ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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へへ、へへへへ……!

どうだこの野郎!

上位はやっぱり、モンスターが強えんですわ。


141話 龍人の弟子

幼い頃。

 

ジュニアスクールに入った頃くらいかな。

 

僕の母は、亡くなった。

 

交通事故だった。

 

事故を起こした相手は、耄碌した老人。

 

復讐しようにも、白痴を患った老人に何かをする気にはなれなかった。

 

幼い頃と言うのは、母親は、世界の中心のようなものだと思う。

 

今はこうして、魔法大学に主席として入学できた。それまでに僕は、多くの学友や教師に出会い、世界が広がったから言える。

 

子供っていうのは、本当に小さな世界でできているんだ。

 

自分と、母親と、父親と。それと、たまに会う親戚、昼間だけ会う近所の友達。

 

子供の世界はそれが全てで、いつでも隣にいてくれる母親は、まさに世界の中心だ。

 

僕は、ある日突然に、それを失った。

 

当然、ひどく落ち込んだ。

 

しばらくは食事も喉を通らなかった。ママの作るローストビーフじゃないと食べたくない!とか言って、父を困らせたっけ。

 

僕の父も、まあ、不器用な人で……。

 

仕事はとてもできるらしいんだけど、子供の相手は苦手らしくてね。

 

誤解して欲しくないけど、父は僕を愛してくれている。ただ、それを上手く表現できないだけで。

 

さて……。

 

母親という世界の中心を失った僕は、自分の世界が崩れ落ちて、生きる希望を失っていたんだ。

 

父は、出来る限り慰めてくれたけれど、あの人は本当に口下手でさ。

 

ママはお星様になってフェリックスを見守ってくれているんだよ、だっけ?

 

当時は六歳くらいだったけど、六歳の僕にでも分かる嘘だ。

 

でも、父は、落ち込んだ僕に色んなことをしてくれた。

 

運動なんてからっきしのメタボ体型なのに、サッカーをやらないか?とか誘ってくれたり。

 

ゲームなんて何も知らないのに、テレビゲームをやらないか?とか。

 

あの手この手で、母親を失った痛みを紛らわせようとしてくれた。

 

でも、当時の僕はもう、それどころじゃなくてね。

 

全部断って、部屋に閉じこもっていたんだ。

 

父は、そんな僕に、気晴らしに本でもどうだ?と子供向けの小説を持ってきてくれた。

 

本当に……、なんの気なしに、その本を手に取った。タイトルはあえて言わないけれど、イギリスで一番有名なファンタジー小説だった。

 

僕は……、うん、それが始まりだ。

 

母を失って閉じていた世界が、一冊の本を読むことで、広がった。

 

違う世界があるんだと気付いたんだ。

 

魔法使いの冒険活劇。

 

迫りくるモンスター、悪の魔法使い。

 

正義と勇気がそれらを撃ち破り、世界に平和をもたらす。

 

ありふれた内容のその一冊が、僕の心を救ってくれた。

 

それから、かな?

 

魔法使いになりたいと思ったのは。

 

大人になって、魔法がこの世に存在しないと知った。

 

けど、本とか、映画とか。

 

そう言ったもので、落ち込んでいる人を元気付けることも、充分に魔法だ。

 

だから僕は、俳優を目指していた……。

 

けれど、本当に魔法を教える大学ができたと聞いて、いてもたってもいられずに、僕は飛び出したんだ。

 

 

 

僕は、フェリックス・アッシュフィールド。

 

魔法使いを目指す男だ。

 

 

 

魔法大学。

 

ドラゴニュートの教授達により作られた、拡張領域の、広い森の中にそびえ立つ尖塔。

 

教授達が言うには、イギリスの娯楽小説をモデルにして作ったそうだ。

 

この学園は広くて……、底知れない。

 

作られた魔法の世界。

 

魔法によって作られた魔法の世界は、人工なのか?

 

ふざけてる。

 

馬鹿みたいだ。

 

あり得ない。

 

ドラゴニュートの教授が礼をした。

 

マイクを使わずに、すべての生徒に声を届ける。

 

「これから、適性を見て、クラス分けをする。残念だが、喋る帽子が組分けをしてくれる訳ではないぞ?」

 

「は、ははは……!」

 

笑ってしまった。

 

何だろう、この状況は。

 

夢にまで見た魔法が、そこら中に溢れている。

 

四つの学寮に分けられるそうだが、組み分けは一瞬。

 

赤、青、黄、緑の光でできた小人が空を舞い踊り、生徒一人一人の掌に潜り込んできた。

 

「うわ!」

 

小人が潜り込んだ僕の掌を覗くと、そこには、赤色の紙が。

 

それは、よく見れば、裏には地図が書き込まれている。

 

「では、それぞれ移動したまえ」

 

 

 

「ここは、『赤』の学寮。我は『赤』の担当であるグルルガンだ」

 

グルルガン先生、か。

 

まずは荷物を置いて休むように、とのことなので休む。

 

部屋も、全ての機能が魔法で動くらしく、光の球が飛び出るランプや、コンセントがないのに冷たい冷蔵庫など、面白いものがたくさんあった。

 

 

 

そして、授業。

 

「昔、魔法が、現代のように体系化される前。最初の魔法は、詠唱も術式も存在しなかった。原始の魔法は、ただ思うだけで、ただ言葉を発するだけで、世界をねじ曲げた」

 

原始魔法の始まり。

 

「諸君らは『赤』だったな?魔法での赤は、『火』を意味する。そして、『火』とは、『世界を熱量で捉えるもの』である」

 

念頭におくべきこと。

 

「『青』は水を意味し、世界を流体として捉える。『緑』は風を意味し、世界を波動として捉える。『黄』は土を意味し、世界を粒子として捉える」

 

物の見え方によって、適性が異なること。

 

「『火』は強める術を、『水』は変える術を、『風』は動かす術を、『土』は生み出す術を……、と、それぞれ定義されている。まあ、これは、我々龍人族に古来から親しまれている思想であるので、他の種族はまた別の定義をするだろう」

 

なるほど。

 

「『火』の適性がある者は、『強化術』に適性がある。なので、まずは『強化術』を中心に、基礎を学んでゆくぞ」

 

因みに、『水』は『変成術』、『風』は『動力術』、『土』は『創造術』だそうだ。

 

「とは言え、だからと言って諸君らが他の術を全く使えないと言う訳ではない。努力さえすれば何でも出来るのだ」

 

元気付けられる。

 

「最終目標としては、『火』『水』『風』『土』の四つの見方をそれぞれ習得し、それらを統合して、魔力そのものの動きについて知ってもらうこととしよう」

 

 

 

僕は、どうやら、思いの外魔法の才能があったらしい。

 

一年で、四つの見方を覚えて、今は特別カリキュラムを受けている。

 

今は、動力術を中心に、元素術と魔法陣学を修めた。

 




DDSnet書いてます。

DDSnetのプロット……。

もういっそ、ダイスを振って決めちゃおうかな……。

とりあえず、例のクソッタレなルシファーの仕業により、全世界に悪魔召喚プログラムがばら撒かれる。

主人公は、とりあえず、電霊コロンゾンをフル稼働させて、出来る限りプログラムを削除した。

しかし、既にたくさんの人がダウンロードしてしまっているし、オフラインのスタンドアロン端末はハッキングできないので、もう既に手は出せない。

全世界で、バカが悪魔を召喚して大混乱。もちろん、平和的?な悪魔の利用を試みる人もそれなりにいたが、それと同じくらい、破滅的な利用の仕方をする連中もたくさんいた。

イスラエルでは、大天使イスラフィールがメシア教徒に召喚され、『千年王国』の為に生贄を募り始めた。

中国では、マフィアが大量の悪魔を召喚して、暴力装置として使い始めた。

アメリカは悪魔召喚プログラム無差別配布事件以前から、裏に邪神ニャルラトホテプの手が入っています♡

欧州はメシアンの総本山だぜぇ〜?

アジア圏はガイアーズの総本山だぜぇ〜!

アフリカと中東?あの辺は普段からどったんばったん大騒ぎしてるから安心してくれ。悪魔が来て更に戦火が広がったが、何も問題はない。

南米でもマフィア連中が悪魔を使い始めたぜ!

日本でも、いじめっ子に仕返しをする!と叫ぶいじめられっ子や、ブラック企業の社畜などが、悪魔召喚プログラムを手に入れて大暴れしたりして大変だ。

そんな報告を受けた主人公はマジギレしてのたうちまわる。

主人公「この程度、想定の範囲内だよぉ!!!」

実は、色々と準備していた主人公。そもそも、この主人公の最終目的は、全人類のデビルサマナー化だ。確かに、もうちょっとゆるやかにやりたかったが、こうなっては仕方ない。

まず、主人公は、DDSnetの職員達を大都市で警邏させ、悪魔召喚プログラムを悪用する奴がいればとっちめるように命じる。

そうして、世論を味方につけたDDSnetは、更に、一般人への依頼窓口を開き、新しく作った悪魔である『造魔』と『機械(マシン)』を販売すると宣言。

ロビー活動も開始して、全世界の金持ちに「悪魔をそばに置いておくと安心!人間より強い!忠誠心もバッチリ!」とセールストーク!その他にも、ソーマやアムリタなど、魔界のアイテムの販売も宣言する!

これで表社会からもガッポリ稼ぐんですよ。

更に、溢れるマネーパワーで土地を買い取り、そこを丸ごと異界にして、「悪魔の店」を作る。

悪魔の店では、悪魔や魔界のアイテムを素材にして、悪魔に料理させて、悪魔に接待させるという感じ。

人間の世界では味わえないような美食や性接待、マッカを使って行うカジノなどが立ち並ぶ。

と、そこに、ルシファーが現れて一言。

ルシファー「悪魔の店の経営は邪魔しないと誓うけど、マッカはうちの貨幣だから、流通ルートとか把握できないのは困るんだよね」

そう言って、魔界の宰相にして、マッカの流通と発行の総責任者であるルキフグスの分霊を置いていくルシファー。

主人公は、ルシファーのことは殺したいくらいに嫌いだが、ビジネスの話ならちゃんと聞くし、ルシファーの言葉にも一理あると思い、ルキフグスを受け入れる。

そうして、マッカと生体マグネタイトの為替レートなどを定めて、悪魔の店を運営していく。

そこに現れる生体エナジー協会!

生体エナジー協会は、マグネタイトをお金と交換する組織。

主人公は、自分が今やっているのは、生体マグネタイトをマッカと交換する事業だから、何も関係ないと主張。

だが、生体エナジー協会は、「でも、マッカとお金の為替もやってるんですよね?」と主張。

そりゃそうだね。

と言う訳で、業務提携開始。

そもそも、DDSnet側もマグネタイトの売買についてのノウハウはなかった訳で、渡りに船な提案ではあった。

次に、急増した人員の整理に追われるDDSnetを書こう。

DDSnetは、悪魔召喚プログラム無差別配布事件以降、正式にDDSnetグループという名目で、ホテル業魔殿や金王屋などの傘下企業との繋がりを肯定した上で、民間警備会社の名で登記する。

それ以降、悪魔から身を守りたい人や、なんか知らんけどファンタジーな世界に憧れちゃったアホまで、様々な人々がDDSnetグループへの入社を希望してくる。

とりあえず、面接の場に妖魔サトリなどの読心系悪魔を揃えて、反社会的な思想がない奴は全員採用した。数は力だからね!

当然、半分くらいは「血がグロい」「戦うのが怖い」とか言って辞めていくんだけど、そういうのは後方で会計業務でもやらせときゃ良いしね。

また、悪魔被害により身寄りを失った未亡人や子供などは、積極的に引き取り、DDSnetグループで仕事を斡旋する。

ゲートパワーが高くなり、異能者に覚醒する一般人が激増。異能を使った犯罪が起き始める。

一方で、日本政府は、DDSnetの援助により、警察官や自衛官に向けた対魔兵装や悪魔召喚プログラムの配布及び習熟訓練を、他国に先立って開始した。それだけでなく、有力なデビルサマナーを雇い入れて、若い異能者を訓練させるなど、画期的な取り組みを開始する。

中国やロシア、アフリカなどでは、異能者は逮捕され、家族を人質にされて、兵士にされるのがトレンドに。

欧州はメシアンがブイブイ言わせてるからね、覚醒した異能者はもれなく教会行きの切符をプレゼント♡片道だゾ♡

アジアの異能者はガイアーズが受け入れてくれます。ついていけなきゃ死ゾ。

アメリカは、異能者共がヒーロースーツ着て悪い異能者と戦うようになり始めた。ヒーローアカデミアかな?

そんな様を見て、プロの異能者から異能の使い方を教われる日本って恵まれてるんだなー、となり、人が集まる。

今まで、裏社会のパワーバランスは、メシアンが四割、ガイアーズが合計で三割くらい、二割がDDSnetで、一割がヤタガラスなどのその他、みたいな感じだった。

けど、表社会でのパワーバランスは、DDSnetが八割の一強となった!

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