだ。

 

シルエットではよく分からないが、胸の大きさや、尻のライン、あと声なんかを聞いた限りだと、おそらく三人とも女……、だと思う。悪魔に性別があればの話だが。

 

一人、細身ながらも、華美過ぎない程度に装飾がされたロングソードを持つ女が、バーゲストを追い払うように剣を振り回す。

 

身長は女にしては高めで、筋肉もあるように見える。

 

バーゲストにやられたのか、身体に傷があり、赤い血を流している。悪魔の血も赤いんだな。

 

もう一人も、ズタボロになりながらも、正門に向かってきている。

 

乳がでかいな。

 

で、その乳がデカいのが、最後の一人のちっこい女を背負っているようだ。

 

「誰か!誰か助けて!助けてください!このお方だけでも、お願いします!」

 

喉を痛めているのか、ガサガサの声で精一杯叫んでいた。

 

門の前のバリアにぶつかると、バリアを何度も叩き、助けてくれと叫び続けている。

 

あ、剣を持った女がバーゲストに弾き飛ばされた。

 

剣は半ばから折れたみたいだ。

 

「グウェネスっ?!!」

 

剣持ち女はピクリとも動かない。死んだか?

 

いや、息はしているようだ。

 

「誰か!お願いします!助けてくださいっ!!!」

 

ふむ……。

 

必死になって子供を背負って守り、逃げてくるとは、悪いやつとは思えない。

 

これも何かの縁だ、助けてやるか。

 

俺は、櫓からライフルをぶっ放し、バーゲストを退治した。

 

《ハウジングポイントを150000獲得》

 

銃声に驚いている乳でか女。

 

俺は、パネルを操作して門を開ける。

 

《グウェネス さんが訪問しました》

《メナス さんが訪問しました》

《ニコレット さんが訪問しました》

《領域に入れますか?》

 

はい、だ。

 

《グウェネス さんに制限をしますか?》

《メナス さんに制限をしますか?》

《ニコレット さんに制限をしますか?》

 

はい。

 

《グウェネス、メナス、ニコレット さんは レオ さんに攻撃ができない》

《グウェネス、メナス、ニコレット さんは レオ さんのものを故意に壊せない》

 

「ここは……?!」

 

メナスが言った。

 

その瞳は驚愕の色に染まっていた。

 

「入れ」

 

俺が言った。

 

「す、少しの間で良いのです、このお方だけでも門に入れてくださいませ!どうか、どうか!」

 

背中の少女……、ニコレットを見せるメナス。

 

「分かった、入れ」

 

「ああ……!ありがとうございます!ありがとうございま、す……」

 

あ。

 

メナスは、緊張の糸が切れたのか、ぶっ倒れた。

 

あらま、しゃーなし。

 

「運ぶぞ、俺がこっちのボインちゃんとちっこいのを持って行くから、ギラはそこの剣士を拾ってくれ」

 

「うむ」

 

うわ軽。

 

うーん?

 

これ多分、熱中症だな。

 

「医務室だ、行くぞ」

 

「うむ」

 




デザインだけがオシャレになるクソアプデは死んで良いぞ。

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