弁護士資格を得るための勉強に並行して、体づくりと、ロボテック技術の学習。
この三つを、何かに取り憑かれたかのような勢いでこなす俺。
それを見て両親は、まあ真っ当に心配してきて何かと気を遣ってくださった。
だが中身が四十代の俺は、親に対する子供らしい甘え方など忘れて久しく、他人行儀に接するようになってしまった。
特に、自分で家を建ててそこに住み、自分で収入を得るようになってからは、その家族間での溝は深刻なものになっていたもんだ……。
唯一、能天気でアホの子である原作主人公、弟のライトだけは、何故か俺に懐いてきたが。
そう、丁度そうだな。
俺が自分の収入で持ち家を建てた頃くらいの話……。
俺は、もう朧げだが、原作の知識がある。
その中でも第一部、『バタリオン編』では……。
悪の組織バタリオンが、ロボテックを兵器として運用して、世界征服をしようという話になっていた。
それを知って俺は、あらかじめに手を打とうとしたのだ。
こう考えた。
別に、主人公様が解決する前に、俺がバタリオンを潰しても良いだろう?とな。
……現実は、そう上手くいかなかった。
バタリオンは、強過ぎたのだ。
組織力も、資金も、技術力も……。
恐らくは原作よりも強化されている。
ロボテック博士の父親も、本来なら誘拐されて悪のロボテックを開発させられるはずだった。
だから俺は、先手を打って親父を守ろうとした。
その結果が……。
———「ゼット……、すまな、かった……。愛して、いたぞ……、わた、し、の……、むす、こ……」
死なせちゃった♡
いや、マジで。
やっちゃったのである。
笑い事ではない。
父親を守ろうとしたら、あのバタリオン共、こんなことを抜かしたんだよ。
———「ええい!手に入らぬ叡智など必要ない!エイト博士を殺してしまえ!」
ははははは!笑えるだろ?
いや、笑えねえんだっつってんだろ。
この世界はどうやら、ホビーアニメであってホビーアニメじゃない!
ホビーアニメの世界観でありながらも、「統合性」を取ろうとしてきている……!!!!
ああ、そうだ、そうだよな。
「悪の組織」だもんな!
そりゃ、人も殺して当然だよな!
これは完全に、俺の油断だ。
最悪のガバだ。
そんなこんなで、ストーリー上の重要人物の一人である一期主人公の父親……、ロボテック博士こと「エイト博士」を失った俺は。
こう、決意したんだ。
———「『原作』を守りつつ、原作に存在しない要素を俺が影で叩き潰す」
とな……。
特にそれは、親父が生前に、俺ではなく弟の方に「新型ロボテック」のデータを託していた辺りも、俺の思考を変えるきっかけとなっていた。
親父の最高の発明品、最強の力を持つロボテック『ブレイズセイバー』……。
父がこれを託したのは、優れた兄である俺ではなく、マヌケな弟の方だった。
やはりその辺も、運命の力というか、そういう何かがあるのだろう。
とにかく俺は、原作主人公である弟が、ストーリー通りに行動するようにコントロールし、暗躍することにしたのだ……。
それからは話が早かった。
裏テックバトラーになりあっさりと頂点の座を手にし、その権力と武力でバタリオンを攻撃。
ロボテック博士の代わりとして、原作主人公へのアドバイスと機体提供をし、技術者としても活動した。
そうして、長者番付にも乗るほどの金持ちになって……。
……それでもまだ、力が足りないことを悟った。
楽勝と思われたバタリオンも、三年間かけてやっと原作レベルまで弱体化させられた。
一期でこれなら、後半はどうなるんだ?
二期では殺戮プログラムが出回ってロボテックが暴れ始め、三期ではロボテックの開発企業が内輪揉め。ここまではまあなんとかなる。
だが四期の、狂人科学者女が世界を滅ぼして全人類を自分が作ったアンドロイドと入れ替えよう!みたいな、頭がおかしい計画が始まった時は?
五期の頃には、四期の爪痕で地球の半分近くが砂漠化していたんだぞ。因みに、五期はその為の緑化装置を探す話だ。
その癖六期には早々に世界が持ち直して、今度は宇宙コロニーでロボテックを使った戦争ゲーム編が始まる。
なお、その六期の戦争ゲームでは、優勝した国家が今後の国際連合の議長になる権限を得られるというクソシステムだ。中国やロシアが優勝したら、世界滅ぶんじゃねーのかそんなの?
七期?もうオカルトだよ。
とにかくこんなんじゃ、マジで世界が滅ぶぞ……。
俺は権力者として社会に寄生し甘い汁を吸いたいのであって、社会そのものを壊そうとは思ってないんだよ!
やるしかない……。
原作を守る為、やるしかない!
最近は、息抜きと称して書きたいものを書き、ストレスを発散させていました。
ゾンビもの20話、女騎士団ハーレムもの10話、召喚士もの18話が書けていますが、これらを投稿する予定は今のところないです。ダンジョンで配信者をやる話や、現代ファンタジー世界で悪の組織に憧れるアホの子に本気で手を貸す魔神の話なども冒頭だけ書きましたが、投稿は良いかなあ……。
現在は、人外ハーレムものを書き始めました。
「人外娘でしか抜けない!」「人外娘ハーレムを探す為に旅に出るぜ!副業で考古学者やってます!」みたいなド変態野郎が異世界転生して「人外娘ハーレムをさせろ!」と叫ぶ。
そして、転移先では人外娘と出会ったが、人外娘達は全く違う文化圏の、言葉も全然通じない蛮族だった!みたいな。
可愛いワーウルフちゃんと出会うも1ミリも話が通じねえ!しかも文明レベルがアフリカの部族民レベルだ!
黒曜石で作った打製石器の槍で、なんかマンモスみたいな魔物を狩り、みんなで焼いて食ってるような原始人スタイル人外娘達で、どうにかこうにかハーレムをやろうとする……!
まあ投稿の予定は未定ですが。
投稿したい作品は全然書けないのに、こう言う余計な息抜き作品ばっかり書けちゃう。