ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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天使にラブソングを、面白かった。


110話 迷宮探索部隊 後編

十六階層では、なんと、洞穴の壁に鉱石が含まれていた。

 

市川君の解析魔法によると、鉄、銅、鉛、アルミニウムなどのベースメタルがとれるらしい。

 

だとすれば、ここの壁を軽く破壊して持って帰れば……。

 

しかし、その度に十六階層まで移動するのは……。

 

「ああ、五階層ごとにあるセーフエリアまで行ったなら、五階層ごとに転移魔法陣で移動できますよ」

 

ワープ!そういうのもあるのか!

 

「ただし、転移できるのは、その階層まで来たことがある人のみですけどね。だから、採掘要員だけをいきなり転移させるとかは無理です」

 

そうか……。

 

だが、日本は、鉱物資源の全てを海外輸入に頼りきっている。

 

もし、日本から金属が産出するとなれば……、その価値は計り知れないぞ。

 

十六階層は、4kmほどの入り組んだ洞窟だった。以降、十九階層まで同じ環境が続く。

 

 

 

十七階層。

 

「スケルトンですね。頭蓋骨を砕かない限り、バラバラにしても復活します。因みに、スケルトンの骨は死霊魔法の触媒として優秀です」

 

そして、ここで休憩。

 

十八階層。

 

「ゴーストです。物理攻撃が効かないんで、魔法か魔法銃で攻撃してください。因みに、ゴーストが落とす幽霊石は、召喚魔法や死霊魔法に使われます」

 

十九階層。

 

「リビングアーマーですね。頭部のコアを破壊しない限り、延々と襲いかかってきますよ。あ、持ってる武器や鎧はバルカン鉄製なので、そのまま普通に使えると思います」

 

またも休憩。

 

そして……。

 

二十階層。

 

二十階層は、どうやら、鉱山の麓らしい。

 

市川君の解析魔法によると、鉱山では、レアメタルとバルカン鉄がとれるらしい。

 

と、その時。

 

「来ましたよ、初心者の壁、ゴーレムです。物理にも魔法にも強いんで、とにかくたくさん殴ってください。あと、ゴーレムクラスだと魔石がそこそこ良い値段で売れますよ」

 

土塊で出来た3mほどの人型。

 

初心者の壁、ゴーレムだ。

 

我々の、最大の仮想敵だ。

 

「行くぞおおお!!!」

 

「「「「了解っ!!!」」」」

 

動きは鈍い!

 

囲んで殴れば……!

 

しかしこの感触、まるで土嚢を攻撃しているみたいだ。

 

………………。

 

クソ、ヴェスタ鋼の武器持ちの一般隊員では火力が足りない!

 

「全隊退がれ!魔剣持ちが攻撃しろ!」

 

「「「了解!」」」

 

私も魔剣を抜く。

 

「はああああっ!!!」

 

魔剣に魔力を込めて……、解き放つ!

 

『ーーーッ!!!』

 

魔剣持ち分隊長と私の四人攻撃で、どうにかゴーレムを破壊した。

 

その調子でゴーレムを破壊して回る。

 

しかし……。

 

「はあ、はあ、はあ……!」

 

疲労が……!

 

魔剣を使い過ぎた!

 

と、そこに!

 

『ーーーッ!!!』

 

「あ、ボスのアイアンゴーレムですね。普通に鉄がとれますよ」

 

くっ、魔力がもう……!

 

「……あの、無理そうでしたら僕が処理しますけど?」

 

「……すまない、頼めるだろうか」

 

「はい、では……」

 

市川君が目を閉じる。

 

「次生火神軻遇突智。時伊弉冉尊、爲軻遇突智、所焦而終矣……!!!来たれ軻遇突智!!!『炎神降臨』!!!」

 

市川君が右腕を掲げた瞬間に、赤い……、赤過ぎる炎が、市川君の右腕を包む!

 

「な、何を……?!!」

 

炎が渦巻き、10mはあろうかという巨大な炎の腕になり……。

 

「消し飛べ」

 

市川君が、右腕を振り下ろした!

 

『ーーーッ!!!』

 

地面は抉れ、ガラス化し、アイアンゴーレムは蒸発したようだ。

 

……認識を改めなければならない。

 

市川君達は、小隊程の戦力などとはとんでもない。

 

低く見積もっても、一個師団並みの戦力はある。

 

鋼鉄のゴーレムが一瞬で蒸発するほどの火力……、しかも、右腕だけとは思えない。

 

全身にあの炎を纏って突っ込んできたら、正直に言って対処法は、ない。

 

銃弾も、戦車も、戦艦も、もちろん隊員達も、触れられた瞬間に蒸発するだろう。

 

呪文を唱える最中は、最強の剣士である山岡君がフォローし、傷を負っても海老名君が治してしまう……。

 

敵に回ったとしたら、悪夢では済まされないぞ……!

 

「あの、荒巻さん?」

 

「はっ?!いや、すまない、帰還するぞ!」

 

「「「「了解!!!」」」」

 

帰還したら、即座に、自衛隊に魔法教育の徹底を上層部に直訴するぞ……!!

 




アメリカ映画らしい、面白黒人主人公、陽気なデブ、引っ込み思案なガリ、厳格な上司という完璧な布陣。

ドタバタコメディ感が実に王道。

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