ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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おちんちん。


58話 クリスマス

「「「「メリークリスマス!」」」」

 

なんだかんだでもう冬だ。

 

クリスマスなのでパーティーを決行する。

 

二十五日は家族と過ごす感じにして、今日、二十四日は、友人と集まって大規模なパーティーをキメる。

 

アーニーがハリアルシティにパーティー会場を抑えてくれていたんで、そこでパーティーをする。

 

「「「「カンパーイ!!!!」」」」

 

「俺、一杯目はアサヒスーパードライって決めてるから」

 

「僕、一杯目はバドライトって決めてるから」

 

「私はバルティカ」

 

「ヘフェヴァイスビア」

 

はい、いつも通り好みはバラバラ!

 

まあ、個人の自由だから突っ込みはしない。

 

個人的にビールで一番大切なのはキレで、飲んだ時の爽快感が重視されると思うのだが……。

 

とりあえず、ビールのジョッキ一杯目を空けたので、それぞれ好きなものを飲み始める。

 

折角なので俺はシャンパンを出した。

 

「モエ・エ・シャンドンのボトルを綺麗なキャビネットにしまって『どうぞケーキでも』と言う彼女はまるでマリーアントワネット、ってな」

 

「ハッ、フルシチョフとケネディも宥める人柄ってかい?古いんだよ君は、おじさんめ」

 

アーニーに言われる。

 

「うるせえ、名曲だろうが!」

 

シャンパンを注ぐ。

 

「ん、美味いわね」

 

シーマがそれを引ったくる。

 

「あっ、この野郎」

 

「野郎?私は女よ」

 

そう言いながらお代わりを要求してくるシーマ。

 

仕方なく注いでやる。

 

俺も自分の分を注いで一口。

 

「おお、美味いな」

 

流石は高級ブランドと言ったところか。

 

「おお……、美味いな」

 

ヴォルフが、その辺にある厚切りハムをかじっている。

 

「この強めの塩気と肉の旨味がたまらんな」

 

「そりゃそうだ、俺が作った豚肉のハムだからな」

 

「成る程、最高に美味いぞ。帰りに一本くれないか?母にも食べさせてやりたい」

 

「ああ、ここの冷蔵庫に入れておいたから後で持っていけ」

 

そして、俺は目の前のローストビーフを食う。

 

「お、美味い、流石は俺」

 

自画自賛が止まらない。

 

オニオンソースはガーリックをかなり強めにして作ったんだが、これが匂いが強めのオージービーフにぴったりだ。

 

野生的な肉の香りに、強いニンニクの香り。

 

男の料理だな。

 

安易に霜降りに走るのは良くない、料理ごとに的確な肉があるのだ。

 

ローストビーフは、脂の少ない肉ほど良いのだ。

 

「あ、このキッシュ美味しいねえ。ふわっとしてて優しい味だ」

 

アーニーがキッシュにかじりつく。

 

いやあ、全く、飯は美味いし酒も美味い。

 

言うことなしのクリスマスだ。

 

 

 

さて……。

 

このクリスマス会場には、揚羽の親父、ヴォルフの嫁のフェイ、アーニーの嫁のローラも来ている。

 

彼らは大人なので、クリスマスもただ飲み食いするだけじゃなく、仕事の話をしているようだな。

 

え?俺達?

 

……ぼく、さんしゃい!!!

 

 

 

揚羽の親父、フェイ、ローラが英語で話をしている。

 

揚羽の親父は英語なんて喋れないので、通訳に大学の学長がついている。

 

フェイは賢いので英語を話せるそうだ。まあ、一流のビジネスマンが英語わからんなんて言えんわな。

 

ローラは英語がネイティブだ。

 

さあ、始まりました、英語による会議。

 

『では、確認しますが……、うち、天海街からはポーションの類、ハリアルシティからは魔導書の類、ヴァイスベルグからは魔導具の類を出せるんですね?』

 

揚羽の親父が翻訳越しに言った。

 

『ええ、基本は物々交換で、為替レートについては下の者と話し合いをして決定しましょう』

 

クールビューティ、ローラが言った。

 

『食品は、天海街がイノシシとウサギのモンスター肉、それと魚類。ハリアルシティが牛モンスター肉と麦。ヴァイスベルグが豚モンスター肉とジャガイモを出せるんですね?』

 

可愛い系、フェイが言った。

 

『一応、うちも米は出せますし、日本酒も売れますよ。それと果物も取れるので、果物を使った酒もあります』

 

『あら、ぜひ輸入したいわ。うちは肉と野菜ならたくさんあるけれど……』

 

『うちはドワーフにせっつかれるので、ビールとウイスキー、アクアビット辺りが今急いで生産されてますね』

 

実りある会議になっているようだ。

 

一方で俺達は……。

 

「メインイベンット!!!!モンスター肉食べ比べェイ!!!!」

 

「「「イェーイ!!!」」」

 

今まで狩ってきたモンスターの肉を食べるぜ!!!

 

サイコロステーキのように小さくカットした各種モンスター肉を食べ比べ!

 

「まずこれだ!」

 

「ん……、牛っぽい?けど牛より美味いねこれ」

 

「肉の味が濃厚で脂身がかなり甘いわね」

 

「む……、少々脂っ気が多い気がするぞ」

 

発表!

 

「これはね、カトブレパスの肉だ!牛のモンスターでも厄介な方のカトブレパス、わざわざ倒して食うだけの価値はあるな!」

 

「あー、カトブレパスか」

 

「因みに、色々試したけど、ステーキが一番美味かった」

 

次!

 

「鳥モンスターの肉だ!食ってみろ!」

 

「あ、七面鳥とチキンの合いの子みたいだね」

 

「本当ね、脂少なめだけど、しっとりとしていてパサつかないからいくらでも食べれそうね」

 

「む……!これは美味いな、後でくれないか?」

 

これは何の肉か分かるかなー?

 

「コカトリスでしょ?僕、前に食べたよ」

 

「アーニー、正解だ!」

 

次!

 

「熱っつ、不自然に熱い!けど美味いね、淡白な白身みたいだけど、色は赤だ」

 

「昔食べたワニ肉に似てるわ」

 

「む……、これもイケるな、熱いが」

 

「これなーんだ!」

 

「えー、火属性っぽいモンスターでしょ?」

 

「ファイアドレイクね?」

 

「はいシーマ正解!」

 

そして……。

 

「大トリはこれだ!ドラゴン肉ー!!!」

 

「「「おおー!!!」」」

 

さて、お味は……?

 

「「「「美味い!!!!」」」」

 

「ちょ、これ、かなり美味いぞ?!」

 

とアーニー。

 

「牛とワニ肉の合いの子のようで、肉自身の旨味とワイルドな香りがガツンと来るわ!」

 

とシーマ。

 

「むぅ、脂身も多過ぎず少な過ぎずの絶妙なバランスだ……!」

 

とヴォルフ。

 

「ドラゴン系の肉は何かに例えられないんだけど、兎に角べらぼうに美味いんだよなあ!」

 

俺が言った。

 

「ドラゴン肉は美味過ぎて市場に流せないね」

 

「狩ってこいとせっつかれるのはごめんよ」

 

「む……、身内だけで楽しむか」

 

などと話しつつ、クリスマスは過ぎていく……。

 




駄目だ……。

旅人提督も書けないけど、思いつき集も書けない……。

面白い話が書けない……。

果たしてこれは面白いのか……?

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