「やあ!私はスカル。君達の教師だ。……ん?この身体が珍しいかね?やめてくれたまえ、そんなに見られると顔が赤くなってしまうよ!まあ私、血液流れてないんですけどねー!」
「………………」
うーん……、愉快な方、ですね?
私、アビゲイル・エリスは、ここ、カナダの魔法大学に入学できた。
私の家は、家柄はその……、あまり良くない。けど、お金はそこそこにあったし、私は勉強ができた。
だから、この、ものすごい倍率の魔法大学にも、合格できた。
本当に、勉強だけは得意だ。他は全然何もできないけど。
入学してからも、周りの子達は、もう本当にすっごい良いとこの子ばっかり。
キラキラのカッコいい大学生〜って感じ。
私は嫌になった。
だって、私、すごく浮いてるもん。
昔からそうだ。
暗くて、もの静かで、欧米の人間なのに自己主張が弱い。
勉強はできたけど、こっちの方では、勉強よりスポーツができる人の方がもてはやされる。
ひょろい私は周りの人からは虐められてた。
両親は優しいけど……、それでも、いつも自信がない私を見て、情けなく思っているはずだ。
魔力覚醒措置。
最初のガイダンスで、その措置を受ける。
学長のスカル先生は、つまらなそうにしているようだ。とても教師の態度とは思えないが、その、己を隠さない太々しさは素直に見習いたいと思った。
スカル先生は、教室をぐるぐる回って……。
あ、目が合った。
「うん……?うん、うん!良いね!君は実に良い!」
「あ、え……?」
スカル先生は、こちらに小走りで近づいて、その骨の手指で私の手を包みこんだ。
「君は良い!私の弟子にしてあげよう!」
「え、ええー……?」
そういうことになってしまった……。
「あ、あの……」
「んん?」
「な、なんで、ですか……」
私は訊ねた。
「なんでとは?」
「わ、私、何の才能も……、無いと思います……。何で、私を弟子に?」
そうすると、スカル先生は。
「才能があるかどうか?それは教師たる私が判断する事だね。君には才能がある」
と、そう言ってくれた。
「そう、なんですか?」
「ああ、そうだとも。さて、話を聞かせてくれ。何故君は、そんなに『死』の香りがするのかね?」
え……?
「死の、香り?」
「ああ、そうだとも。身内に、死に関係する人がいる?それとも、君が臨死体験をしたことが?」
ええと、それなら……。
「……エリス家は代々処刑人です」
「なるほど!それは良いね!他には?」
「……私の父は検死医で、死んだ人を解剖して、死因を調べる仕事をしています」
「良いね!」
「母は、墓守の家系でした」
「うんうん、それで?」
「あとは……、私は昔から身体が弱くて、幼い頃は病気で何度か死にかけたことがある……、くらいです」
「ブラボー!ありがとう!素晴らしい!君には才能がある!」
「本当、ですか?私に、才能が……?」
「ああ!あるとも!死霊術の才能がね!」
「は……?死霊、術……?」
スカル先生にゴリ押しされ、拒否しきれずに死霊術を学ぶようになった私。
本音を言えば、こんな気味の悪い魔法を習いたくはないんだけど……、スカル先生が認めた唯一の生徒というのは鼻が高いしなあ。
私のようなナードは、他に誇れるものが何もないから……。
だから、気持ちが悪い死霊術でも、やらなきゃ……。
「うーん……、君は、普通の人よりかは死の香りが強いが、死霊術師としてはまだまだだね」
「はい……」
「なので、もっと、『死』を感じてもらうこととするよ」
えーと?
それは……、汚れても良い服装で地下室に来い、という指示と何か関係が?
私が、そんなことを訊ねようとした瞬間……。
地下室に、死が満ちる……。
死霊が私の手足を引っ張る。
肉の塊、骨の山。蛆の湧いた髄液の川。
黒い太陽に死臭の風。
死が私に迫ってくる。
「あ……、ああ……!」
「おっと、気絶は許さないよ」
気を失おうとした私に、何か魔法をかけて無理矢理覚醒させる。
「やだ、やめて!怖い、怖い、怖い!死にたくない!死にたくない!!!やめて、やめろーーーっ!!!!!」
「いけないな、いけないな、死を受け入れたまえ。死は、すぐそばにある」
あ、あ、もう、だめ……。
「あへ、へへへ、あはへはへへ……」
「ダメだね、狂うのも許さないよ」
微睡んだ私の頭は、恐ろしいほどにすっきりしてしまう。
「あ、ああ……、もう、もうやめて!こんなこと、やめて!」
「ああ、ああ、安心したまえ。君には才能がある。できるさ、さあ、死に触れて……」
「そうか……、『死』とは……、『生命』とは……」
私は答えを得た。
『死』はすぐそばにある。
スカル先生の言う通りだ。
ひそひそと、噂話が聞こえる。
……「聞いた?あの子、学長のお気に入りらしいよ……」
……「死霊術だよな……」
……「そんなおぞましい魔法、存在して良いのか……?」
今までの私なら、俯いていたはずだ。
けど、今の私は違う。
あんな程度の奴ら、何も怖くない。
私には死霊術がある。
ジョックやクイーンビーのような連中も何一つ怖くない。
私は、私は。
死霊術師だ!
貞操逆転サムライもの、全然書けねぇ……?!
エロコメは難しいなあ……。ってか、R18でやるべきなんじゃねえのかなこれ?どう思います?
最近は面白いのが全然書けなくなってます。
書きたいものは山ほどあるのに、いざ書こうとすると手が動かない。
今書きたいのは帰還勇者ならぬ帰還魔王ものかなあ……。
こう、異世界転移した高校生が主人公なんだけど、チート能力とか貰えなくて、ただ一つ『窃盗』という雑魚スキルのみを付与されて異世界に送られて、そこで裏切られたり殺されかけたりしつつ成長!みたいな?
神がとことん悪いやつでさあ、異世界から拾ってきたガキにチート能力を付与して暴れさせて、運命を操って女を当てがい調子に乗らせ、最後にぷちっと殺すタイプの奴でね。
最終的に神の持つ『天地創造』のスキルを窃盗して殺した主人公は、魔王となって世界征服するのよ。
そして、世界征服を終えた魔王が日本に戻ってきて、普通の生活をし始める……、が、実は地球も意外とファンタジーで、裏社会に悪魔とか神とか色々いて、魔法使いとかもいるんだよ!みたいな。
吉良吉影みてーな平穏な生活を目指しつつも世界一つを支配してて、あっさり人殺しとかするタイプのサイコパス魔王様が、地球で高校生として平穏な暮らしをして、その邪魔をしに来る悪魔やら魔法使いやらをキラークイーンする話。