ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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アサシンクリード 、兄上が洗脳されてて草。


129話 大魔導師 その4

ルオはルオだお。

 

九月、新学期の始まり。

 

ボストンマジックカレッジの始動だお!

 

学長をルオ、副学長をナインとして大学を開いたお。

 

ルオとナイン以外にも、デッキー、キナイ、キルリオンもいるお。

 

それだけじゃなく、ルオの妹のルミや、ナインの妹のナイコーもいるお。

 

入学式には、大統領のイザベラさんがスピーチしに来てくれたお!

 

ルオはそう言うの、あんまり気にしないんだけど、学校とかには『箔』ってものが大切みたいだおね。

 

権威というものは何かと役に立つお。例えば、ルオがどう思うかじゃなくて、ルオの『大魔導師』という二つ名で、ルオの人格までもが勝手に、人格者であると判断されることもあったお。

 

確かに、知らない人と会うと、へりくだられたり、敬われたりするお。それは、ちょっと困るけれど、他人に何かを教える立場になった時は役立つお。

 

ルオとしては、魔法という学問の門は、万人に開かれるべきものだと思っているお。

 

でも、だからと言って、生徒から舐められてばかりいては、正しい知識を身につけてくれないお。

 

実際、前の世界では、人間に舐められたまま魔法を教えていたから、侮られて、すぐに増長されて……。

 

だから、こっちの世界では厳しめにいくお!

 

 

 

昨日、入学式が終わったお。

 

一万人もの生徒達の前でスピーチしたけど、特に緊張とかはしなかったお。

 

まあ、慣れてるから……。

 

今日からはガイダンスが始まるお。

 

水曜日の三限は、必修の魔法基礎Iだお!

 

もちろん、魔法大学といえども、魔法以外も学ぶべきだおね?

 

だから、森人族の魔法教師が六十人くらいで、普通の教師も数百人いるお。数学とか、科学とか、法律、哲学……、その辺りの教師だおね。

 

ルオ達は、魔法と、それにまつわる学術全般を教えるお。

 

ガイダンスでは、大講義場に生徒を集めて、全員に魔力覚醒措置をしたお。

 

魔力の使えない生き物は、体内の魔力が淀んで詰まっているから、それを外側からかき混ぜてやり、魔力の流れを正常にする……。

 

それが、魔力覚醒措置だお。

 

そして、時間がある時は瞑想をするようにと言いつけて、ガイダンスは終了したお。

 

 

 

授業が始まったお。

 

カリキュラムについては、日本の魔法大学とほぼ同じだおね。

 

ルオ達は、他人に何かを教えるのは自慢じゃないけど得意だお!

 

もう、何十万年とやってきたからおね!

 

……魔法の学習というものは、センスがものを言うお。

 

ルオは、大魔導師と呼ばれておきながら、持って生まれた才能は人より少し優れているくらいなんだお。

 

だけど、センスが全てか、と言えば違うんだお。

 

魔法は学問。

 

確かに、元から賢い子は、魔法もよく覚えるお。

 

元から魔力が多い子は、有利だお。

 

でも、学習や練習によって、伸ばす余地は充分にあるんだお!

 

……とは言え、才能というものは残酷だおね。

 

この時点から、めきめきと頭角を現している生徒が何人かいるお。

 

一人目は、ルオがよく見ている生徒のレナード・スタンフィールド君。

 

レナード君は、魔法に関する法律を作って、魔法による犯罪を取り締まる警察になりたいと言っていたお。

 

この子は特に想像力が豊かだおね。想像力は大事だお、術式の欠陥に気付けるから。相手ならどこを突いてくるか想像できるのは、魔法の戦闘だけじゃなく、魔法に関するあらゆることに有利だお。要は、セキュリティーホールを塞ぐ才能ってことだおね。

 

二人目は、ナインがよく見ている、ジェイソン・カーター君だお。

 

この子は演算速度が速いおねー。演算速度が速いと、近接魔法戦で役に立つと言われているお。処理速度が速いのは、何にでも役立つお。

 

ジェイソン君はアメリカ国防高等研究計画局、通称『ダーパ』というところに入りたいそうだお。

 

三人目は、デッキーがよく見てる、パトリシア・アップルトンさん。

 

この子はマルチタスクができるお。術式の並列起動にはマルチタスクは欠かせないお。

 

パティさんは医学に興味があるらしいおね。

 

既に飛び級で医学大学を卒業した天才さんらしいお。ここで回復魔法を覚えて、更なる医学の発展を目指しているみたいだお。

 

四人目は、キナイがよく見てる、ウェイン・アンソニー君。

 

ウェイン君は生まれつき、一度見たものは忘れないサヴァン脳らしいおねー。

 

瞬間記憶能力は、魔法陣を介する魔法に最適の能力だお。

 

この子は、ダンジョン攻略をする探索者になりたいらしいお。

 

そして、五人目。キルリオンが見ている、キュリー・カニンガムさん。

 

キュリーさんは精霊との親和性が高いおね。まだ一ヶ月目なのに、もう既に精霊の目(エレメンタルサイト)を開眼した天才さんだお。

 

将来は魔法の研究機関で魔法を極めたいと言っていたおね。

 

 

 

みんな頑張ってるお。

 

どんな状況かの報告書をしたためて、それを亜人国家とアメリカ国の大統領さんに送るお。

 

この報告書によって、今後の人間国家での魔法教育についてが色々と決まるみたいだお。

 

ルオとしては、良いことを書きたいけれど、お仕事だから公平で中立の立場から書くお!

 

そうやって、魔法大学の一学期は、風のような速さで過ぎ去っていったお……。

 

多分、面倒を見ているレナード君も、ルオからしてみれば、瞬きするような時間でいなくなってしまうと思うお。

 

だから……、今の楽しい日々を、人間のように、大事にしたいおね……。




感想や意見をもらって、原動力になりました。

このままやって良い、とのことなので、しばらくの間、主人公は出ません。


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