ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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朝から頭の中でテリーマンのテーマソングが流れ続けてるんだけど、誰かなんかやった?


137話 不死の王の弟子

「やあ!私はスカル。君達の教師だ。……ん?この身体が珍しいかね?やめてくれたまえ、そんなに見られると顔が赤くなってしまうよ!まあ私、血液流れてないんですけどねー!」

 

「………………」

 

うーん……、愉快な方、ですね?

 

 

 

私、アビゲイル・エリスは、ここ、カナダの魔法大学に入学できた。

 

私の家は、家柄はその……、あまり良くない。けど、お金はそこそこにあったし、私は勉強ができた。

 

だから、この、ものすごい倍率の魔法大学にも、合格できた。

 

本当に、勉強だけは得意だ。他は全然何もできないけど。

 

入学してからも、周りの子達は、もう本当にすっごい良いとこの子ばっかり。

 

キラキラのカッコいい大学生〜って感じ。

 

私は嫌になった。

 

だって、私、すごく浮いてるもん。

 

昔からそうだ。

 

暗くて、もの静かで、欧米の人間なのに自己主張が弱い。

 

勉強はできたけど、こっちの方では、勉強よりスポーツができる人の方がもてはやされる。

 

ひょろい私は周りの人からは虐められてた。

 

両親は優しいけど……、それでも、いつも自信がない私を見て、情けなく思っているはずだ。

 

 

 

魔力覚醒措置。

 

最初のガイダンスで、その措置を受ける。

 

学長のスカル先生は、つまらなそうにしているようだ。とても教師の態度とは思えないが、その、己を隠さない太々しさは素直に見習いたいと思った。

 

スカル先生は、教室をぐるぐる回って……。

 

あ、目が合った。

 

「うん……?うん、うん!良いね!君は実に良い!」

 

「あ、え……?」

 

スカル先生は、こちらに小走りで近づいて、その骨の手指で私の手を包みこんだ。

 

「君は良い!私の弟子にしてあげよう!」

 

「え、ええー……?」

 

そういうことになってしまった……。

 

 

 

「あ、あの……」

 

「んん?」

 

「な、なんで、ですか……」

 

私は訊ねた。

 

「なんでとは?」

 

「わ、私、何の才能も……、無いと思います……。何で、私を弟子に?」

 

そうすると、スカル先生は。

 

「才能があるかどうか?それは教師たる私が判断する事だね。君には才能がある」

 

と、そう言ってくれた。

 

「そう、なんですか?」

 

「ああ、そうだとも。さて、話を聞かせてくれ。何故君は、そんなに『死』の香りがするのかね?」

 

え……?

 

「死の、香り?」

 

「ああ、そうだとも。身内に、死に関係する人がいる?それとも、君が臨死体験をしたことが?」

 

ええと、それなら……。

 

「……エリス家は代々処刑人です」

 

「なるほど!それは良いね!他には?」

 

「……私の父は検死医で、死んだ人を解剖して、死因を調べる仕事をしています」

 

「良いね!」

 

「母は、墓守の家系でした」

 

「うんうん、それで?」

 

「あとは……、私は昔から身体が弱くて、幼い頃は病気で何度か死にかけたことがある……、くらいです」

 

「ブラボー!ありがとう!素晴らしい!君には才能がある!」

 

「本当、ですか?私に、才能が……?」

 

「ああ!あるとも!死霊術の才能がね!」

 

「は……?死霊、術……?」

 

 

 

スカル先生にゴリ押しされ、拒否しきれずに死霊術を学ぶようになった私。

 

本音を言えば、こんな気味の悪い魔法を習いたくはないんだけど……、スカル先生が認めた唯一の生徒というのは鼻が高いしなあ。

 

私のようなナードは、他に誇れるものが何もないから……。

 

だから、気持ちが悪い死霊術でも、やらなきゃ……。

 

「うーん……、君は、普通の人よりかは死の香りが強いが、死霊術師としてはまだまだだね」

 

「はい……」

 

「なので、もっと、『死』を感じてもらうこととするよ」

 

えーと?

 

それは……、汚れても良い服装で地下室に来い、という指示と何か関係が?

 

私が、そんなことを訊ねようとした瞬間……。

 

地下室に、死が満ちる……。

 

死霊が私の手足を引っ張る。

 

肉の塊、骨の山。蛆の湧いた髄液の川。

 

黒い太陽に死臭の風。

 

死が私に迫ってくる。

 

「あ……、ああ……!」

 

「おっと、気絶は許さないよ」

 

気を失おうとした私に、何か魔法をかけて無理矢理覚醒させる。

 

「やだ、やめて!怖い、怖い、怖い!死にたくない!死にたくない!!!やめて、やめろーーーっ!!!!!」

 

「いけないな、いけないな、死を受け入れたまえ。死は、すぐそばにある」

 

あ、あ、もう、だめ……。

 

「あへ、へへへ、あはへはへへ……」

 

「ダメだね、狂うのも許さないよ」

 

微睡んだ私の頭は、恐ろしいほどにすっきりしてしまう。

 

「あ、ああ……、もう、もうやめて!こんなこと、やめて!」

 

「ああ、ああ、安心したまえ。君には才能がある。できるさ、さあ、死に触れて……」

 

 

 

「そうか……、『死』とは……、『生命』とは……」

 

 

 

私は答えを得た。

 

『死』はすぐそばにある。

 

スカル先生の言う通りだ。

 

 

 

ひそひそと、噂話が聞こえる。

 

……「聞いた?あの子、学長のお気に入りらしいよ……」

 

……「死霊術だよな……」

 

……「そんなおぞましい魔法、存在して良いのか……?」

 

今までの私なら、俯いていたはずだ。

 

けど、今の私は違う。

 

あんな程度の奴ら、何も怖くない。

 

私には死霊術がある。

 

ジョックやクイーンビーのような連中も何一つ怖くない。

 

私は、私は。

 

死霊術師だ!

 




貞操逆転サムライもの、全然書けねぇ……?!

エロコメは難しいなあ……。ってか、R18でやるべきなんじゃねえのかなこれ?どう思います?

最近は面白いのが全然書けなくなってます。

書きたいものは山ほどあるのに、いざ書こうとすると手が動かない。



今書きたいのは帰還勇者ならぬ帰還魔王ものかなあ……。

こう、異世界転移した高校生が主人公なんだけど、チート能力とか貰えなくて、ただ一つ『窃盗』という雑魚スキルのみを付与されて異世界に送られて、そこで裏切られたり殺されかけたりしつつ成長!みたいな?

神がとことん悪いやつでさあ、異世界から拾ってきたガキにチート能力を付与して暴れさせて、運命を操って女を当てがい調子に乗らせ、最後にぷちっと殺すタイプの奴でね。

最終的に神の持つ『天地創造』のスキルを窃盗して殺した主人公は、魔王となって世界征服するのよ。

そして、世界征服を終えた魔王が日本に戻ってきて、普通の生活をし始める……、が、実は地球も意外とファンタジーで、裏社会に悪魔とか神とか色々いて、魔法使いとかもいるんだよ!みたいな。

吉良吉影みてーな平穏な生活を目指しつつも世界一つを支配してて、あっさり人殺しとかするタイプのサイコパス魔王様が、地球で高校生として平穏な暮らしをして、その邪魔をしに来る悪魔やら魔法使いやらをキラークイーンする話。

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