ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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原作知らないので過剰に警戒してます。


2話 主人公との接触

「マルチー!結婚してくれー!!」

 

「そんな、私はロボットですから……。で、でも、ぎゅーってすることくらいはできますからね!はい、ぎゅー!」

 

「んあああああ!!!マルチィーーー!!!」

 

「何やってるんだ気色悪い……」

 

修司に対して鍵が苦言を呈する。

 

「マルチは俺の天使なんだよ」

 

キリッとした顔で告げる修司。

 

「……」

 

『お前の仲間は変なやつばっかりだな、杭那!』

 

杭那は、体表から出力された機械の蛇、テロメアに絡まれている。

 

「さて、そんなことより、諸君。会議だ」

 

「んだよ。マルチを愛でる以上に大切なことかそれ」

 

「黙って聞け。……小学校についてだ。我々は今年、小学生になる」

 

「そうだな」

 

「そして、この世界は魔法少女リリカルなのはシリーズ、らしい」

 

「転生前に神様的な人が言ってたな」

 

「しかし、我々は、その、魔法少女リリカルなのはに聞き覚えがない。……俺は古めの少年誌か青年誌しか読まないからな」

 

「俺も燃えアニメと燃えエロゲだからな、専ら」

 

「……俺はロボットアニメが好きだ」

 

三人が意見を交わす。

 

「ゴホン、兎に角、魔法少女、と言うことはつまり、小中学生だろう?我々が介入するとして、丁度今なのだよ」

 

「はぁ?介入?なんでそんなことする必要があるんだよ?どうせ、魔法少女ものなんてあれだろ?先っちょに星のついたステッキを振るピンク色の女の子が、ぞんざいなデザインの悪党を退治する感じのやつだろ?」

 

「私もそう思いたかった。しかし、杭那から意見があってな……」

 

「魔法と言えば、デモンベイン……!!」

 

握りこぶしを見せる杭那。

 

「……あー、成る程!そりゃやばいわ」

 

「そうだ。魔法少女と銘打ってはいるが、その実、デモンベインのようなインフレロボットものだった……、などとなったら目も当てられない。最悪、我々の力も通用しないと見て良いだろう」

 

「確かになぁ!魔法少女の皮を被ったハイスピードロボットアクションだったらヤベェよなぁ?!」

 

「しかし、タイトルに魔法少女とあるくらいだ、主人公は小学校、ないし中学生だと思うべきだろう」

 

「そうだな」

 

「これは私の予想だが……、なのはは人名……、主人公の名前だとして、リリカルはロボットの名前ではないか?」

 

「なのはちゃんがリリカルってロボットを乗り回す……、可能性大だな」

 

三人の脳内には、なのはと言う少女が、巨大な魔導ロボット、リリカルと心を通わせ、街を破壊する魔神達と戦う想像図が思い浮かんだ。

 

……『行くよリリカル・ロボ!』

 

……『叫べ!なのはよ!!』

 

……『『必殺!リリカルブラスター!!!』』

 

なんかこうリューナイトとかレイアースとかダンバインみたいな。

 

「最低でも、スレイヤーズくらいの火力はあるだろうな」

 

「 下手したらデモンベイン並か……」

 

「「「死ねるな」」」

 

声を合わせる三人。

 

「っべえな、十傑集じゃ火力足りねーんじゃねえのこれ」

 

「ARMSでは防御力が……」

 

「ボルトでは速度も防御力も足りんな」

 

「「「どうするこれ」」」

 

「不味いな……」

 

「簡単に殺されちまう……」

 

「デモンベインが相手となると……」

 

頭を抱える三人。

 

「それで、介入ったって、どうするんだよ?」

 

「うむ、その、恐らくは主人公であろう、なのはちゃんの味方になろうと思ってな」

 

「つまり、主人公である、なのはちゃんに媚を売って、味方に引き入れる、と?」

 

「そうだ」

 

「成る程な、名案だ」

 

「そして、そのなのはちゃんがこれだ」

 

鍵は、写真を一枚、プロジェクターに映す。

 

どうやって特定したのかと言うと、会社の力で市内に住む人間の名簿を漁り、なのはと言う少女に辿り着いたのだ。なのはと言う名前はあまりいないので、比較的すぐに見つかった。

 

「あー、この、逆に地味っぽいところが主人公っぽい!」

 

「下手に金髪とかじゃない辺りな」

 

「でも結構可愛いじゃん」

 

「主人公だからな、それは可愛いだろう」

 

はてさて。

 

三人は議論を重ねて。

 

「じゃあ取り敢えず、最近は三丁目の公園にいることが多い、と」

 

「ああ、丁度今の時間帯だ。接触するぞ」

 

「おう!」

 

三人は、公園へ……。

 

 

 

「おい、どうすんだ。来たは良いが子供の扱い方なんて分からんぞ」

 

「……そう言えば独身だったな、俺達は」

 

「な、何とかして媚を売るんだ」

 

「ってか浮いてるんだよ俺達!何でコートだ、何で白衣だ!」

 

「お前こそスーツだろ」

 

「……コソコソする方がかえって怪しい」

 

公園に来たは良いが、早速頓挫する三人の馬鹿。なのはの前でまごまごしている。割と能無しだ。

 

「ゴミ共が、見ていろ私が行く。……こ、こんにちは。お名前を教えてくれるかな?」

 

鍵が吶喊する。

 

「へ?私?なのはだよ。高町なのは」

 

「素敵な名前だね。私は黒井鍵。ここら辺に引っ越して来たんだ」

 

「そうなんだ!」

 

「こっちのカス共、ゴホン、失礼、彼らは友達の十条修司と閂杭那。ここで会ったのも何かの縁、私達と友達になってくれないかな?」

 

「うん、良いよー」

 

「ありがとう。君のような可愛らしい人と友達になれて嬉しいよ」

 

「か、可愛っ?!」

 

「?、どうかしたかい?」

 

「は、初めて……」

 

「何がかな?」

 

「パパとお兄ちゃん以外の男の子から、初めて、可愛いって言われた……」

 

「んん、気を悪くしたかな」

 

鍵としては、社交辞令のつもりだったが、なのはにしては、突然現れたインテリ系イケメン少年に「君、可愛いね」と口説かれたのだ。動揺もするだろう。

 

「う、ううん!嬉しい、かな……」

 

顔を赤くして俯くなのはと、割とどうすればいいか分かってない鍵。

 

「君のような溌剌とした雰囲気の……、ああ、元気の良い人はとても好ましいよ」

 

「す、好きって……。て、照れちゃうよ……」

 

「そうだ、うちに遊びに来ないかい?精一杯もてなすよ(メイドロボが)」

 

「う、うん」

 

「よし、成功だな……」

 

「え?」

 

「いや、何でもないよ、なのはちゃん」

 

 

 

×××××××××××××××

 

私、高町なのは!今年で六歳!

 

私立聖祥大附属小学校に入学する予定だよ!

 

最近は、三人のお友達ができたんだ!

 

それも、なんと、男の子!

 

パパとお兄ちゃんに言ったら怖い顔になったけど……、何でだろう?

 

えっと、その三人のお友達は、皆んなとっても良い子なんだよ!

 

しかも!最近ニュースとかでもよく聞く、株式会社BAEの創立者なんだって!!

 

凄いよねー、私と同い年なのに、あんなに凄い会社を作っちゃうなんて。

 

この前遊びに行ったら、沢山のメイドロボさん達に物凄く歓迎されちゃった。

 

……三人とも、見た目も性格も全然違うけど、とっても仲良しなんだよ!

 

十条修司君は、いつもスーツでビシッと決めててカッコいい!……けど、メイドロボのマルチさんに鼻の下を伸ばしていてカッコ悪いところもある、かな。

 

しかもエッチなゲームとかやってるし……、悪い子かも。

 

でも、他人にはちゃんとした態度で、その、ええと、真摯って言うのかな?真摯にお話してくれるから偉いと思う。

 

閂杭那君は……、何というか、不思議な子だ。

 

あんまり喋らないし、喋っても他の二人への悪口だったりで、ちょっと怖い。

 

でも、メイドロボのマルチさんの生みの親らしくて、マルチさんを見る目は優しい。

 

不器用だけど、きっと優しい人なんだなと思う。

 

そして、黒井鍵君……。

 

三人のリーダー的な、ブレイン的な位置の男の子。とっても頭が良くって、それで、その……、カッコいい。えへへ、凄くカッコいい。

 

私がちょっと髪を切ると気付いてくれるし、ふとした時に気を利かせてくれたり、ちょっとしたことでも褒めてくれたりするの。

 

ちょっと鋭い見た目だけど、そこがまた素敵って言うか……。

 

投資?とか、株?とか、FX?って言うのが好きなんだって。難しい話をするけど、私にもちゃんと分かるように教えてくれるんだ。

 

兎に角、三人とも自慢の友達だよ!

 

……で、でも、鍵君とは、もっと仲良くなりたいかなーって。

 




鍵はモテた、杭那はそこそこ、修司は殆どモテない。

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