ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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要望があったので。

取り敢えずフーケ編は書き上げたい。


7話 鑑定と土くれ

鑑定。

 

《★デルフリンガー》

それは、魔法を吸収する

 

……『それは、魔法を吸収する』?

 

見たことのない効果だ。

 

あなたは、★デルフリンガーに魔法の矢を放つ。

 

「ぐっ、お、おおおおお!吸収、しきったぁ!!!な、何をなさるんで、ご主人様ぁ?!!」

 

ほう、それなりの力を込めて放った魔法の矢を吸収するとは。

 

あなたはどれくらいまでなら吸収できるのか気になったので、実験を始めることにした……。

 

 

 

「ま、まさか、よぉ?じょ、冗談だよな?なんとか言ってくれご主人様!ご主人様ぁーーー!!!」

 

あなたは、ペットのタバサを連れて学院の広場に来ていた。

 

タバサ、撃て。

 

「ん、了解」

 

タバサが魔法を唱える。

 

「ひぎぎぃ?!おっおっ、吸収したぁ!こ、これくらいなら余裕だぜ」

 

なるほど、トライアングルクラスの魔法を吸収する、と。

 

ならば、これはどうだろう。

 

あなたは、アイスボルトの魔法を唱えた。

 

「おぎゃああああああああ!!!!折れる折れる折れる折れる折れる折れる折れる折れるぅ!!!!」

 

アイスボルトを照射し続けるあなた。

 

大分手加減しているが、某魔砲少女並の極太ビームが照射されている。

 

本人は折れると言っているが、まだ折れてはいない。

 

ならばまだ余裕があると言うことだろう。

 

あなたは、その限界が知りたい。

 

「死ぬぅ!!!!俺死んじゃうぅ!!!!」

 

あなたが、アイスボルトの照射を続けていると。

 

「な、何やってんのあんた?!」

 

「タ、タバサ?!何で彼と仲良さげなの?!」

 

ルイズと、赤い女……、確かキュルケとか言ったか。その二人が現れた。

 

「お嬢ちゃんんんんん!!!!助けてええええええ!!!!」

 

「や、やめてあげなさいよ!折角買ってあげたのに、壊しちゃ駄目よ?!」

 

確かにそれもそうだ。固定アーティファクトを無闇に破壊するのは得策とは言えない。

 

しかし、魔法を吸収するとあるのは事実。少し実験していただけだとあなたは弁明した。

 

「なるほど、つまり、ディテクトマジックをかけたら、魔法を吸収するインテリジェンスソードだと判明したのね?だから、どこまで吸収できるか実験していたと」

 

そうだ、とあなたは答える。

 

「まあ、理由は分かったわ。でもね、そんなことがどうでもよくなるくらいに気にくわないことがあるの」

 

何だろうか。あなたは何も思いつかない。

 

「それよ!その女!」

 

タバサのことだろうか?

 

「タバサ、どうしちゃったの貴女?彼に興味でもあるの?」

 

キュルケも疑問に思っているそうだ。

 

「ん、ペットになった」

 

「「………………は?」」

 

しっかりと誤解のないように、言っておく。

 

彼女は自分のペットだと。これからは、色々な意味で可愛がる予定だと、重ねて宣言した。

 

頬を染めるタバサ。

 

「あ、あんた、貴族を奴隷に……?!」

 

それの何が悪い?あなたは何もおかしいとは思わない。

 

「タ、タバサはそれで良いの?!」

 

「彼は、恩人」

 

「え?!ペットよ?!」

 

「光栄」

 

「嘘ぉん?!!」

 

仰天するキュルケ。

 

「あ、ん、た、は、ねぇ!!!!」

 

声を荒げるルイズ。

 

喧しいのだが。

 

「貴族を何だと思っているのよ!!!」

 

あなたは、あなたにとって世界の全てが自分のおもちゃだと正直に答えた。

 

「何よ、それ……!世界の王様にでもなったつもりなの?!」

 

もちろん、自分は世界の王より尊い、神を超えた者だと説明した。

 

「偉そうに……!」

 

あなたを睨みつけるルイズ。

 

あなたはおかしなことを言ったつもりはない。

 

正直に、自分は神よりも優れているという自負がある。

 

しかし、偉いと思ってはいない。生き物なんて一皮剥けば肉の塊に過ぎないことをあなたはよく知っているからだ。ただ、あなたは自分が強いと知っているだけだ。他意はない。

 

「ええ、そうね、認めるわ、あんたは強い。私じゃ逆立ちしたって勝てないわ……。でも!だからこそ!力を持つものとしての責任を果たしなさい!人の上に立つ者は相応の品格がないといけないのよ!!」

 

ノブリスオブリージュだと?

 

「そうよ!尊き者を自称するならば品格を持ちなさい!!」

 

成る程、それも一つのものの見方だろう。

 

しかし、あなたの考え方は違った。

 

品格よりも快楽を求めるのがあなたの流儀だ。

 

気にくわないやつを痛めつけて殺して、良い女は犯して喰らう。欲しい物は力ずくで奪い、陵辱と侵略を繰り返す。

 

自分が中心に世界が回っているのではない。

 

自分が世界を回しているのだ。

 

そう言ってあなたが微笑むと、ルイズの瞳は更にきつくなった。

 

「あんた、本当に最低ね」

 

何か間違っていることを言ったか?とあなたは自分のペットであるタバサに尋ねた。

 

「苛烈」

 

ふむふむ成る程とあなたは頷いた。

 

しかし、ペットには相応に優しくしてやるし、心から愛してやるとあなたは伝えた。

 

あなたは血も涙もない冷血人間ではない。ただ単に拷問と殺戮と陵辱と略奪と他人の絶望顔が大好きなだけで、ちゃんと人を愛することのできる温かな人間だと表明した。

 

もちろん、このタバサだって性能はまだまだだがしっかりと愛しているし、大事にしている、と。

 

そう言ってあなたはタバサの頭を撫でてやった。

 

「嬉しい」

 

どうだろうか、諸君らも自分のペットにならないかとあなたは勧誘してあげた。

 

「言うに事欠いて……!!お断りよ!」

 

「えっ、私も?うーん、ちょっと迷うわね」

 

「は?何言ってるのよキュルケ!!」

 

「だって、蘇生魔法が使えるメイジなのよ?凄腕なんてレベルじゃないわ。そんな凄い人のモノになるのなら悪くないじゃない?」

 

「だからって、蛮行を許すと言うの?!」

 

「彼、傭兵でしょ?略奪とか強姦くらいは良いじゃないの。傭兵ってそう言うもんだし」

 

冒険者だ、とあなたは言う。どうもこの世界は冒険者がいないようだ。

 

そうして、広場で仲良く駄弁っていたところ、あなたの探知網に何かが引っかかる。

 

三十メートル程だろうか、モンスターにしてはそれなりだが。

 

「見損なったわキュルケ!あんたまでそんな」

 

「はいはい、って、ゴーレム?!」

 

ああ、なんだ、通りすがりのゴーレムかとあなたは納得した。

 

ノースティリスには種族がゴーレムだとか、リッチだとか、ドラゴンだなんてことはザラにある。

 

にしてもデカイだけで素材は土塊とは。あなた的にはアダマンタイトくらいじゃないとお話にならないと思うのだが。

 

そんなことを考えていると、あなたが先日ぶち破った壁を更に壊し、ゴーレムの肩に乗っていたローブの女が建物の中に入り、杖らしきものを手に脱出する。

 

おっ、強盗か?

 

良いぞやれやれー!とあなたは野次を飛ばした。

 

世界の動乱を望むあなたにとって、秩序を乱す者はお友達だ。

 

因みに、あなたはお友達であっても痛めつけて殺すことはおかしくないと思っている。

 

「あれは、まさか!『土くれ』のフーケ!!」

 

ルイズが叫び声をあげる。

 

あなたはビアを飲み干した。

 

「くっ、ファイアーボール!」

 

ゴーレムの近くの空間が爆ぜるが、ゴーレムは我関せずと歩いて、遠くへと消えて行った……。

 

 

 

「あ、あんた、最強を自称するなら、なんで目の前の敵を倒さなかったのよ」

 

何を言っているのか。

 

敵などどこにいたのだろう。

 

「フーケよ!怪盗なのよ?!」

 

あなたは、そう言えば知り合いに怪盗がいたなと思い出した。

 

稀代の泥棒とか名乗っていたので、スリで身ぐるみを剥いでやったのを覚えている。

 

それと、ピラミッドの攻略をした、だろうか。何せ数百年以上前のことだ、正確には覚えていない。

 

で、それで何故怪盗とやらを倒さなきゃならないのか、疑問に思った。

 

「何故って……、怪盗フーケは憎むべき悪なのよ?!」

 

笑わせる。自分達に都合が悪い存在を悪として、さも自分が正しいかのように弾劾するのだから。

 

世界に悪などいない。

 

あるのはただ、強いか弱いかだけだ。

 

「〜ッ、もう良いわよ!あんたには一切期待しないからっ!」

 

そもそも何か勘違いをしていないだろうか。自分はあくまで護衛であって、お前の手先ではないぞ、とあなたは警告してあげる。

 

「使い魔でしょうに!!」

 

いや、冒険者は誰にも仕えることはない。

 

あるのはただ、依頼だけだ。

 

あなたは、極力依頼は達成する主義だから、安心してほしいと告げた。

 

「……じゃあ、依頼よ。土くれのフーケを捕まえるのを手伝いなさい!!」

 




書きたいシーンはあるけれど、それを繋げるのが難しいのです。

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