ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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花の慶次クソ面白くて草なんだよなあ。


122話 一般人のダンジョン攻略 後編

では早速、五階層を見ていこうか。

 

五階層からはゴブリンが出る。

 

ゴブリンは、小学生ほどの体躯の緑色の肌をしたモンスターで、そこそこに知能が高い。

 

確かに、四階層のレッドボアと比べれば、直接的な攻撃力に劣るが、その分搦め手を使ってくるので注意が必要だ。

 

駄目人間パーティは?

 

『お、おい、人型だぞ?!本当に殺していいのかこれ?!』

 

『や、やばいだろ……、良いのかよ?!』

 

人型モンスターにビビってるな。

 

動物は殺せても人型の生き物は殺せないか?

 

『ギャガアアア!!!』

 

『ひ、ひいっ!』

 

『お、おい!逃げんな!』

 

一人逃げた。

 

そこから戦線が崩壊して、リンチされてる。

 

そのちょっと後に来た、ダンジョン内を見回りしている他の警官パーティに助けられたが、逃げた一人以外は大怪我を負ったらしい。

 

「あちゃー」

 

「あちゃー、なのじゃ」

 

はい、壊滅!

 

底辺動画配信者パーティはー、おおっとぉー?

 

『が……、あ……』

 

『じ、じゅんじゅんさんがゴブリンに刺されました!お腹から出血しています!やばい!やばいって!』

 

『に、逃げようよ、やばいって!』

 

『ポーションとかねえのかよ?!こ、このままじゃ、じゅんじゅんさん、し、死……!!!』

 

『う、うわあああ!!!俺は知らねえ!知らない!!!』

 

『お、おい、逃げんなよ!じゅんじゅんさん運べよ!』

 

「知ってた」

 

「こちらも残当なのじゃな」

 

「つーかこの期に及んでまだカメラ止めないのマジでクズ」

 

「これ、ユウチューブで流すつもりなのかのう?」

 

「謝罪動画、じゅんじゅんさんすいません!みたいなデカイ文字前面に押し出して、クソ動画作るんでしょどうせ。知ってる」

 

「筋金入りのクズじゃなあ……」

 

はい、底辺動画配信者パーティも壊滅。

 

次行こう。

 

格闘家パーティだ。

 

『ゴブリンだ!』

 

『待て!』

 

ゴブリンを追いかけるが……。

 

『ぬあっ?!!』

 

ゴブリンが掘った浅い落とし穴に引っかかる。

 

ゴブリンは馬鹿だがアホじゃない。

 

それくらいの罠は張ってくる。

 

『ぬああ!』

 

しかし、ここで格闘家、素早く前回り受け身。落とし穴から素早く脱する。

 

ゴブリンは完全に、落とし穴で時間を稼いで包囲する予定だったため、一瞬で立ち直り、武器を手放すことすらしなかった格闘家に驚き、斬り伏せられた。

 

『デカイのが来た!』

 

『任せろ!』

 

ボスのホブゴブリンが手下を連れて現れるが、弓持ちの格闘家が手下の半分を撃ち抜いた。

 

「皆中だ、素晴らしい」

 

「おー、うまいもんじゃのう」

 

『行くぞ!』

 

『『応!!!』』

 

近接武器持ちの格闘家が、ホブゴブリンと手下のゴブリンの群れに突撃する。

 

ぶっちゃけ、ホブゴブリンも、中学生並の身体能力しかないから、ちゃんと鍛えてる人なら素手でも倒せるはずだ。

 

確かに、ホブゴブリンは剣を持っているが、ただの錆びた鉄剣。

 

プロの武道家なら、同じように武器を持っていれば、身体能力で劣るホブゴブリンに負ける訳ねえよなあ?

 

『む……、矢が切れた』

 

『刀ももうガタガタだ』

 

『ふむ、なら、帰るか』

 

『次は、もっと良い武器を買ってこよう』

 

「はい!格闘家パーティは五階層を無事クリアー!」

 

「罠に引っかかった時は焦ったのじゃが、危なげなくリカバリーしたのう!」

 

金持ち企業パーティは?

 

『ギギィーーーッ!!!』

 

ゴブリンが一斉に投石紐で石を投げてくる。

 

『うおっ?!!』

 

盾で危なげなく防ぐ。

 

そして、じりじりと近付いて、ゴブリンの首を刎ねる。

 

『う、うわ、血が』

 

『し、しっかりしろ!』

 

『あ、ああ!』

 

人型の生物と戦うショックも多少はあるらしいが、あまりそれに気を取られてはいない。

 

『ガァァァ!!!』

 

『デカイのが来た!』

 

『任せろ!』

 

ラグビー部男が前に出て、盾を構えたまま、その巨体で体当たりした。

 

『ガボボーーーッ?!!!』

 

思い切り跳ね飛ばされたホブゴブリンは吹っ飛ぶ。

 

そして、倒れたところに剣を突き刺され、絶命した。

 

『……帰ろう』

 

『はい……、俺、ちょっと、生き物を殺すのは怖いことだと思いました……』

 

『うん……』

 

「はい、そう言う訳でね、金持ち企業パーティも無事クリア!」

 

「この後のメンタルが心配じゃな!」

 

公務員パーティはどうだ?

 

『トラップ確認……、トラップアリ!』

 

『トラップは?!』

 

『落とし穴です!トラップ解除ヨシ!』

 

『索敵魔法に感知アリ!方角10時!!』

 

『おおおおおっ!!!』

 

ゴブリンを素早く斬殺する警官。

 

『クリア!』

 

『ホブだ!方角1時!!!』

 

『魔法投射します!』

 

『了解!』

 

『マジックアロー!!!』

 

『ギギィ?!!』

 

マジックアローがホブゴブリンの片足に突き刺さる。

 

ホブゴブリンは大きく転んで、武器を手放した。

 

『ゴーゴーゴー!』

 

その後は、ゴブリンの群れを蹴散らして、見回りのために帰還魔法陣を使わずに徒歩で帰路についた。

 

「うーん、このレベルなら十階層くらいまで行けるね」

 

「公務員は格が違うのじゃ!」

 

そして、最後に。

 

研究者パーティだ。

 

『あいたっ!』

 

『うわ、これ、トラップですよ?!草が結ばれてる……』

 

草が結ばれていて、足を引っ掛ける形式のトラップだ。

 

そして、茂みからアンブッシュしていたゴブリンがエントリー。

 

『う、うわ!出た!』

 

『撃て撃て!』

 

ゴブリンは、二人の研究員が持つ魔法小銃で撃ち殺された。

 

『ギギィーーー!!!』

 

『ほほう!茂みに隠れて罠を張って獲物を待ち、集団で狩りをするのか!なんて知的な生物なのだろうか?!し、調べたい!もっとゴブリンについて調べたいーっ!!!』

 

『大久保教授退がってください!!!』

 

『わ、わ、わ、うわわー!見たまえ須田君!この草木を!何だろうかこれは?!ほら、この葉を見て見たまえ!葉のつき方はマメ科のそれなんだが、この葉脈は単子葉類のものだ!!何なのだろうかこれは!サ、サンプルを!サンプルを持って帰っても良いかね?!!』

 

『武藤教授!行きますよ!!!』

 

「なんなのこの人達……」

 

「怖いのじゃ〜」

 

『うわ!今度はデカイのが出たぞ!』

 

『撃て撃てー!』

 

『ああーっ!ちょ、ちょっと待ってくれたまえ!生態を!生態の検査を!!!』

 

『大久保教授退がってくださいってば!!!』

 

『おっおっ?!な、何だこの植物は?!ニレ科のような質感の葉に完全な円を描く不思議な形の葉脈と葉の形!おまけにレモンのような香りが』

 

『武藤教授立ってくださいよ!!!』

 

なんだかんだでホブゴブリンを倒して、五階層のセーフエリアの魔法陣から帰還した研究者パーティ。

 

「いや……、教授」

 

「教授が終始テンションが高くて草なのじゃ」

 

 

 

「はい、それじゃあリザルト!」

 

「結果発表〜!!!なのじゃ!」

 

まず、リタイアした連中は良いとして、格闘家パーティ。

 

格闘家パーティは、モンスター肉や、ゴブリンのドロップアイテムであるポーションを集めて、一人五万円くらい稼いでいたな。

 

矢弾がなくなったこと、武器の摩耗などの反省点を次に活かそう!

 

金持ち企業パーティは、デカいリュックを持ち歩き、たくさん拾って一人十万円くらい。

 

こちらはメンタル面をどうにかしよう!

 

公務員パーティは、ポーションのみを拾って帰ってきて、一人五万円くらいだが、公務員に副業は禁じられてるし、この拾ったポーションは備品になるので、実質ゼロ円。

 

文句なし!

 

研究者パーティは一人八万円くらいは稼いだが、肉は売らないで食ったり研究に使ったりするらしいので、実入りは三万円くらいか。

 

教授連れてくんな!

 

もちろん、詳しくは言わないが。

 

「と言う訳で、一番稼いだパーティは、金持ち企業パーティでした!」

 

「またの挑戦をお待ちしていますなのじゃ!」

 

「「バイバーイ!」」

 

はい、動画終わり。

 




次で帰還勇者の書き溜めなくなります。

次の次からはハウジングスキル無双をうpします。

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