ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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63話 ダンジョンお試し

五層。

 

五層ごとにボスが出るらしい。

 

五層のボスはホブゴブリンとゴブリン八体だった。

 

でもまあ、段々慣れてきた私の敵じゃないよね。

 

「行くよキロ!」

 

『はい、マスター』

 

インドキロスは稲妻の魔剣だ。

 

放電させるのは危ない。まだ制御がそこまで上手くない。

 

だから、帯電させて斬る!

 

すると、掠っただけでも敵に電撃が流れて、ショック死させられるのだ。

 

これは、ガードしても、そこから電気が流れていく。

 

電気属性はガード不能ってことかな?

 

特に生き物には有効、と。

 

失われた古代技術の機械兵……、みたいなのが出てきたら、それにも効くかも?

 

 

 

五層を突破した。

 

「あの、宝箱とかは……?」

 

「ああ、よく知ってるな。何でかは分からないけど、ダンジョンには宝箱があるんだよ。でも、必ずあるって訳じゃあないよ」

 

そうなんだ。

 

「でも、なんで宝箱があるんですかね?古代の遺跡だったとか?」

 

「ダンジョンは生き物を呼び込む為に宝を生み出している、という説がある」

 

とシンシアさんが言う。

 

「あー、食虫植物みたいなものかな」

 

「?」

 

「アッ、その、そうですね、あの、食虫植物って言うのは、いい匂いを出して虫を惹きつけてパクッと食べちゃう植物のことでして」

 

「イータープラントのような植物のことか?」

 

「多分そんな感じですはい」

 

「……言い得て妙。ダンジョンはイータープラントのようなもの」

 

成る程。

 

それで、今回は……?

 

あ、宝箱だ!

 

「わあ!開けて良いですか?!」

 

「待ちな、罠が仕掛けられてるかもしれない。ちょっと調べるよ」

 

「え、イザベルさんはそんなこともできるんですか?」

 

「冒険者ならこれくらいできないとね……、と言っても、専門家には劣るけどね。うん、罠はないね、開けてみな」

 

「はい!」

 

中には……?

 

「……腕輪?」

 

「鑑定の魔法をかける。触らないように」

 

シンシアさんが魔法を唱える。

 

「……銀の腕輪。エンチャントはかかっていない」

 

「そうですか……、どうします?」

 

「んー?今回は勇者サマが頑張ったんだ、そりゃ、勇者サマのもんだよ」

 

「えっ」

 

「売るなり、身につけるなりすりゃ良いさ」

 

「えーと、じゃあ、貰っておきます?」

 

うん、ちょっと飾り気がないような気もするけど、私の腕にぴったりだ。

 

銀は結構な値段で売れるらしいし、いざって時のために身につけておこう。

 

それに、銀みたいなお高いアイテムを身につけてみたかった感はあるよね、うん。

 

それで……、ええと。

 

今日はまだ訓練だから、と言う訳で引き返した。

 

まだ行けるかなー、とは思ったけど、イザベルさんはこう指摘してきた。

 

「まだ行ける、なんて思っちゃ駄目だ。冒険者は引き際をわきまえなきゃ死ぬのさ」

 

引き際……。

 

命より大切なものはない、ってことかな。

 

そう言われると、緊張で口の中がカラカラに乾いていたことを自覚して、帰ったら自分でも信じられないくらい沢山の食事をして、泥のように眠ってしまった。

 

ああ、私は。

 

『命のやり取り』をしていたんだ。

 

 

 

命のやり取りをした、と言う事実は、私を少し変えたと思う。

 

「おお、今日の訓練には身が入ってんな!」

 

「はい!」

 

「魔法も上々」

 

「はい!」

 

「回復魔法も上達しましたねえ」

 

「はい!」

 

兎に角私は、気合が入った。

 

殺さなきゃ殺される。

 

その事実に、少しだけ、覚悟ができた。

 

少なくとも、敵を殺す覚悟はできたと思う。

 

……まだ血は嫌いだけど。

 

「来週はまたダンジョンに潜るよ!今度は十層を目指すからね!」

 

「はい!」

 

 

 

×××××××××××××××

 

「えぇ……?馬鹿過ぎないかこの女?何でダンジョンなんて得体の知れないところから出てきた腕輪を身につけようと思うんだ?」

 

「それがこの世界の普通なんだよ」

 

「まあ、お陰で、色々と細工したあの腕輪を渡せたんだけどよ……。普通発信機とか小型爆弾とかを警戒するだろ?」

 

「……何に狙われてたの?」

 

「国連と米軍と中東の政府からだな」

 

「何やったの?」

 

「テロ」

 

 

 

さて、あの腕輪。

 

俺が作った特製の腕輪だ。

 

心を読む魔法がかけられており、任意のタイミングで勇者の心の声を聞ける。

 

つまり、ちょっとした感情から勇者がオナニーするネタまで筒抜けって訳だ。バイタルデータなんかも見れる。

 

隠蔽術式も忘れていない。

 

「女の子の心を読むのって、酷いよ」

 

今回来ているのはリリィ。

 

「何が悪い?」

 

「乙女の心には秘密がいっぱいなんだよ?」

 

「……はっ」

 

「あ、鼻で笑った!」

 

「女なんざ、男の財布の中身しか見てねえよ。それと顔と学歴か?」

 

「そんなことないよ!」

 

「お前だって、利益を求めて俺に服従した筈だ」

 

「違うよ、それだけじゃなくって、僕は純粋に君を愛していて」

 

「愛ィ?クハハ……、そんなものは粘膜の作り出す幻想だな。神という言葉と同じくらいあやふやなものだ」

 

「……ご主人様は、愛を知らないんだね」

 

「それがどうした?」

 

「……ううん、これから、僕達が君を沢山愛するよ。だからご主人様も、いつか愛を知れたら良いね」

 

何言ってんだこいつ?

 

愛を知らないと何か問題でもあるのか?

 

愛を知らない奴は可哀想だとか……。何故なんだ?愛は戦争をする上で何の役にも立たないだろう?

 

使い道のないものを尊ぶ必要はないだろうに。

 

 

 

「勇者君、殺す覚悟を決めたみたいだね」

 

「そもそも、他人を殺すのに覚悟が必要なのか?」

 

「え?それはそうでしょ?」

 

そうか?

 

「俺は物心ついた頃には少年兵で、射的気分で楽しんで人を撃ってたけどな」

 

「あー……、あのね、ご主人様。それはおかしいことだって気づいた方が良いよ?」

 

ふん。

 

「もちろん、自分の考えが一般的な人間のそれとかけ離れていることは理解しているが」

 

「最初に他人を殺す時、何とも思わなかったの?」

 

「ああ、そうだな……。確かあれは十歳の頃だったか。少年兵として前線に送り出されてな。敵の銃弾を掻い潜り、ナイフで頚動脈を掻き斬ったのよ。あれは楽しかったなァ……?スリリングで面白えし、首を裂く時の手応えはチョコレートのように甘く蕩けてよォ……、クハハハハ」

 

「うわぁ……」

 

「機関銃で歩兵を殺しまくるのも楽しいんだ……、あの音が鋼鉄のドラムみてえによ。拷問なんてたまらねえぞ?地獄の苦しみを与え、人間の叫び声を聞くのは心が躍るね。兵器を使うのも良い、どんなゲームよりエキサイティングだ」

 

「人殺し、そんなに好きなの?」

 

「ああ、生き甲斐だね」

 

「……僕、頑張るよ、君にもっと優しい世界を見せたいから」

 

余計なお世話だな。

 




最近読んだので面白かったのは、異世界でラケッティアするやつとギスギスオンライン、鎌倉武士のやつですかねえ。

よく練られた設定と、特定分野への知識が深い人って憧れちゃいます。

俺なんて設定はかなり適当ですからね。

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