ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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うおぉ、今はほんへが進む君だわ。


4話 宇宙文化

取り敢えず観光……、の前に金だな。

 

俺達は検疫などを済ませたあと、旅行ガイドからレアメタルを買い取ってくれる店の位置を聞いた。

 

そこへ向かい、レアメタルを百キログラムほど売却し、千万リッチ受け取った。大体十億円くらい。だが、電子マネーだから端末を用意してくれ、とのことで急遽、全宇宙で一般的に使われているプライベートコンピュータ『アレサ』を人数分購入。腕輪型で、スマホみたいな機能がある、立体映像モニタの個人用コンピュータ。

 

それに、平等に金を分配して、その金で観光することに。

 

こいつらも物珍しそうにそこらへんを見ているが、ガキじゃないんで、はぐれたりすることはなく、そこら辺を見て回った。

 

「オッ、飲食店。取り敢えずなんか食おうぜ」

 

「はい、そうですね。肉体ですから、維持するには食事が必要です」

 

そして入った飯屋。結構上等そうなところにしておいた。メシマズはごめんだ。

 

メニューは?

 

・合成肉煮込み

・合成ヌードル

・成形野菜バー

・合成パン

・合成蛋白質スープ

・ソイレントペースト

 

「おぉお……?やべぇよ、やべぇよ……」

 

「では私は成形野菜バーを」

 

「僕は煮込みにしよう」

 

「ヌードルが一番マシそうじゃない?」

 

「大穴でソイレントペーストはどうでござるか?」

 

なんでノリノリなの君達ィ?

 

「じゃあ俺もヌードルで」

 

 

 

いやー。

 

「普通に不味かったな」

 

「普通に不味かったわね」

 

「普通に美味しくなかったですね」

 

普通に不味かった。

 

何というか、例える言葉が見つからないが……、無難に難がある、と言ったところかな。

 

普通に不味いんだけど、食えなくもないって言うか……。

 

店の人に天然物はないか尋ねたところ、培養もので十倍、天然物なら百倍の値段は覚悟しなきゃならないそうだ。怖えなー。

 

つまり、四百グラムの天然物のステーキを食べるなら、五十万円くらい、つまり五千リッチ程は欲しいってことだ。

 

飯は出来立ての天然物を異次元ポケットに仕舞ってあるから、それを食べよう。

 

でもちょっと、サイバネティックなこの世界の食事にも興味があるから、見つけた食べ物はちょっと買ってみたりもするかも。

 

 

 

さて、俺達は傭兵ギルドのドアを開いた。

 

傭兵ギルドと言っても、酒場が併設された木製の建物、なんてことはなく、普通に未来っぽい(普通に未来っぽい?訳の分からない表現だが、SFアニメでよく見る光景としか言えない)雰囲気の建物で、真ん中から縦に開く自動ドアを開けて、中に入ると、身体の一部をサイボーグ化させた傭兵がちらほら。

 

「アリエス!見ろよ!サイボーグだ!カッコいいな!」

 

「マスターも施術致しましょうか?可能ですが」

 

「いや、手術は怖いからやだ」

 

「そうですか」

 

「でも良いよな、サイボーグ。戦場で傷ついた身体を機械で代替。腕に銃とか仕込んじゃったりしてさ!カッコいいよなー!」

 

俺が目を輝かせていると。

 

「ガハハ、にいちゃん、サイボーグなんていいもんじゃないぜ?メンテに金はかかるし、女にはモテない!碌なことがねえ!」

 

「馬鹿やろ、モテねえのはサイボーグだからじゃなくってお前が馬鹿だからだ!」

 

「なんだとテメエ!」

 

おー!

 

傭兵っぽい。

 

良いね、そういうの。俺もちょっと雰囲気を味わいたい。

 

受付へ。

 

「こんにちは」

 

「こんにちは?」

 

「傭兵になりたいです」

 

「え?傭兵に依頼、ではなく?」

 

「傭兵になりたいです、俺達全員」

 

「あ、あの、子供もいらっしゃるみたいですけど?」

 

「若作りでしょ、全員成人してますから大丈夫です」

 

「え、えっと、その」

 

「良いだろー!傭兵やってみたいんだよー!」

 

「ちょ、ちょっと上の方に確認してきますね」

 

奥へ引っ込んで行った。

 

ジェミニが盗み聞きして、それを俺に耳打ちしてくれる。

 

「えっとね……、『ギルド長、あの、例の旅人ですけど……』『軍部からは刺激するなとの通達があった。順当にEランクを与えるんだ。文句を言うようであればCまで与えて構わん』『分かりました、子供もですか?』『成人していると言い張っているんだ、傭兵は死んでも自己責任だとそれとなく伝えろ。それでもやりたいと言うなら構わんだろう』『了解です』だって」

 

ほーん。

 

やっぱり警戒されてんのか。

 

まあ、舐められるよりはマシかね?

 

「お待たせしました。傭兵の許可自体は大丈夫です。しかし、その、傭兵は大変危険なお仕事です。死亡率も高く、国際法に守られていませんから、捕まれば拷問されたりもします。それでも傭兵をやりますか?」

 

「ああ、本格的にやるつもりはないよ?雰囲気を味わえたらそれで良いから。チャチな海賊退治とかでお茶を濁したら満足すると思う」

 

「逆にそんな覚悟なのも問題なんですけれど……、その、自己責任なんですよ?」

 

「まあ、捕まっても超能力あるしな、俺達」

 

喧騒がピタリと止む。

 

「……え?」

 

「あれ?その、超能力者っていないの?」

 

「サ、サイキッカー?!!!!」

 

あれあれー?僕、なんかまたやっちゃいましたー?(なろう)

 

「ええ、ほら」

 

俺はサイコキネシスで契約書を手元に引き寄せた。

 

「サイキッカー、超進化人類……!!わ、悪いことは言いません!!サイキッカーなら、傭兵なんてやらないで軍へ行ってください!最低でも尉官からスタートで重婚可能、税金半額!事実上の貴族階級ですよ!!」

 

「そんなに凄いの?」

 

「連邦でもサイキッカーなら事実上の特権階級ですし、帝国なら血筋がなくても伯爵にはなれると聞きます!同盟でもサイキッカーなら上層部に食い込めるそうですし……、傭兵なんてやる意味、ありませんよ!!!」

 

「でも軍隊とか面倒いし……。朝は起きたくないし、訓練もやだしねえ。傭兵の方がロマンがあってかっこいいから傭兵やるわ」

 

「市民権だって事実上タダで手に入りますし、首都サリアンへ居住することも可能ですよ?!!!」

 

「凄いの?サリアン」

 

「もちろんです!首都サリアンは優秀な迎撃システムと軍本部基地があって安全で、その上、原生林や農耕地などがあり、天然物が手に入りやすく、また歴史的建造物も多数ある歴史ある星ですよ!」

 

「ほーん、面白そう。機会があったら観光するわ」

 

「か、観光じゃなくって、サイキッカーならサリアンに住めますよ?!」

 

んー。

 

「いやあ、建造物とか自然なら宝瓶宮にいくらでもあるし」

 

「はい?」

 

「ほら、あそこにさ、でかい船あるだろ?青いやつは宝瓶宮ってんだけどさ、あそこには自然環境プラントがあるんだよね。なあ、アクエリウス?」

 

「そうさ、私の宝瓶宮では三百億以上の知的生命体に天然素材の食事を提供し続けられる自然環境プラントが存在するのさ」

 

アクエリウスが答える。

 

「培養ものでも良ければ、私の処女宮とアリエスさんの白羊宮と、他の皆さんの十二宮全部合わせて、二千億人以上の人員の受け入れ態勢がありますね」

 

とビルゴ。

 

「だってさ」

 

「そ、そんな、あり得ません……!!!」

 

「そうなの?」

 

「だ、だって、サリアン惑星連邦の総人口が三百億人ですよ?!その六倍以上も収容可能だなんて!!」

 

「まあ、ちょっとした星を十二個持ってるみたいなもんだからね、俺。それくらいは収容できるって話。まあ、やらないけどね。難民問題とかめんどくさそうだし、人ごみ嫌いだし」

 

ん?どうしたジェミニ?

 

「今の会話、全部録音されて、軍のネットワークに流されたよ」

 

ほーん。

 

「まあ良いんじゃね?別に十二宮のスペックがバレて困ることないし」

 

「そうだけど、言いふらすのはどうなのかな?」

 

それもそうだな。

 

「聞かれりゃ問題ない範囲で答えるって感じで」

 

「そうだね、その方が良いよ」

 

さて、それじゃあ。

 

契約書にサインして、と。

 

「傭兵、やりますか」

 




という訳で思いつき集の書き溜めはあんまりない!

これの続き欲しいと言ってくれれば今から書きます。

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