ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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ホビアニ再開してちょっと更新してきます。


炎神絶斗/どうしてこうなったのか?

サブヒロインとの契約締結、バタリオンへの対策、裏の仕事表の仕事。

 

やることが限りなく多い……!

 

そもそも、何でこんなことになったんだっけ?

 

走馬灯のように、俺の過去が頭を巡る……。

 

 

 

 

 

この世界の原初の記憶。

 

子供の頃、3歳になる少し前程度の頃。

 

俺は高熱を出して寝込んだそうだ。

 

自分のことのなのに他人事っぽいのは、実際、この時まで他人事同然だったからだな。

 

どういうことか?

 

そう……、3歳になる少し前の頃。この時に、俺は、「俺」であることを自覚したからだ。

 

それまでは、夢見心地というか、曖昧な状態だった。

 

だが、この時、まるで悪夢を見て飛び起きるかのように、一気に意識が覚醒したんだよ。

 

俺……、■■■■、46歳。

 

職業、弁護士。

 

ロンドン第一大学法学部卒。

 

両親は政治家と、大学の経済学部教授……。

 

一方で。

 

僕、炎神絶斗(えんじんぜっと)、2歳。

 

職業、幼児?

 

未就学児。

 

両親は主婦と……、オモチャの開発者。

 

ああもう、頭がおかしくなりそうだった。

 

一頻り混乱して、俺は。

 

瞳を閉じて、数を数えた。

 

落ち着きたい時は数を数えるんだ。

 

10から0まで。

 

混乱の数を心の中で減らすのだ。

 

10の混乱を、数え下げて0にする。

 

気に入らないものを心の中で消す。

 

さあ行こう。

 

10、9、8、7、6、5、4、3、2、1……、0だ。

 

落ち着いた。

 

そして理解した。

 

何にせよ、俺は、そういう世界のそういう存在になり変わってしまったらしい、と……。

 

それだけではない。

 

もう一つある。

 

それは、この世界が、俺の知る「ホビーアニメ」のそれと全く同じであったということだ。

 

タイトルを、《爆烈!テックバトラー!》という、そのロボットアニメに……。

 

俺はこのタイトルに子供の頃にハマっており、ある程度の年齢になってからも、ホビアニオタクの姉にやらされていたので、記憶によく残っていた。

 

それは、「ロボテック」という20cm程度の小型自立ロボットをカスタムして戦わせるもの……。

 

熱血主人公が、ホビーによる世界征服を目論む悪の組織をホビーで打ち砕く……という、ツッコミどころ満載の子供向け作品だ。

 

いやまあ、ぶっちゃけ、もう本当に勘弁してほしい。

 

分かる?

 

ナンバリングタイトルと外伝含めて、ゲームが十本、アニメが四本+劇場版三本、グッズ無数の大人気ホビーアニメだよ?

 

つまり?

 

後半のインフレ戦力、全てを(世界の運命すらをも)ホビーロボットのバトルで解決する狂った世界、登場人物達の無駄に過酷な過去、ホビーロボットのバトルで何だかんだで人が死ぬ、警察がクソ無能で小中学生が悪の組織に立ち向かうクソ雑設定……。

 

一つ一つの要素がクソだ。勘弁してくれ。

 

確かに俺も弁護士として、非合法な手段をこっそり使って金持ちの罪を揉み消したり、依頼を受けて依頼人の敵対者の証拠をでっち上げて法廷で使ったりした。

 

その為、なんか変な奴らに刺されそうになったり、事務所に刃物を持った男が押し入ったりなんかもあって。

 

俺は、手練れの元軍人の警備員をコネで雇ったり、送迎用のリムジンを防弾にしたり、俺自身も護身術を齧ったりして、安全対策をしっかりしていた……。

 

……それでも、ホビーアニメの世界で生き残れるとは思えない。

 

この世界の悪の組織が差し向けてくる暗殺用ホビーロボ(?!)や、後半に出てくる殺戮アンドロイド集団(意味不明だ)や、オカルトパワーで謎ビームを放ってくるバカみたいなボスキャラ共に……。

 

護衛人員だの、防弾車だの、そんな程度の対策が功をなすとは思えんからだ。

 

では、どうする、どうなる?

 

デスマーチの始まりである。

 

 

 

俺はまず、この世界の知識を得る為に勉学に励んだ。

 

記憶は薄れかかっているが、確か後々のタイトルでは「中学三年生だが、飛び級して博士号を持つ天才!」みたいなキャラもちょいちょい出てきていたはず。

 

まさか、と思って調べてみれば、この世界には「未成年」という縛りが非常に薄いのだ。

 

飲酒も大っぴらにやらなければ許されるし(どうやら、ホビーアニメ世界の住人の身体はアルコール程度に負けないようだ)、小学生くらいからアルバイトをしても文句は言われない(企業側も普通に雇う)し、飛び級もコンスタントに可能である。

 

おまけに、医師資格や弁護士資格も、学位と能力さえあれば割と簡単に得られてしまうとか。

 

弁護士資格を取ることは確定として……、俺はこっちの、ロボテックについての技術も得ていきたいと思う。

 

ちょうどその辺には最適な奴が身近にいるから、そいつに話を聞く。

 

うんそう、うちの父親ね。

 

どうやらこのおっさん、ロボテックの博士っぽいんだよね。

 

いやその辺は俺が原作の知識を持つから知っているってのもあるけど……。

 

この父親が俺に、プロトタイプのロボテックを見せてくるんだよ。

 

「このロボテックはこれからの世界を変えるホビーで〜」云々みたいな話を、少年のようにキラキラ輝いた瞳でおっさんが語ってくんの。

 

2歳児の俺に。

 

正直、2歳児の子供に聞かせるレベルの話じゃねえけどな?専門用語が多過ぎて、子供どころか大人でも分からんわこりゃ。

 

だがまあ、これを見て、この世界がテックバトラーの世界だと気づいたんだよな。感謝せにゃなるまい。

 

……まあ、20cmの人型ロボットにチューリング完全なAI積んでて、喋って動いて空飛んで、挙げ句の果てに鉄板を捻じ曲げたりするんだもんよ。

 

どんなアホでも、明らかに異常だと気づくもんだわ。

 

で、母親は腹が膨れてて、「ゼットの弟よ」なーんて言ってて。

 

俺が「名前は?」って聞くと。

 

———「来斗(ライト)よ」

 

とか言ってて。

 

くぅ〜……!

 

そいつ原作主人公ゥ……!

 

俺はこれを聞いた時、その場で激しく嘔吐した。

 

つまり、こういうことになる。

 

原作主人公の兄貴になりました、ってことだ。

 

死亡フラグの塊かな?

 

ホビアニのお約束、主人公の兄とかそういうポジションは死にやすい。

 

そうでなくとも、やがて数多くの巨悪に立ち向かう「初代主人公」様の兄というポジションは、何かあれば即死ねるとバカでも理解できるだろう。

 

あー、なんだ?

 

だから俺は、親父のコネを使って、親父の研究室に潜り込み、優秀なロボテック開発チームの天才おじさん達に色々と質問して、技術力を高めたんだよな。

 

死にたくない一心で、必死に勉強したんだよ。

 

幸いにも、ロボテック開発チーム主任である父親の種で産まれたからか、能力が遺伝しているらしく、専門外だった理系分野のことも恐ろしいほどすんなりと頭に入った。

 

そして作り上げた最強の規格外ロボテック『エイワス』と、俺の肉体を保護する『パワードスーツ』、エイワスのAIを無限に強化する『ヴァルハラシステム』……。

 

青春もクソもない、生き残る為に、良い人生を歩む為に必死でタスクを消化してきた。

 

やっと、ゴールと思える成果を掴めたのは、およそ十年後。

 

13歳の時だった。

 

だがその前に、転機が訪れた……。

 

 




サイバーパンクのアンケートは締め切りますね。

……まさか清掃委員会視点とは。完全に予想外だった。

忘れないうちにネタ出ししとこ。

まず清掃委員会は暗殺集団で、自分達が敵だと思ったものを殺しにくるテロリスト。

アライメント的にはカオティック・グッドで、義心によって殺戮をするイかれた奴ら。

実際の世の中では、悪いことをしている政治家や商売人を一人二人殺したからって何かが変わる訳でもなく、それどころか確実に世の中は好転しない。だが、彼女達求道者にはそんなことは分からないし、悪い奴らを殺して良くならない世界なら、それは世界の方が悪いのだ!と更に殺しで解決しようとする。

そんな、人殺しだけが上手いガキ共を、主人公である先生が叱りに行く……。

世界には希望なんてないし、世の中が良くなることなんて滅多にないんだが、それでも自分の人生は自分の力で切り拓く。

大人になっても良いことなんて一つもないが、子供のままじゃいられない。大切するのはどう適応していくか?だ。

人を殺したって英雄にはなれず、犯罪者か化け物にしかなれない。

思想で殺すな、ビジネスで殺せ。組織は信仰ではなくシステムで管理しろ。

超豪速球な、夢も希望も何もないリアルを叩きつけて、夢見がちな暗殺少女達に「この世界の本質」を教えてあげよう!

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