ヤトギとネネコ、それとついでにソーナを集めて、俺の館の秘密の部屋で会議を行う。
館には秘密の部屋が複数あり、重要度に応じてレベル分けされており、ここは比較的レベルが低いエリアだ。
ここは地下二階で、大型のモニタやデータベース、通信室にロボテックの訓練スペースなど……。
即ち「ぼくのかんがえたさいきょうのひみつきち」と言った感じの空間になっている。
ここはサブプランの一つとして、光の陣営が集まる秘密基地にする可能性がある場所だからな。
ぶっちゃけた話、光の陣営は防諜から権力対策まで何から何まで全部クソカスのカス以下なので、本編中に秘密基地を何度か襲撃されてしまうのだ。
まさか、アニメが現実化したこの世界なら、光の陣営の無能化はねえだろうなと考えてはいるが、サブプランは必要だろ?
俺の世界崩壊防止プランは9657通り用意してあるが、そのうちの一つって訳だ。
まあそんな話はどうでもいい。
今後の新プランの話だな。
「……と言う訳で、六千番代のプランはこれにより総入れ替え。6652プランの入れ替えに伴って、今回は〜」
「ははは、相変わらずイカれてるぅ♡ゼット君さあ、私様みたいな天才美少女ならまだしも、こんな凡人共にそんな難しい話が理解できる訳ないじゃーん?」
「うるさいな、雇用主として説明義務があるだろうが」
「えー?じゃあ君ら、この話理解できてる〜?」
「「………………分かんないです」」
ヤトギとネネコが土下座した。
ふむ、だろうな。
わざと難しく話しているもん。
雇用主として説明義務はある……、ある、が。
ちゃんと説明する必要は、ない。
「では、簡単に言おうか」
大会を開くんだ、と。
俺はそう言った。
大会を開くのは、六千番代のプラン「勢力拡大系」の前提条件となる大型イベントだ。
要するに、優秀な人材を能動的に揃えて、来たる世界の終わりに対抗するための聖戦士を揃えようって話だ。
欠点として、各所から強力なテックバトラーを引っ張ってきてしまうこととなるため、原作のストーリーラインが破壊されてしまうと言う懸念があったが……。
……なんかもう既にかなり破壊されているので、とりあえずはこちらの都合を優先させた方が良いと俺は考えた。
大会。
この世界の秋葉原は、電気街から単なる風俗街に成り下がった現実日本の秋葉原と違って、電気街のままだった。
まあ、このアニメが制作されたのがそもそも1990年代〜2000年代くらいなので、これくらいの年代の人達が考えた「未来の秋葉原」がそういう感じだったんだろうよ。
そんな訳で、何故かクソデカタワーやクソデカ電気屋が建ち並ぶ、テックバトラーの聖地『秋葉原』……。
ここは、ゲームではほぼ皆勤賞で登場するエリアで、雑多なロボテックのパーツをガサガサ探す楽しさが、ゲーム内では再現されていた。
PCパーツの掘り出し物を探すオタク達……みたいな話なんだろうな。
とにかくそんな訳だから、この秋葉原にはテックバトラーが特に多く、原作キャラも多く集まっていることになる。
主人公の生まれ育った桜丘区の駅からも、電車一本で行けるからな。
必然的に、強いテックバトラーが集まる訳だ。
そんなテックバトラー共を集めて、こちらの言うこと聞きそうな奴をスカウトするってのが今回の計画だな。
まあぶっちゃけ、強い奴は扱いにくいから、ヤトギやネネコみたいな名有りのモブキャラみたいなのに来てもらえると嬉しい。
……そういや、二期から出てくる主人公のライバルキャラはどうなったんだ?
赤髪の主人公に対して青髪で、まあ意味もなく髪で片目を隠したあのクールキャラがよ。
あいつ、実力的には主人公と同等で……。
……あれ?!
そういや、もう転校してきているはずだぞ?!
転校してきて、主人公であるライトを一瞬で叩きのめし、クールにこう言ったはずだ!
……「博士の作り出した傑作機の力は、この程度のものなのか?」
とな!
確か、ロジカル社とか言う日本最大の企業の社長令息で、ロジカル社の技術的優位性をアピールするために、ロボテック博士最高傑作であるブレイズセイバー(主人公ライトの愛機)を潰しに来る……みたいな話だったはず。
……ん?
日本最大の企業は、うちのヴェリタス社だよな?
……ロジカル社、今どうなってんの?
会いたくはないが、好感度稼ぎも兼ねて弟に聞きにきた。
「やあ、ライト」
「お兄ちゃん!」
……こいつ、俺を見ると必ず抱きついてくるんだけど、大丈夫なの?
ホモじゃない?本当に大丈夫????
「お兄ちゃん、大好き!」
本当に大丈夫????ねえこれ大丈夫????
「ありがとう、嬉しいよ」
「好きな人にはちゃんと好きって言ってあげることが大事なんでしょ?」
「ああ、そうだね」
それはとっととヒロインとくっ付けというこちら側の無言の催促であって、お前のホモっ気の発露を望んでいる訳じゃあないんだよ……?
お前とヒロインの愛のパワーがないと後々困るから、早くくっついて欲しいんだよ!!!
ってか、後半になんか知らんけど時空を超えてお前の子孫とかがやってきて、最強の敵と歴代主人公が集まって戦う劇場版あったじゃん?!!!
お前がヒロインを孕ませねーと、話が終わっちゃうの!!!!
「ライト、学校はどうだい?」
「え?学校?今はバタリオンのせいで休校だけど……?」
いやそうだけどね?
そうなんだよね?
まあそれはそうなるわ。
アニメやゲームじゃねえんだから、テロリストが学校に来たらしばらく休校にもなろうよ。
「普段はどうかな?(ヒロインの)ユーリさんとは仲良くしてるかい?」
「ユーリ?あいつはなあ……、なんかうるさいから……」
「ふふふ、女の子はそういうものさ。ライトも中学生になったんだし、恋愛をしてみるのもいいんじゃないかな?」
「恋愛……?そ、そういうのは、なんかよく……、分かんないぜ」
ウッソだろお前。
中坊なんて、チンポで物を考える年齢じゃねーか!
本当に大丈夫かこれ?!マジでホモなんじゃ……?!
いや最悪、こいつがそうならお付き合いするしかないけどさあ?!!!
美少年(実弟)と恋愛しなきゃ世界滅びます!と言われるとまあ……嫌だけどするしかないけどさあ!!!
……とにかく、転校生なんかは来てないらしい。
ライバルキャラが出てこない……?
どうなってるんだ……?
余談だが、後で弟のケータッチをハッキングしたところ、ちゃんと検索履歴に男性向けエロサイトがあって胸を撫で下ろした。
……「兄 好き 恋」などという検索履歴が一瞬見えたが、見なかったことにしておく。
まさか、バイセクシャル……?
FO4があまりにも面白過ぎるので、しばらくは同じポストアポカリプスもののコンソールゾンビを書いて溜飲を下げることとする。
コンソールゾンビ、現在25話まで……。