ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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ぼんばいえ。


12話 ヒロインその三

マイア達、ビスト人のガキ共を拾って一週間。

 

エリーにロリコン疑惑をかけられたので、次は大人のおねーさんを拾いたい。

 

次の行き先は……、連邦と同盟には行ったから、帝国だな!

 

 

 

アウグスト帝国……。

 

約千四百年前に、宇宙移民船団が辿り着いた肥沃な惑星、『アウグスト』に入植した人々が、人間が到達可能な宙域全てに法の加護を与える、という名目で『アウグスト元老院』を作った。

 

しかし、元老院は二百年程でドロッドロに腐敗、一部の民は元老院の支配から逃れ、『サリアン惑星連邦』を結成し、議会政治を行う国を、遠くの惑星サリアンで建国。

 

一方で、元はアウグスト元老院肝いりの剣奴だった特S級サイキッカー、『ゴッドバルド』が、他のサイキッカーを集め反乱、元老院を皆殺しにし、ゴッドバルドを皇帝とした帝政を始める。

 

これが、アウグスト帝国の始まりだ。

 

つまり、俺が何を言いたいのかというと。

 

「奴隷の作った国の癖にお高くとまってね?」

 

ってことだ。

 

当時の権力者である元老院を皆殺しにして権力を得た、つまりテロリストの国の癖に、身分制度やら何やらが複雑なんだよな。

 

貴族制とか……、まあ、奴隷の王なんだ、そう言う特権階級への歪んだ憧れとかが出てるんだろうな、やっぱり。

 

そんなこんなで、アウグスト帝国の通商惑星ゼストへ到着。

 

ゼストは過ごしやすい……、どちらかといえば暖かい星。

 

しかし、連邦や同盟と変わらず、飯は不味いし、特権階級が幅を利かせていやがる。

 

だがまあ、俺に義憤に駆られ……、とかそんなんはない。

 

勝手にやってりゃいいんじゃね?みたいな気持ちでいる。

 

いやもう……、勝手にやってりゃいいじゃん。

 

まあ、驕り高ぶった貴族(笑)をおちょくって破滅させるのも楽しそうだけど、それは後でいいや。

 

取り敢えずは目先のこと。

 

褐色肌赤毛巨乳姉御系美女を探そう。

 

「ジェミニ、ハッキングで褐色肌赤毛巨乳姉御系美女を探してくれ」

 

「えっ、あっ、う、うん」

 

 

 

バネッサ・オズボーン……。

 

データ発見。

 

俺の望み通りの、褐色肌赤毛巨乳姉御系美女だ。

 

とても可愛い、可愛いってか、そうだな、良い女だ。

 

たまらないぜベイベー。

 

職業はジャンク屋、年齢は22歳、身分は……、外民、だそうだ。

 

「外民?」

 

「アウグスト帝国の外の市民ってことですよ」

 

アリエスが答える。

 

外?

 

「ここ、惑星ゼストの原住民は、元々帝国とは無関係の星でした。それを、武力で制圧したのが帝国です」

 

「成る程、某宇宙戦艦アニメみたいに、純粋なアウグスト帝国人と、アウグスト帝国が占領した国の人とでは身分の差がある訳だな?」

 

「そうです。因みに、外民でも大金を積むか、軍に入って功績を挙げるかすれば、平民にはなれます」

 

「成る程……」

 

その上で、貴族には階級もある、と。

 

割と酷くね、この国?

 

 

 

まあ良いや、兎に角バネッサを探そう。

 

エリーもマイアも白羊宮に置いてきた。

 

同行者はいない。

 

トゥエルブサインにはその辺で遊んでろと言っておいた。

 

俺は個人携行式のバリアシステムと、艦内へワープする転送装置、レーザーガン、物質転送装置付きカバンを持ち歩いている。

 

この辺の地域にいるってハッキングしたデータバンクには書いてあったんだがな。

 

人が多くてよく分かんないや。

 

なんて言うか……、平民の住む街は、人の数はそれなりで、みんな品のある感じで、街も静かで……。

 

でもここはもううるさいね。

 

人もたくさん、ゴミゴミしてるし、そこらで怪しげな露店が建ち並ぶ。

 

ここだけ発展途上国みたいだ。

 

「おいにいちゃん!これ買わねえか?!このバリア装置はなんと!あの空の上のでっかい戦艦から買い取ったもんなんだ!」

 

「でっかい戦艦?どれ?」

 

「ほら、あれだ!昨日からゼストの上に停泊してる12隻の戦艦があるだろ!俺はあいつらとツテがあってな!」

 

「へー、俺はお前のこと知らないけどな」

 

「………………は?」

 

「あれ、俺のなんすよ」

 

「は、ははは……、おっ、俺、用事を思い出したぜ!じゃあな!」

 

なんてこともありつつ……。

 

「バネッサのジャンク屋……、ここだな」

 

俺はボロい合成木材製の戸を叩く。

 

「はーい!」

 

いるっぽいな、入室。

 

「ん?なんだい、見ない顔だね?」

 

「旅行者だよ」

 

「旅行者ぁ〜?なんだってこのゼストに?旅行者なら自然の豊かな惑星リジッドとか汚染されてない海のある惑星ギラファとかに行くもんだろ?」

 

「ここも面白いけどね」

 

「そうかい、金持ちの考えることはよく分からないねえ」

 

ん?

 

「俺が金持ちなんて言ってないだろ」

 

「いやいや、その歳でこんなところで旅行なんてしてる奴は酔狂な金持ち以外の何者でもないよ……」

 

そうなん?

 

「はぁ、羨ましいねえ……。アタシなんてガキの頃から貧乏暮らしでさぁ……」

 

ふーん……。

 

「あ、ところでさ、これ売りたいんだけど、相場が分かんなくてさ」

 

嘘だ。

 

本当はこのレアメタルの相場は知っている。

 

「お、物がいいね。これなら……、これくらいで買い取るよ」

 

ふむ、相場で買い取ってくれるそうだ。

 

つまり、貧乏だががめつくはない。

 

「じゃあ売るよ」

 

「はい、代金ね」

 

「あとさー、君、両親とかは?」

 

「え?アタシは孤児だけど?」

 

「恋人とかいる?」

 

「なんだいなんだい?ナンパかい?アタシみたいなの口説いてもいい事ないよー?まあ、恋人はいた事ないけどねー。貧乏暇なしって言うだろ?男を相手にしてる暇なんてないない」

 

ふむ……。

 

「実はレズとか?」

 

「まさか!アタシはノーマルだよ!ただ……」

 

「ただ?」

 

「ジャンク屋をやってる同業の男は、おっさんかチンピラ崩ればっかりでね……」

 

「お淑やかな男性が好みだと?」

 

「いや……、何ヶ月も風呂に入らない不潔なおっさんとか、極彩色のモヒカンのヤク中とかじゃなければ、アタシは多くを望まないよっ……!!多くを望まないのに、まともな男がいないっ……!!」

 

成る程成る程。

 

「じゃあ俺でも構わないな?」

 

「そりゃ……、うん、うん、まあ、お客さんは身なりもいいし、いい匂いするし、顔もいいし……、ばっちりだよ」

 

よし。

 

「じゃあ、俺の愛人にならない?」

 

「あ、愛人かあ……。あんた、金持ちなのかい?」

 

俺はカバンをひっくり返して、レアメタルを机の上にインゴットで山盛り。

 

ドカドカとレアメタルのインゴットがぶちまけられ、既に百キロ近くは積み上げられている。

 

「うわわわわわわ!なんだいこれは!分かった、分かったからやめて!」

 

「分かった」

 

やめる。

 

「金持ちか……、うーん……、金で釣れるような安い女とは思われたくないよ」

 

「今回はご縁がなかったと言う事で」

 

「あっ、あっ、で、でも、こんなチャンス、人生で二度とないと思うし……、うーんと、えーと……!!」

 

「いや、嫌なら構わないんだけどね。宇宙は広いんだ、その中から俺についてきてくれる人を探せば良いんだから」

 

「あー!そう言う事言うー?!もっとこう……、胸がときめくような告白とかないのかい?!」

 

「んー?いや、単に君の顔とスタイルと性格が好みで立場が都合が良かったから……」

 

「顔とスタイルと性格と立場が?それって……、全部じゃないか!」

 

「うん、全部好きだよ」

 

「す、好き、なのか?」

 

「好きだよ」

 

「そ、そっか……、アタシのことが好きなのか……❤︎」

 

顔を赤くして俯くバネッサ。

 

……え?

 

「好きだって他人に言われるの、生まれて初めてだ……」

 

「えぇ……、どんな家庭環境だったんですかねぇ……」

 

「な、なあ、もっかい言ってくれるか?」

 

「好きだよ、愛してる」

 

「えへへ……❤︎」

 

え?

 

何これ?

 

え?

 

「え、えっと、だな、その、まずはお友達から始めないか?」

 

「あ、はい」

 

見た目に反して乙女かよ!!!

 




実はこっそりなんJフェニックス書けてるんですよ、二話。

まだ見たいって人いますかね……?

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