ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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面白い小説が見つからねーな。


98話 ヒューストン行きのあれこれ

「景光!これ!」

 

おいは、相棒の益口命の持ってきた依頼書に目を通す。

 

報酬は……、ミスリル延棒?

 

驚いたのう、大盤振る舞いじゃ。

 

依頼人は……?

 

「読めねぞ?こりゃガイジンの署名じゃ」

 

「馬鹿っ!ハロルド・チェス……、アメリカの大統領よっ!」

 

「はろるど閣下……?ああ、昔ニュースで見たとよ。なんでも、相当なぼっけもんだそうじゃな?」

 

「ぼっけもん……、まあそうかもね。で、どうする?」

 

む……。

 

「ひゅうすとん、はどこじゃ?」

 

「アメリカの南の方よ」

 

「魔物はどんなんじゃ?」

 

「ヒューストンのモンスターは、政府の事前調査によるとレベル三十から、最大でも六十って帯域だそうよ」

 

「良か、やるぞ」

 

「良いの?」

 

「確かに、やっけな仕事じゃが……、じゃっどん、見返りが大きか」

 

「まあ、確かにね。前金として経費を十万円分くらい支給してもらえて、飲食やら薬品やら何やらはアメリカ軍のものを支給。大軍での活動だから、夜の見張りも楽……、となるとね」

 

「む……?おお、景光君か。君もこの依頼を?」

 

おお、あべる・ふぉるじゅ殿。

 

「あべるどんも受けるか?」

 

「うむ。だが、高い賃金が目当てではなく、アメリカが生存圏の拡張に成功すれば、我が国でも同じような活動が始まるかも知れんという期待を込めてのことだ」

 

「まこち、あべるどんは国士じゃな」

 

ふらんせ国のことをよく考えておる。

 

おいどんは、そこまでお国のことを考えちょらん。

 

おいだけじゃなく、日本人皆がそうじゃ。

 

こげなやっけなこつになって、お国のためなぞ言ってもばったいいかん。

 

じゃが、このあべるどんは、己のお国を大切に思うとる。

 

まこち義の人じゃ。

 

あべるどんを見習って、おいどんもお国のために戦うのも良いかもしれん。

 

「私も同行しよう」

 

「おお、とりふぉんどん」

 

露人のとりふぉんどんも行くそうじゃ。

 

その他にも、この天海街に詰めとる、名高い冒険者が何人も参加するようじゃ。

 

そうなると……。

 

「羽佐間どんはどうするか、聞きに行くか……」

 

 

 

×××××××××××××××

 

「え?俺?」

 

鬼武者が訪ねてきた。

 

そして、ヒューストン行きをどうするかと聞かれる。

 

「そうじゃ、どうする?」

 

「一応、現地には行くけど」

 

「ないごてじゃ?」

 

「暇つぶし。戦うのはだるいからやらんけど、お前らが戦ってるのを見て、それを肴に酒でも飲もうかなーと」

 

俺は、隠すことでもないので、正直に答えた。

 

「うわ……、最低……」

 

夢想神楽が小声で言った。

 

「く、ははははは!羽佐間どんはそうじゃなきゃいかん!良かぞ!おいどんの戦い、しかと見届けろ!!!」

 

なんか分からんが笑ってる鬼武者。

 

 

 

さて……、俺はアレになる予定だ。

 

そう、ダンジョンの中に何故かいる商人!

 

ボス前で回復アイテムとか売ってる謎の商人に!

 

ほら……、最近のRPGによくいるでしょ?

 

ボス前でなぜか露店を開く商人。

 

毒持ちのボスの前で毒消しアイテム売ってるような奴。

 

アレをやります。

 

戦場で屋台をやるのもコミカルな絵面で面白いかもしれない。

 

俺は遊んで暮らすつもりでいるので、労働らしい労働はやらん。

 

労働心がある者は、ばかだ。Kもそう言っていた気がする。

 

 

 

「ところで、シェイクスピアって卑猥じゃん?スピアをシェイクするんだぜ?それって完全にオナ……」

 

「何を言ってるのさ、煌めく剣を鞘におさめよって言うだろ?つまり、露出趣味は厳罰ってことさ!」

 

「……生きるべきか死ぬべきか、それが問題だというが、あんたらは死ぬべきね」

 

「人は泣きながら生まれてくると言うが、こんな連中が牛耳っている世界に生まれたら、それは泣くだろうな……」

 

そんな軽口を叩きながら、全員で色々と、今後の準備をする。

 

「よくもまあ、そんな下劣なことを……。恥は感じないのか?」

 

とヴォルフ。

 

「俺は人間合格だからな、恥のない人生を送ってきた」

 

と俺が返すと。

 

「下ネタのかけらもなくちゃ、人生はただただ耐えがたいものになっちゃうよ?もっと気楽に行こうじゃないか!」

 

とアーニーも便乗。

 

「お前の人生は所詮、歩く幻だ」

 

と辛辣なシーマ。

 

無駄に積み上げた教養で殴り合う。

 

そして、作業が終わって……。

 

「「「「ヨシ!飲もう!」」」」

 

となる。

 

 

 

「今日は、日本酒でいきまーす」

 

「「「おおーっ」」」

 

色々と用意しましたよええ。

 

肴を用意する。

 

「今日は大吟醸で一杯やろう」

 

「ダイギンジョー!言葉の意味はよく分からないけど美味そうな響き!」

 

「大吟醸ってのは、米の外側を削って、内側のあまーいところだけで作った酒だ」

 

「へえ!良いね、僕は甘い方が好きだよ」

 

「味は淡い感じなんだが、香りが良くてな。まあ、とりあえず一杯」

 

「「「「乾杯(プロージット)!」」」」

 

おちょこなので床にグラスを投げて割ったりしないです。

 

「くあーっ……!白ワイン?米でこんな味が出せるもんなの?」

 

アーニーは、酒の味に唸った。

 

「これ、多分……、そう、チーズとか合いそう」

 

「そうくると思って既に用意してあるんだよなあ」

 

燻製チーズをな!

 

「んんーっ!バッチリだ!」

 

「だが俺はこの鯛の刺身を提案したい」

 

「鯛の刺身?……おお!これも美味しいねえ!すっごく淡白な味だ!」

 

「そこに大吟醸を合わせるとだな……、くあーっ!美味いっ!」

 

「んん!これは……、淡白な味の鯛は、大吟醸の香りとぶつからなくて美味いねえ!」

 

俺がアーニーと楽しんでいると……。

 

「美味しいジュースね」

 

とシーマが言った。

 

「お前はそう来ると思って、日本酒度+6.0以上の大辛口を用意しておいたっつーの」

 

シーマは、大辛口の日本酒を一口。

 

「悪くない……、けれど、アルコールが薄過ぎるわ」

 

「おめーもう焼酎飲め!流石にウォッカ常飲ウーマンさんはちげぇなあ!!!」

 

「む、これは良いわね。五十度近くはある」

 

「お前本当に酒の味分かってる????」

 

一方でヴォルフは……。

 

「うむ……」

 

「本醸造か。お前はラガービールが好きだもんな、すっきりとした口当たりの酒が好きか?」

 

「うむ」

 

「本醸造はまあ、色んな食い物に合うぞ。ハマグリの酒蒸しなんて最高だ。ほら」

 

「ちゅる……!おおっ!これは美味いな!」

 

「だろ?」

 

「酒を使った料理は酒に合う、のか」

 

「そう言うことだ」

 

そうやって夜はふけていった……。

 

 




異世界と行ったり来たりの続きを書きてえなあ。

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