ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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国旗パタパタブリカスしぐさすこ。


53話 デート 後編

風道羚、二十一歳。

 

国立円居大学人文学部三年生。

 

151cmで40kgで、78-56-67の細身。

 

四角い黒縁メガネと、腰まで伸びた黒のロングヘアをハーフアップにしている。

 

雰囲気はまさに深窓の令嬢、育ちの良さそうな整った顔立ちは、少々眠たげに見える。癒し系の顔か?どちらかと言えばクール系だろう。そのくせに割とアクティブなところがある、謎の多い女だ。

 

そして、この女は、天海街最高の『魔法銃士』である。

 

魔法銃士は、白魔導師並にレアで、世界でも数百人しか存在しないとされるJOBだ。

 

その性能は魔法剣士の銃器バージョンと言ったもので、魔法を銃器に込めて発射する『魔弾』のスキルを所有していることが最大の特徴だな。

 

魔弾の利点は、破壊力の収束にある。

 

例え初級魔法であっても、魔弾として収束させれば、通常の銃弾以上の威力を発揮するのだ。

 

魔法銃士は、それとは別に魔法も使えるので、収束破壊、範囲殲滅の双方をこなせる、遠距離攻撃のスペシャリストであると言える。

 

そして、天海街最高の称号は、そのまま日本最高の称号でもある。

 

つまり、世界最高の魔法銃士である訳だ。

 

各国は最近、真面目に、武官の募集を考えている。

 

冒険者という浪人を仕官させて、ダンジョン攻略や治安維持をさせようということだ。

 

戦国時代みたいな話だが、各国の技術は既に戦国時代レベルくらいまで後退してるから問題はないな!

 

マジな話、軍隊も足りないから、冒険者などの在野の人間を使おうみたいな話は各国にある。

 

冒険者は日本発祥の制度だが、各国に広まっているようだ。ギリギリ生きているネットワークや、船での移動により、ごく少数だが国家間での人や物資の動きはある。

 

冒険者という制度は、日本から各地に広まり、根付いている……。

 

要するに、PMCみたいなものだからな。

 

つまりは、そんな羚も、国から勧誘が来るレベルの強者である。

 

俺?俺は危な過ぎて触れられないからな。

 

 

 

「ん……」

 

「何だ?」

 

「手を……」

 

ああ、そうか。

 

「ほら」

 

手を繋いでやる。

 

「ん……」

 

なんか喋れや。

 

……まあ、別に良いか。

 

羚は必要な時に必要なことを話す。

 

こうして、俺が察せるレベルのことをわざわざ口に出したりはしない。

 

ベラベラ喋りまくる女よりはよっぽどマシだわな。うるさくないのは助かる。その分目で訴えかけてくるんだが。

 

目と目で通じ合えるってなんか良いよね!

 

……などと言うと思ったかバーカ!察しろオーラやめろや!めんどくせえなこの女は!

 

羚も、いつもの格好でこちらにしなだれかかってくる。

 

いつもの格好とはすなわち、魔装銃と魔導短銃、ミスリルのナイフ、ワイバーン革のズボンとロングコート、ブーツである。

 

揚羽といい、クソ暑そうな格好をしているが、冒険者は基本そんなもんだし、上着や鎧の下に暑さ軽減の魔導下着なんかを着込んでいるもんだから、熱中症とかは特にない。

 

むしろ、日差しが遮られる厚着である分涼しいくらいらしい。

 

媚び媚びの太ももおへそペローン、みたいなアホな服を着ている冒険者は少数だ。

 

尚、冬には寒さ軽減の魔導下着に切り替えるそうで、天候や季節によって装備が左右されることはあまりないようだ。

 

紫外線は防げないので、薄着の女性冒険者は、どうにかしてUVカットの魔導具を作ろうとしている……、なんて話も小耳に挟んだな。

 

そんな感じで、ミリタリー系のモスグリーンのオーバーコートに、背中にライフル、腰には拳銃という姿で歩く羚は、どこぞのリアル系ロボットアニメの悪の帝国の幹部のような格好にも見える。

 

コスプレっぽくて可愛いじゃねえか。

 

一回、この格好のままセックスしたが、ありゃあ良かった。

 

あ、因みに、銃士が補正がつく武器は古式銃だから、みんなマスケット持って歩ってるぞ。

 

逆に、新型の銃ほど、補正が低くて使えないらしい。

 

オートマよりリボルバーの方が強いのだ。

 

何故か。

 

世界の法則が書き換わっている……?

 

まさか、世界規模の流出現象……?

 

いや、そんなまさか……。

 

「ん!」

 

「どうした?」

 

「……私といる時には、私のことを考えて欲しい」

 

は?ウザっ。

 

「はあー、分かったよ、ごめんな羚。お前のこと、ちゃんと見ててやるよ」

 

一応詫びておくか。

 

謝罪の言葉はタダだからな。

 

「ん、許す」

 

 

 

揚羽がJK枠だとしたら、昌巳はボーイッシュ枠で、月兎はロリ枠、羚はモデル系枠だろう。

 

シーマ?あいつは巨乳枠だ。デカイぞー。

 

全員極めて顔と性格が良い。シーマを除いてな。

 

 

 

日野昌巳、十六歳。

 

166cmの49kgで、83-61-80のナイスなスタイル。

 

腹筋の割れたボーイッシュな雰囲気の美女だ。

 

栗色の髪を短めのポニーテールにした元気のいい女の子だな。

 

実家はフルコンタクト系実戦空手の道場。

 

昌巳は良いぞ、溌剌とした雰囲気だが、割とエロい身体してやがるからな。

 

顔も少々鋭いが整っているし、人懐こい笑顔が可愛らしい。

 

そんな昌巳は、天海街最高の武闘家である。

 

武闘家は、格闘家の上位JOBで、総数は割と多いと言われているのだが……。

 

それでも、上位のJOBであり、メレーとしてトップクラスと謳われるJOBだ。

 

武闘家の最大の特徴は、なんと言っても『練気』だろう。

 

戦闘の最中に気を練ることで、攻撃力を上昇させる強力なスキルだ。

 

そして、練った気を乗せた一撃は、ヌーカーのそれに匹敵する。

 

 

 

「あのさぁ」

 

「何すか?」

 

「真夏にランニングとかしたくねーんだけど」

 

「まあまあ!思いっきり汗を流すと気持ちいいっすよ!」

 

昌巳の格好は、ブラックドレイクの革ズボンにコットントレントの綿の上着。そしてカプロスの革の赤い腰布に、魔導具の魔力を流し込めば伸びる鎖を腰に巻いている。

 

武器はメテオライトの手甲と足甲である。

 

今は隣で、何がそんなに嬉しいのかわからんがニコニコしながら走っている。

 

勘弁してくれ。

 

俺は単に、軽い運動のために格闘ジム代わりにこいつの実家の道場に通ってただけだ。

 

そんな俺を見て「強い!シブい!カッコいい!」とか言って、勝手に惚れ込んできた。

 

拒否しない俺が悪いんだが、あえて言わせてもらう。

 

何なんだお前?!!

 

 

 

塚原月兎、二十二歳。

 

142cmの34kg、68-50-70のチビ。

 

二十二でこのスタイルは確実にヤベーだろ。中学二年生と言っても納得のチビガリ女だ。

 

見た目は徹底的にダウナー系。泣きぼくろがチャームポイント。

 

見た目は完璧にガキなんだが、何処となく色気があるんだよなぁ。

 

そんな月兎のJOBは重騎士。

 

こちらもレアなJOBだ。

 

重騎士はタンク系の、騎士の一種で、STRとVITに絶大な補正がかかる。

 

そして、騎士と同じ系統だから、すなわち、騎士と同じようなスキル構成になる。

 

つまり……、最優のタンクたる、騎士と同じ、挑発、そして庇護が使えるのだ。

 

MMO的に言えば、ヘイトを集めて、他者を庇えるってことだな。

 

騎士は一人いるだけでパーティの安定度が段違いだそうだ。

 

あと、何故かヨーロッパに多いらしい。

 

 

 

「たーくん!ちゅっちゅして!」

 

「はぁー……」

 

馬鹿丸出しだ。

 

二十二歳の女がちゅっちゅしてー、だと?

 

心底アホだなこいつは。

 

でも、有能ではある。

 

今後も裏切らない使える人材としてそばに置いておきたい。

 

そのためなら、ちょっとばかし構ってやるのも悪くない。

 

「ほらよ」

 

「えへへぇ……」

 

月兎の頬に軽く口づけする。

 

それだけで満たされたような顔をするのだから、安上がりな女だ。

 

外に行く時は、総ミスリル製のフルプレートアーマーと大楯、メイスを持っていく。

 

だが、家の中では、クソみたいにセンスが悪いダサTシャツとパンツだけのダルダルな姿でいる。

 

誘ってんのか?

 

 

 

まあ、何にせよ。

 

真夏はやめてくれ。

 




あの嫌味ったらしさ、あれこそがブリテンよな。

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