ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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取り敢えずこれで書き溜め消費。

次は旅人fgo。


9話 冒険者ギルド壊滅

ここんところは毎日、ハイペースに依頼を受けている。

 

一日三つから五つくらいのペースだろうか。

 

それも、完璧に。

 

それなのに、等級が上がらないのだ。

 

「なんで?」

 

「さあ?手に入れた遺物を冒険者ギルドに提出せずに、自分の為だけに使っているからじゃないですか?」

 

「は?」

 

なんだそりゃ。

 

「冒険者は、自らの力と技、そして知恵で困難を乗り越えるもののことを言うのです。自分は何もしないで遺物に頼るだけじゃ等級は上がりませんね」

 

「だから、あれは俺が作ったんだって」

 

「ふん、どうせ、元から、バラバラの状態から自動で組み立てられる遺物だったんでしょう?騙されませんよ」

 

はー。

 

……昔のニュースの映像記録で、こんなものがあったらしい。

 

『ARデバイスは知能の低下を招く!』というニュースだ。

 

しかし、そんなデータはなく、最新技術についていけない老害が、テレビ番組の中で雁首を揃えて、やれ最近の若者はと声を大きくして、あたかも最新技術を使うものは悪であるかのように吹聴していた、という。

 

その昔にも、スマートフォンは使うと馬鹿になるとか、電話より手紙の方がいいとか、時代を遡れば遡るほど、老害がいた。

 

技術についていけないもの、自分の理解の及ばないものを無価値と断ずるものがいた。

 

魔法とは、錬金術とは、科学とは。学問とは……、そう言った連中との戦いだ。

 

ならば、こうしよう。

 

「うん、お前ら、潰すわ」

 

「………………は?」

 

「まず手始めに、近隣の村やこの街の依頼人に片っ端から魔道具……、お前らの言う遺物を売り捌く。格安でな」

 

「な、なっ?!!そ、そんなこと、出来るはずが……」

 

「クリエイション、フォーミング、エングレーヴ、アセンブリ」

 

多数の魔道具を作っては、ギルド内を埋め尽くす。

 

「全部だ、全部売る。お前達冒険者ギルドには、ドブさらいの仕事すらこなくなる」

 

「あ、ああ……!!!」

 

 

 

一ヶ月後。

 

「おやおやおやおや、どうしましたかー?閑古鳥が鳴いちゃってますねー?」

 

「貴方がっ……、貴方のせいで!!!」

 

ギルドの受付の女に罵倒される。

 

おいおい、酷いなあ?

 

俺は普通に商売しただけだぞ?

 

「そ、そうだ!お前のせいで仕事がなくなっちまった!」

 

「俺達はこれからどうすりゃいいんだ!」

 

「くそ、ガキの子守も、雨漏り直しも、ドブさらいすらありゃしねえ!」

 

しーらないよー。

 

「そちら側の仕事と、俺の仕事がかち合っちゃいましたねえ。でも、顧客は、より優れている方に金を出すんですよ」

 

ヘラヘラと笑いながら告げる。

 

「「「「お前があああああ!!!」」」」

 

おっと、どうしたのーかーなー?

 

「いやあ、流石に温厚な俺でも腹に据えかねたからね、今回はね。だから、合法的に潰させてもらった訳よ」

 

しゃーないよなー、その辺はなー。

 

「お前、こんなことしてタダで済むと思ってんのか!!」

 

「ん?俺、なんか法に触れるようなことした?」

 

「う、あ、あれだ、営業妨害だ!!」

 

「してないでしょ?客の奪い合いで負けたんだよ、あんたらは。大体にして、俺が本気で営業妨害したら、ここら一帯更地になってるよ」

 

ミサイルでな。

 

「この、野郎!!」

 

「ん?」

 

斬られた。

 

まあ、もちろん、個人防護装置が発動し、障壁に刃は防がれる。

 

「き、斬れない?!!」

 

俺は素手で剣を払いのける。

 

「いきなり斬りかかるとは、文化的じゃないね」

 

「あ、ああ、ば、化け物!!」

 

ご挨拶だなあ。

 

 

 

そんなこんなで、俺はこの街を見て回った。

 

「どう?」

 

「あ、遺物の人。良いわよこれ、持たせてると子供が騒がないの」

 

「おーとまとん、は冒険者に頼むより確実にモンスターを倒してくれるのじゃ」

 

「あんどろいどは寝ずの番をやってくれるから助かるな」

 

人気は上々。

 

対価をもらっての仕事だから、俺も納得している。

 

まあ、冒険者ギルドを虐めるためだから、ちょっぴり安く売った感はあるが、その分機能も控えめ、民間モデルレベルだ。

 

「良いことをすると気持ちがいいなあ、イリス!」

 

「え?あ、はい」

 

因みに、イリスとは手を繋いで歩いている。

 

うん、イリスはね、十五くらいだって言うからヤバイかなって思ったんだけどね。

 

俺の時代では成人は十八だったけど、この時代では十五らしいのよ。

 

一応大人な訳で。

 

本人もそう言ってて。

 

だからそれを尊重しないのも悪いし、大人として扱ってる。

 

この半年くらいの間に、色々教えたし、知識面ではほぼ俺の知るアース民並だ。

 

だからこそ、ちゃんと考えて欲しかったんだが、それでも、俺に多大な恩義を感じていて、その上で従者としての仕事に誇りを持っている、と。

 

更に、不老不死になることにも同意した。

 

更に更に、夜伽と称して抱かれにきた。

 

過去の映像や写真で、君の信じる神々や俺も碌なもんじゃないと説明したが、それでも、好きだと。

 

そう言ってくれた。

 

割と、本気で嬉しかった。

 

最近はそう言う好意を向けられることがなかったからな。

 

だから今は恋人気分で観光して、軽く冒険者っぽいことして遊んでる。

 

あ、もちろん、いずれ来るかもしれない、邪神、異星人対策も進めているよ。

 

でも、ちょっとくらい、息抜きしても良いだろう?

 

「貴様ーーーッ!!!!」

 

はぁ。

 

「何?デート中なんだけど」

 

あ、いつぞやのギルドマスター。

 

「貴様のせいでギルドは滅茶苦茶だ!!殺してやる!!」

 

「えー、怖いなー」

 

ああ、なんかぞろぞろと武器を持った冒険者達が。

 

騒めく街の人々。

 

ふむ、良い機会だ。

 

「複数のゴロツキに囲まれて絶体絶命?冒険者なるゴロツキに溢れたこの街では、そんなこともあるでしょう!で、は!今回ご紹介させていただく商品は、こちら!」

 

クリエイション、フォーミング、エングレーヴ、アセンブリ!

 

「防衛用アンドロイドです!」

 

民間モデルだが、五階位魔法までなら防ぎ、民間人程度なら複数人相手でも取り押さえることができる。

 

因みに外見は人間とかけ離れたメカノイド型。強化ガラスの鋭角なフェイスパーツに魔化合成ポリマー製の白いボディ。ボディパーツに通ったラインからは、青い光が漏れる、人造人間と言った見た目のアンドロイド。

 

それを二、三十体。

 

対する冒険者は百人ほど。

 

どうやら、この街の冒険者やら、元冒険者のギルド職員やらが、武器を持って襲いかかってきたようだ。

 

「さあ、見てくださいこの性能!武器を持ったゴロツキも、モンスターもなんのその!治安維持用に街に数体、必要なんじゃないですか?!」

 

拡声器を使って、営業。

 

その間にも、冒険者達はアンドロイドに制圧されている。

 

勿論、殺すまではしないが、まー、男女関係なくボコボコにされてるなあ。

 

あ、ボコボコというのは表現を選んだ優しい物言いで、実際は骨は折れるわ目玉は潰れるわで酷いことになっている。

 

だが、都合がいいことに、この世界には喧嘩を禁じるような法律はない。その辺はリサーチ済みだ。

 

つまり。

 

「やっちゃえ☆」

 

『『『『排除開始』』』』

 

「「「「ぎゃああああああ!!!」」」」

 

こっちの勝ちって訳だ。

 

 

 

この後、アンドロイドは街の一番偉い人にまとめて売って、防衛用で能動的に攻撃を仕掛けることはないこと、簡単な仕事や魔法ならこなすので、冒険者の代わりとして使って欲しいことを説明した。

 

と、言う訳で、この辺りには用事がないな。

 

取り敢えず、この辺りで大きな街、商業が発達した、パンセという街があるらしい。

 

そこ、行こうか。

 




その次はちょこちょこ書いてる傭兵。

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