ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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ラブドールを規制しようとする人達がネットで暴れてた。

こわいなー、とずまりすとこ。


123話 博士達の日常

神奈川県厚木市の人気インドカレー屋、『インドラカリー』にて。

 

「ナンオカワリ?」

 

「チーズナンお願いします」

 

「ヒャクエンプラスヨ?」

 

「はい、お願いします」

 

「チーズナン!」

 

お、チーズナンだ!

 

すげー!

 

アッツアツのナンにチーズがぎっしり!

 

裂いてみればチーズがうにゅーっと伸びる伸びる!

 

それを、バターチキンカレーにつけて口に運ぶと……!

 

「美味えなあ……」

 

美味いんだわ、これが。

 

バターチキンカレーの甘さ、辛さ、そしてそこにチーズナンの食感と塩味。

 

「くーっ、辛いな!でもやめられねえ!」

 

その合間に、タンドリーチキンもつまむ。

 

お、これもいけるな!

 

うめーっ!

 

 

 

食後にコンビニで期間限定特濃バニラソフトクリームを食う。

 

うめーっ。

 

やっぱりバニラは濃い方が美味いな。牧場で食べるアイスクリームだよこれ。

 

さて……。

 

相変わらず仕事はない。

 

暇なので、デモンズネストから遠見の魔法を使って、愚かなニンゲン共の生活でも見てるか。

 

実はちょっと気になっていることがあってだな。

 

前回の動画撮影の時に見た、あの大久保と武藤とか言う生物学者。

 

最近、亜人国家の動植物の輸出が許されたから、世界中の生物学者がひっくり返って面白いことになっているらしい。

 

魔法では物理学者が、魔法物質では物性分野が、ポーションは薬学分野が。

 

それだけじゃなく、亜人は、ピンキリだが、賢い亜人は人間の何百何千倍もの知能と知識を持つ。

 

当然、数学や科学なんかの技術も知識も人間より上だ。

 

亜人国家の人文学、人類学について研究したい人間の学者も多い。

 

すなわち、今は、世はまさに大学問時代!

 

探せ!

 

この世の全てをそこに置いてきた!的なことを福沢・D・諭吉ーが言ったんだろう。いや、処刑はされてないが。

 

まあ、修学意欲が非常に高まっているよ、って話だ。

 

福沢諭吉があの世で大喜びしてるだろうさ。

 

天は人の上に人は作ってないけど、人の上に亜人が来ちゃったからもう大変。

 

学問のすすめ、要はアレ、人に生まれながらの身分の格差なんてもんはないけど、勉強したやつとしてないやつとでは『格』が違ぇーからな!って話だよ。

 

つまり、これからの時代、人と亜人に身分の違いはねーけど、魔法含めてちゃんと勉強したやつが偉いんだぜ!ってことになるだろう。

 

いやあ、俺も精進せねば。

 

魔法学は常に研究されてアップデートされてるから、俺も常に勉強しなきゃならない。

 

ああ、定期的に勉強はしてるぞ?

 

嫁もな。

 

さあ、早速、遠見の魔法を使って、現在進行形で勉強している奴らを見てみようか……。

 

 

 

×××××××××××××××

 

ここは、帝都大学。

 

日本最大最高の大学だ。

 

その、駒場キャンパスにて。

 

生物学科の研究室から、嬉しいんだか忙しいんだかなんだかで、よく分からない悲鳴のような奇声が上がる。

 

生物学者の大久保直次と、武藤佐助だ。

 

大久保は動物、武藤は植物を研究している。

 

超武闘派で、アフリカの未開の地に飛んでは、現地部族と交渉して食料などを得つつもジャングルの奥地まで行き、新種の動植物を見つけてくる肉体派であった。

 

大久保は右の眉の上に大きな獣の爪痕があり、武藤は鼻に横一文字の刃物傷があった。

 

大久保のそれは、ジャングルで猛獣に襲われた時についた傷。

 

武藤のそれは、ジャングルの現地住民と戦いになって、部族の武器で斬られた時の傷であった。

 

また、二人とも、身長190cmを超える巨漢にして、柔道の達人である。

 

二人のその相貌は、学者というよりも、傭兵のそれであるが、その快活な笑顔が他人を惹きつけていた。

 

まずは、大久保から見てみよう。

 

研究員の、猟銃免許持ちの宇喜多、佐渡川と共に研究室へと篭る大久保は、今、モンスターの検査をしていた。

 

「この生物すごいよ!絶好調であるっ!」

 

「とにかく解剖だ!解剖にかけろ!」

 

宇喜多、佐渡川共に、怒涛の三徹で若干おかしくなりながらも、亜人国家から「好きに使ってください」と送られたモンスターの調査をしていた。

 

「しゅ、しゅごいぃ〜っ!!!革命だ!新たな時代の夜明けぜよぉ〜っ?!!!」

 

側から見たら完全に気狂いだが、彼らは日本の誇る最高学府、帝都大学の研究員である。

 

まあ、海外の生物学者も今頃、「オー!ジーザス!サノバビッチ!」とか言ってるんじゃないかな。

 

真っ赤に血走った目でゾンビのように動き、かと思えば信じられないくらい機敏にパソコンにタイピングする。奇声も発する。

 

まあ、全く違う世界から、全く違う生命体が現れたのだ、こうもなろう。

 

今、大久保研究室では、亜人国家からペットとして輸入予定のスライム、カーバンクル、ラタトスク、カラドリウス、ケットシーなどの比較的弱いモンスターから、ダンジョンで猟犬がわりに使われる予定のバーゲスト、ライラプス、ステュムパリデス、ビッグスパイダー、妖狐、クーシーなども引き取った。

 

マンティコアやグリフォン、ケルベロスなどは、流石に危険過ぎるので、輸入は見送られた。

 

主にやっていることは、亜人国家から送られてきたモンスターとそのデータを見て、色々と実証することである。

 

しかし、亜人国家で使われる魔導式コンピュータと人間の電子コンピュータに互換性はなく、仕方なく、大量の紙面データを送りつけられた。

 

紙面データと睨めっこしながら、モンスターとも睨めっこしている。

 

植物学の武藤研究室では、研究員の須田、雲井がエナドリをがぶ飲みしながら震える指先で実験中。

 

「ヘルアンドヘブン!光になりそうだあ!」

 

「さあ、お前の葉緑体を数えろォー!」

 

「グレートだよ、こいつはァ……!」

 

体力はとっくになくなっているが、気力はギンギラギン。

 

精神力だけで立っている最終話の少年漫画の主人公のような状態だ。

 

実証化のために、届けられた生物をすり潰して、試験薬に浸けて、顕微鏡で観察して……。

 

 

 

そして四日目。

 

「あびゃー」

 

「ぶつぶつ……」

 

「あははははー!あはー!」

 

顔面が崩壊している奴、壁に向かって話しかけてる奴、いきなり大爆笑する奴……。

 

明らかにやばいので、それを見た学生が「教授達がおかしくなった!」と救急車を呼び、教授達はもれなく全員ベッドに叩き込まれた。

 

科学の発展に犠牲はつきものでーす。

 




俺、ここで書き溜めて、いつかなろうに転載するんだ……。

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