ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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勇者をモニタリングしつつティータイムするのも良いですが、異世界を侵略する話も書きたい気分。

多分、異世界侵略編では、ジンが観光目的で冒険者として活躍?する話になるかと。

今までジンは、傭兵的思考で、兵隊を増やすことを考えていました。だから、ジン一人で、あるいは少ないパーティで無双する話も良くないですか?

王侯貴族を単純な力で跪かせ、美食や宝飾品を売り捌いて現地の料理人や商人が無力さを思い知り首を吊る。最強の魔法理論で魔法使いを屈服させて、見込みがある奴を自分の下僕にする。

魔王が行くソロプレイ異世界侵略編。

でもその前にまずは、魔剣の勇者をアレしなきゃなー。


53話 パーティとの会話

イザベルさんは凄い。

 

脳筋かと思いきや、色々考えてる。

 

「……ってな訳で、モンスターと戦う時には、斧を使った方が良いんだよ、基本的にはな。他にも、初心者なら槍とかで間合いに入られないようにするとかかな」

 

「へえー……」

 

「っと、『魔剣の勇者』サマに武器の講釈を垂れんのは不味かったか?」

 

「アッいえ、そんなことないです。私はそんなこと考えたことなかったので……、凄いと思います」

 

「そうか?普通、どうやったら効率的にモンスターが倒せるか考えるだろ?」

 

「アッ、その、私モンスター見たことないです……」

 

「へえ、そりゃ珍しいな。よっぽど平和なところから来たんだな……、ってそうか、勇者サマは異世界から来たんだもんな、そんなこともあるか。今度、異世界の話を聞かせてくれよ」

 

「アッハイ頑張ります」

 

 

 

次は、カリーナさんから話を聞いた。

 

「カリーナだっけ?お前もなんか話せよ」

 

イザベルさんがそう言って話しかける。

 

す、すげー、コミュ力の塊かよ……。今まで生きてて、お前もなんか話せよなんて台詞、一度も言ったことないよ私。

 

「話、ですか」

 

カリーナさんがこちらを見る。

 

「そうですね……、私は教会の神官です」

 

「見りゃ分かるわ!」

 

あ、それは私も見れば分かるかな。

 

「そうですか?」

 

そうだよ。

 

「ええと、そうですね……。私は、アース教の教えの下、人々を救いたいのです」

 

「……普通だな」

 

「そんなことを言われましても……。神官とは皆そういうものですし」

 

「でもアレだ、勇者パーティの一員に選ばれるくらいなんだから、何かあるだろ?」

 

「そうですね……、私は回復魔法が得意で、その上に医学の勉強もしています」

 

「はあ?神官の仕事と医者の仕事は何にも関係ねえだろ?」

 

「ありますよ、両方とも人を癒すことが仕事なのです」

 

そう、なのかな?

 

「回復魔法では治せないものを医学で、医学では治せないものを回復魔法で治す、それこそが大切なのです。……少し、異端な考えですが」

 

そうなの?それが普通なんじゃないの?

 

「例えば、治療の前に穢れを祓うことなどを提唱しています」

 

「あの、消毒のこと、ですか?」

 

「消毒……?そうですね、消毒と言うのですか?私は基本的に、傷口には水をかけるのですが」

 

「お酒の方がいいんじゃないですか……?」

 

「何故ですか?」

 

「それは、あの、アルコールで除菌できるから……」

 

「アルコール……、除菌……?」

 

「アッ、その、詳しくないんで、私の話は良いです、はい」

 

「いえ、大変興味深いです。後で詳しくお聞かせ願いたいですよ」

 

アッハイ。

 

 

 

「で?さっきから食いまくってるお前は?」

 

「ん、魔法使いは頭脳労働。食事は必須」

 

シンシアさんは黙々と食べている。

 

「お前は何で勇者パーティに選ばれたんだ?」

 

「不明」

 

「いや……、なんかあるだろ?」

 

「会話、苦手」

 

「まあ、無理に話せって言う訳じゃねえけどよ、何かが得意とか、そう言うのはねえの?」

 

「魔法」

 

いやー、それは見れば分かるかなー。

 

「……普通の魔法使い。趣味は研究」

 

「ふーん、そうか」

 

まあ、何かあるんだろうな……。

 

 

 

食事が終わって、今日は休んで、明日には出発する。

 

旅の始まり、かあ。

 

 

 

×××××××××××××××

 

食事を終え、デザートを食べる俺とフルボ。

 

俺はアイスクリームを乗せたパンケーキで、フルボはチョコレートパフェだ。

 

俺達は甘いものが好きだからな。

 

「んー!美味いですねえ!やっぱりこのほろ苦くて甘あいチョコレートはたまりやせんぜぇ……」

 

「それで?」

 

「おっと、カリーナとシンシアですね?」

 

フルボが話を始める。

 

「カリーナはですねえ、教会の神官長の愛人の娘なんでさ」

 

ほう?

 

「普通、医学と回復魔法の融合なんざ、異端審問で一発縛り首なんですが……、神官長の娘ってのが邪魔して、中々始末できなかったんでさあ」

 

「つまり、今回の勇者の旅を利用して始末しようってところか」

 

「そうでさあ。有能なのはバンバン殺して行きやすよお」

 

ケケケと笑いながら言うフルボ。

 

「にしても、よく神官長は了承したな?自分の娘を死ぬかもしれねえ旅路に放り出すかね?」

 

「はっ、神官長は俗物のクズですぜ?自分の娘が勇者の旅に同行するってえ時点で、名誉を得てますから。帰って来なかったら来なかったで、悲劇の父親を演じりゃ良いんですからねえ」

 

「ほう、酷いクズだな。そんな奴が神官長とは、世も末だな」

 

「旦那があいつを神官長にするように指示したんでしょうに」

 

「「ははははは」」

 

そう、それで……。

 

「このシンシアって魔法使いは?」

 

「あー……、こいつはですねえ、有能なんでさ」

 

ふむ。

 

「賢いのか?」

 

「ええ、かなり有用な研究結果を出してやすね。天才ってやつでさあ。なんで、これを機に消しちまおうと思いやしてね」

 

渡された資料を見る。

 

シンシアの魔法の研究結果のようだ。

 

ふむ……、これは確かに有用だ。

 

少ない魔力量でやりくりするための方法、効率化について書かれている。

 

成る程、これが人間側に渡ると面倒だな。

 

人間側には、こちら側が用意した、間違った魔法理論を使わせないとな。

 

「いやあ、魔法協会も裏から支配しといて助かりやしたねえ」

 

「国と教会、冒険者ギルドも見張っておけよ」

 

「ええ、それはもちろん」

 

ふう、さてと。

 

「「デザートおかわり」」

 

給仕にデザートのおかわりを要求して、今日のところはこんなもんだ。

 




多分、魔剣の勇者編は早めに終わると思います。

魔剣の勇者は、異世界召喚魔法の試運転的な意味合いが強いので。

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