ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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書き溜めなくなっちゃった!


61話 装備が揃う

最近、このフェッソ伯爵の領地、マーレ領にダンジョンができたらしい。ダンジョンは資源として有用なので、領地で管理維持するらしい。

 

例えるなら鉱山のようなものとのこと。

 

「ダンジョンか、丁度いいな。勇者サマの訓練に潜ってみるか」

 

と、イザベルさん。

 

「あの、ダンジョン、危なくないですか?」

 

「ああ、危ないさ。でも、危なくなけりゃ訓練にならないだろ?安心しろって、そんな深くは潜らないし、ちゃんとサポートするからさ!」

 

「アッハイ」

 

とのこと。

 

「でもまあ、鎧の調節が終わるまでは軽く剣でも教えるよ」

 

「アッ、よろしくです」

 

 

 

ってな訳で訓練始まったんだけど。

 

「よし!その調子だ!筋が良いぞ!」

 

「えい!やあ!」

 

軽く剣を習う。

 

実は、転生特典で、身体能力が上がってるから、並の騎士なら身体能力だけで圧倒できるのだ。

 

イザベルさんとも、戦ったら勝てるけど、純粋な剣技とか知識とか、そういう点では敵わない。

 

イザベルさんの凄いところは、単純な強さだけじゃなくて、知識とか技能とか、もっとそういうところだと思う。

 

高い身体能力を使いこなせるように訓練しないと駄目だ。

 

それと、実際に剣を使った練習もする。

 

革の鎧を着せてある砂の入ったサンドバッグみたいなのに、剣を振る。

 

「やああっ!!!」

 

魔剣インドキロスの斬れ味は凄まじく、ただの革の鎧程度なら簡単に真っ二つだ。

 

「よしよし、刃筋の立て方も分かってきたな」

 

『良好です、マスター』

 

イザベルさんとインドキロスに褒められながら、インドキロスを振り回す。

 

凄いのは、インドキロスが見た目より軽いところと、どんなにインドキロスを振り回しても疲れないところだ。

 

インドキロスももちろん凄い。

 

けど、私の身体能力も凄いことになっている。

 

ちょっとジャンプすれば五メートルくらいは跳ぶし、自分より大きい岩をひっくり返せる。パンチ一発で木は折れるし、走れば車より速い。身体は鉄の剣でも斬れないし、魔法だって使える。

 

「インドキロス、さん」

 

『キロとお呼びください。私はマスターの僕でありますから』

 

「えと、じゃ、じゃあ、キロ?キロは伝説の魔剣なんだよね?」

 

『はい』

 

「前の持ち主はどんな人だったの?やっぱり、私みたいに物凄い身体能力の勇者?」

 

『そうですね……、前のマスターは傭兵の方でしたよ。マスターよりも遥かに強かったです』

 

へー。

 

上には上がいるんだなー。

 

「じゃ、じゃあ、私も、前のマスターに負けないように頑張らないと!」

 

『……それは無理かと』

 

「なんか言った?キロ?」

 

『いえ、なんでもありません』

 

 

 

そして、装備ができた。

 

鎧の着方を習って、装備する。

 

「どう、かな?」

 

「おお、似合ってるね!」

 

イザベルさんに褒められた。

 

えへへ。

 

「じゃあ、それを着たまま訓練をして……、そうだな、来週にはダンジョンに潜るよ」

 

「はい!」

 

ダンジョンかあ。

 

モンスターを殺すのはまだ怖いけど……、慣れなきゃね。

 

 

 

「ところで、この世界ってレベルとかスキルとかはない感じなんですか?」

 

「なんだいそれ?」

 

「ステータス表示とか……?」

 

「ステータス?」

 

「その、強さを数値で表す的な……?」

 

「そんなこと、どうやってやるんだい?」

 

「鑑定魔法とか……?」

 

「そんな魔法、聞いたことないね。鑑定魔法は物に使うもんだよ」

 

なるほど、レベルやスキルのない、ハードコアファンタジーかあ。

 

……頑張ろ。

 

 

 

×××××××××××××××

 

「レベル?スキル?ステータス?何のことだ?」

 

もしや、種族特性のことか?

 

種族特性とは、フェンリルなら魔力を直接氷に変換できるなどの、種族としての技能のことだ。

 

人間には特に技能はないが……?

 

 

 

さて、今日はマリーが来ている。

 

「レベルは強さの度合い、スキルは必殺技、ステータスは能力を数値化したものなんかを示すのでは?」

 

聡明なマリーはそう推測した。

 

なるほど、必殺技か。

 

確か、昔機会があって読んだことがある日本のコミックブックでは、必殺技の名前を叫んで攻撃を叩きつける少年が描かれていたな。

 

リアリティがなく、何が面白いのか理解できなかったが故に、軽く読んだくらいだったが。

 

「面白いな、この世界に実装できないだろうか?」

 

「実は私も考えていた。成長度合いを数値化することで優劣を表面化させ、人間世界の停滞と差別の助長になる」

 

ふむ……。

 

「『武器庫』に入っていた、テーブルトークアールピージーと呼ばれる種の遊戯の解説本を基に、ステータスと鑑定魔法を作成。これが魔法式」

 

魔法式を読み、発動させる。

 

目の前に用意した羊皮紙に、小さな炎がタイプライターの様に文字を印字する。

 

『NAME:ジン

RACE:アンラマンユ

AGE:56

SEX:男

JOB:魔王

LEVEL:666

 

HP:58000

MP:15500000

 

STR:12000

DEX:8750

VIT:11440

AGI:10860

INT:7740

MND:15210

LUK:100

CHA:11090

 

SKILL

『武器庫』

魔神変幻

闇魔導

光魔導

混沌魔導

時魔導

属性魔法:究極

時空魔法:究極

付与魔法:究極

回復魔法:究極

創造魔法:究極

マーシャルアーツマスタリー:究極

マジックマスタリー:究極

サバイバル:究極

スカウトマスタリー:究極

スペシャリストマスタリー:究極

タナトスゲイズ

シャイターンロア

ディアボロスハンド

アルコーンウイング

チェルノボグアームズ

ネルガルドライブ』

 

ふむ、全くわからん。

 

「解説してくれ」

 

「上の方は理解可能か?」

 

「大体な。STRはstrengthで……、上から筋力、器用さ、耐久性、敏捷さ、知能、精神力、運、最後は魅力か?」

 

「肯定」

 

「HPやMPは?」

 

「生命力と魔力。各数値は、人間の成人男性で5〜10と言ったところ」

 

「レベルってのは?」

 

「今までの人生で得た経験から算出される、格のこと。人間であれば、6もあれば英雄」

 

ほう。

 

「スキルというのは?」

 

「その個体の持つ技能と必殺技。パッシブなものとアクティブなもの両方表示」

 

つまり?

 

「例えばこの、スペシャリストマスタリーは、特技兵としての技能全てを持つことを指す。習熟度は下から順に、初級、下級、中級、上級、超級、究極となっている」

 

ほう、理解したぞ。

 

「しかしこの必殺技?のようなものはなんだ?使った覚えはないぞ」

 

「使った」

 

使っていないが?

 

「例えばこの、タナトスゲイズ……。ご主人様が触れずに人間を殺したいと考え開発した、殺気に魔力を乗せてぶつける技。MND値による抵抗が失敗した時、その生命体はショック死するというスキル」

 

……あー、そんなこともやったことがあるな。

 

しかし、タナトスゲイズ、などと名付けた覚えはないが?

 

「私が適当に決定した。謝罪する」

 

「まあ、その辺りは別に気にしねえけどよ」

 

 

 

……それで?

 

「魔導による、世界法則の書き換えを応用、倒した生命体から魔力の一部を奪い、レベルが上昇するように編集する。その際の、身体能力変更のデータは、この勇者から採取」

 

成る程な。

 

「魔剣の勇者の敗北後、世界の編纂を行う。大規模術式故に、魔力の貯蓄を切り崩す。許可を」

 

「良いだろう、その時は書類を用意しておけよ」

 

「了解」

 




あんまりこう、能力を数値で表すとか好きじゃないんですけど。

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