ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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台風で何もできませんでした。

まあ何もやるつもりなかったですけど!


117話 生の映画日本編 その2

ムンドゥス教、教祖。

 

荒木美幸。

 

彼女は、世界崩壊後の世界で神を見出した……。

 

ちょっと待て、ナレーションお前なのか?

 

うるさいな!僕もこの日の為にわざわざ『美声』のスキルを取ってきたんだよ!黙って僕のナレーションを聞いてくれよ!

 

……ごほん。

 

彼女は元々、キリスト教徒の家庭に生まれ、日本人とは思えないほどに信心深い少女だったんだ。

 

流石に、死にそうになっても献血はしません!みたいなカルトとは違うけど、毎週ミサに行き、常に十字架を持ち歩き、神に対する感謝の気持ちを持ち続けている良い子だよ。

 

ああ、でも……、可哀想に。

 

信仰も虚しく、世界は崩壊した。

 

彼女は、神に裏切られた気分だっただろう。

 

親兄弟や友人が目の前でモンスターにバリバリ食われて、家が崩れ、学校も……。

 

空っぽになった少女は、一人で、長崎の田舎町で静かに暮らしていた。

 

どうやら、親戚がいたらしくてね。

 

じゃがいもの農家みたいで、そこで死んだように暮らし始めたんだ。

 

だが、ある日。

 

彼女は、彼女の『カミサマ』と出会ったのさ。

 

………………。

 

おや?どうしたんだいタツ?神の如き力を持つタツ君?

 

殺すぞ。

 

ヒェー!まあまあ、怒んないでぇ〜?

 

……で、まあ、予想通りだよ。

 

彼女は、タツを見たんだ。

 

数百ものワイバーンを連れて、日本中に支援物資を届けて、各地との交易を開始したタツの勇姿をね!

 

うええ……。

 

ハハッ、アハハハハハハ!!!

 

うわ!シーマが爆笑してる!

 

笑うなこの野郎!!!

 

それ以降、タツを神様だと思い込んだ彼女は、ムンドゥス教を設立して、毎日お祈りをしているって訳さ!

 

はぁ〜……。

 

まあでも、カンストして時壊神のジョブを得ているタツは、実際に神にカウントされるらしくてね。

 

は?

 

彼女は、ムンドゥス教の教祖にして神官であるから、タツの力をほんの一部だけ使えるみたいだよ?

 

……え?俺別に許可とかしてないんだけど?

 

んー、何かね、そう言うシステムらしいね。僕達、世界という名のシステムに、神と認識されてるっぽい。信仰すると自動的になんかあるっぽいよ。

 

えぇ……。

 

で、信徒の多さはダントツで君なんだよね!

 

ええぇ……?

 

だって君、君の名義で屑籠屋とか運送会社ガーベージとか開いてるんだもん。そりゃ、君に信仰行くよね。

 

えええぇ……?!

 

因みに、ダントツで信仰されてないのはシーマだよ。

 

まあそれはそう。

 

殺すわよ?

 

だってお前引きこもりじゃん……。

 

あ、でも、シーマに鍛えられた人とかは信仰してるっぽいね。

 

へー。

 

あと、次に多いのはヴォルフ。

 

む、そうなのか。

 

ヴォルフは真面目に働いたりしているところがよく見られてるからね、それもあるんだろうね。

 

そうか……。

 

「偉大なる神、ムンドゥス様に、祈りを……」

 

「「「「祈りを……」」」」

 

えぇ……。何これ怖……。

 

廃教会で祈ってるね。

 

うえぇ……、カルトじゃん。地下鉄にサリン撒きそう。

 

信仰度が一定に達すると、『信仰:時壊神』のスキルを得るみたいだよ。

 

するとどうなるんだ?

 

一日一回、短距離空間転移が使えるようになる。

 

へえ、俺の加護はそんな感じのアレなのか。

 

因みに……、僕の加護は「一日一回、魔法威力三倍」で、ヴォルフの加護は「防御力が5%アップ」、シーマの加護は「防御力5%ダウン、その代わりに攻撃力が10%アップ」だね。

 

ふーん?

 

もちろん、信仰度が上がれば、更なる能力が得られるよ。ここにいる人達は相当な狂信者だから、結構な加護を得てるね。

 

怖……。

 

えー?でもあの子、結構可愛いよ?役得なんじゃない?

 

んー、まあ、抱かれたいってんなら抱けるが。

 

マジ?頭おかしいよこの子?

 

俺はシーマを抱いたんだぞ。

 

な、なんて絶大な説得力なんだッ……!!!

 

殺すわよ?

 

痛ァッ!!!

 

 

 

で、この子は普段、何やってんの?

 

農業。

 

農業?

 

うんまあ、普通に農業だよね。野菜を育てて、月一で来るワイバーン便に納品して、その代わりに塩や衣服なんかを得る。

 

スローライフか。

 

そんな良いもんじゃないよ。この村では年齢一桁の子供も働いていて、農耕機械も使えないから朝から晩まで重労働だ。

 

あれ?エンジンを魔力駆動に変換する機械は?この前のイーライは使ってただろ。

 

アレはねえ、三十レベル帯くらいの工学系のジョブの人にしか設置できないんだよ。

 

ゴミかな?

 

残念ながら、ゴミだねえ。それにあの装置はかなり貴重だから、簡単に手に入らないのもあるよ。

 

アホじゃん。

 

うん。だから日本政府は、誰でも使える食料や衣類、薬品なんかを各地に送ってるね。でも、日本はアメリカと違って、月一回の定期ワイバーン便で欲しいものが指定できるのが強みじゃない?

 

へえ、タダなのか?

 

流石に有料だよ。さっきも言ったように、定期ワイバーン便に納入した作物や魔石の量で優遇度が違ってくる。

 

なるほどなー。

 

この村は、月に一回のハイペースでワイバーン便が複数来る、有力な村だね。

 

有力?

 

うん。碌に何も生産できないような村には、最低限の補給物資しか届かないんだ。

 

へー。

 

さ、そんな良い村の生活を、教祖様視点で見ていこうか……。

 




次でポストアポカリプス×ダンジョンの書き溜め終わります。

どうするかな……。

とりあえず、今、必死こいてソシャゲ転移を第一章まで書き終わったんですけど……。

何かこう、あんまり、こう、人気出なさそう……。

いや、書きたいものを書くって決めてるんで、あれこれ言うのはアレかな……。

新作を書くにしても、既存作をしばらく書いてから新作を出すような感じで、とにかく既存作を書いていく姿勢をしたい。

なんか完結させたら、清書してカクヨム辺りにぶん投げるんだあ……。そして、レビュー欄でヨイショしてもらうのが夢。


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