ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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ff7リメイク始めました。



31話 領地勤務2

封土……、領地の運営と言っても、基本的には特別なことは何もしない。

 

最強チートで領地を幸せに!とか、する必要も義理もないからなあ。

 

よく、領地を良くして領地の女の子達にモテモテ!みんなから感謝される!みたいな物語を見ることがあるが……。

 

実際、日本人である我々が日本の政治が良くなったとして、「総理大臣ありがとう!」「日本ありがとう!」などと思うか?口に出すか?って話だ。

 

平民は、統治者がどうこうなんてあんまり気にしておらず、自分の生活さえ良ければそれでいいのだから。

 

また、こうも例えられる。

 

給料が上がらない!こんなんじゃ生活できない!と、古今東西の労働者は嘆いているが……。

 

経営者、つまりは領主の立場からすると、給料を上げても労働者が、その給料に見合うだけの労働をするという確約はないのだ。

 

であれば、ベースアップだの改革だの、してやる必要がない。

 

給料が上がったから今までの倍の時間働いて倍の利益出します!なんて奴いるか?ってこと。

 

俺がここで甘い顔をして善政だの改革だのをしても、領民達は少し喜ぶだけで、それに見合った労働をしてくれる訳じゃない。

 

寧ろ、この中世じみた倫理観では、「ああ、ちょろい領主なんだな」と、内心で舐められるだけ……。

 

総合的に見て、善政だの改革だのをやる必要はないな。

 

無論、明らかな悪政をやるのは論外だが。

 

既に俺は、ジャガイモの栽培と、酒造設備の設置というそこそこの改革をやっているのだから、これで我慢してほしい。

 

 

 

俺は、全体の管理や報告を聞いての判断が主だが、他の嫁らは何をしているのか?

 

「あら?どうしました?

 

「どうだ、エイブリー?何をやっている?」

 

「今はここで医師をしていますよ」

 

ハイエルフの神官、エイブリー。

 

こいつは、サスボーン・マナーの近くに建てられた施療院で、医療活動を行っていた。

 

無論、ちゃんと金は取っている。

 

小規模な薬草園なども作り、そこの管理を村人の女達にやらせて多少の賃金を払うことで、雇用を作っているという要素もあるんだとか。

 

雇っているのは未亡人とかだからな、福祉という面が強い。

 

「やっていることは、低級のポーションの販売と、簡単な回復魔法くらいですが……、領民からの反応は良いですね!」

 

「へえ、今までこの辺に医師はいなかったのか?」

 

「そうみたいですね。謎の民間療法でどうにかしていたみたいです」

 

「そうなのか。じゃあ今は、正しい医療で良い感じに?」

 

「いえ……、皆さん、衛生指導などをしても殆ど聞いてくれませんから。とても大変です」

 

「ふーん。ま、頑張り過ぎるなよ?エイブリーはそういうところがあるからなあ」

 

「もう、心配いりませんよ?私だって、優先順位は分かっていますから!一番は、私達家族のこと、ですよ!」

 

「そうだな。俺も、お前らが一番大事だ」

 

俺はエイブリーを抱きしめてキスした。

 

啄むような、軽いキスを何度か。

 

するとエイブリーは、とろんとした、酔ったような表情のまま頬を染めて。

 

「ふふっ、愛してます、旦那様♡」

 

俺を強く抱きしめてから、去って行った……。

 

 

 

一方で。

 

「報告。資料が完成しました。帳簿の方ですが、電子版と書類版双方を保持しております」

 

機械の手脚を持つホムンクルスの美女、アリーヤは、マナーハウス内でラップトップを使い、会計の仕事をしてくれていた。

 

思いっきりロアフレンドリーではないラップトップだが、VRゲーム世界ではありふれたMODだった。

 

何せ、VR全盛期の日本では、VR空間での出社や、解禁されたRMTでゲーム世界の労働をやる人もいるくらいだったからな。

 

最早ある種の生活空間の一つとなっていたVR世界に、スマホやパソコンがない方が不便だ!ってことで、そう言った現代アイテムを持ち込むMODはどんなゲームにも付けられた……。

 

因みに俺と嫁らも、スマホを一人一つずつ持たせているし、中継局とかないけど普通に繋がる。電話すれば全員出ると思うよ。

 

そんな中でもアリーヤは、こういう現代文明の産物をうまく使いこなせるセンスがあった。

 

そもそもが、人工生命体にして改造人間であるからして、なんかそういう……メカ属性と言うかで、ってことだろう。

 

有線で接続されたプリンターから、資料が印刷されて、それに穴を開けて紐を縛り、プラスチックのファイルに綴じる。

 

それらを図書室に納めて、完成した電子データを俺のタブレットに送ってくれた。

 

俺はそれをタブレットで流し見して。

 

「うん、良いんじゃないか?」

 

と一言。

 

アリーヤの頭を軽く撫でてやる。

 

そして、手を頭から離そうとすると……。

 

「………………」

 

アリーヤは、無言でその手を掴み取り、もう一度自分の頭に乗せさせた。

 

もっと撫でろと催促している訳だ。

 

可愛いねえ。

 

 

 

最後に、魔法関係。

 

この世界の魔法を研究すると共に、見栄を張るために食客として二、三人くらいの魔法使いを雇った。

 

魔法使いってのは基本的に知識人で、魔法の学校とかが世の中にはあるらしく、難関であるそこを卒業して魔法使いとして認められた人を『魔導師』と呼ぶ。

 

『魔導師』は、インテリであり、そのインテリに仕えられる貴族はスゴイエライ。スゴイエライ貴族はお金持ちで強くてカッコイイ。

 

『魔導師』達は、金持ち貴族に仕える代わりに研究費を出してもらって助かる。

 

そんなウィンウィンな感じの関係性が貴族と魔導師達の間にはあるらしい。

 

とにかく、貴族であるならば魔導師の一人や二人を仕えさせてないとカッコワルイってんで、適当に気に入った魔導師を三人ほど雇った。

 

そんな魔導師達には、サスボーン・マナーの近くに研究棟を建ててやったので、そこに押し込んである。

 

今のところは新規の研究と言うより……。

 

「ふうむ、こちらの世界での魔法は、魔法ではなく『魔術』と言うのじゃな。確かに、確固たる術理から、誰が行っても同じ出力の現象を引き起こすのであれば、それは『術』であろうの」

 

「そうですわねえ。出力は低いですが、これならば誰でも簡単に使えますわ。一般化と普及に大きく力を割いているのでしょう」

 

ヴォルスランドの魔法との比較と検証をしているところだった。

 

うちののじゃロリ吸血鬼系魔法使いのルビーと、お嬢様系悪魔魔法剣士のシャーロットが二人で、この世界の魔導師達から知識を搾り取ろうと議論を交わしている。

 

無論、雇った魔導師達も馬鹿ではないので、ヴォルスランドの魔法についても貪欲に学ぼうとしてきている。

 

良い傾向だな。

 

「どうだ、調子は?」

 

「主人殿!」「貴方様!」

 

俺が声をかけにくると、ルビーもシャーロットもパッと笑顔になり、抱きついてくる。

 

「調子はよいぞ?主人殿が選んだ魔導師らは見どころがあるのう」

 

「研究の方も進んでおりますわ!一月もあれば、この世界の魔術をわたくし達が使い、ヴォルスランドの魔法を一つは彼らに覚えさせて見せますわよ!」

 

うーん、インテリ。

 

 

 

おまけとして。

 

「すやぁ……」

 

人狼系格闘家のレアは、やる気もやる事もないので、サスボーン・マナーの日当たりがいい所で昼寝している。

 

うん、まあ、家を守る番犬だと思えばセーフってことで。

 




まー面白いね。

ただ、当時のノリとデザインを、現代のマシンスペックで完全再現してるから、なんか変だなー?とはなるけど、普通に面白い。

クラウドの肩に刺さってるボルト何?とか、こいつらのあり得ねーデザインの服何?とか、ジェシーのノリが二十年前のそれでは?とか、そういうところをグッと飲み込むと全然神ゲーですわ。

ff7では描けなかった部分の掘り下げをやりながらも、他のソルジャーの存在や、街での便利屋としての生活など、見どころは実に多し。

ゲーム性もまあ普通に面白く、ムービー多めで俺は好き。



……で、今は結局、魔法チートものをちょっぴり書いてる感じ。

胸の薄いボーイッシュ僕っ子アマゾネスヒロインに餌付けしたくなったので仕方がない……。


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