ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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マブラヴオルタにgジェネ系オリ主とか書きたい。


31話 鬼神の供述/九尾狐の供述

俺は鬼神、酒呑童子。

 

ジパング……、日ノ本の西、扶桑国の主であった。

 

主であったのだ。

 

しかし、負けて、支配権を奪われた。

 

戦って負けたのだ。

 

それも、一騎討ちで。

 

それならば、仕方がない。潔く臣従するのがもののふというものだ。

 

俺を打ち負かしたのは、深淵の王、ジン殿。

 

強いぞ、あれは。

 

人の形をした鬼だな。俺達と同類だ。

 

俺の身長が八尺(240cm)で、それより一尺以上は小さいと言うのに、誠に強くある。

 

合気という業を以って、この俺を投げ飛ばしたあの力。

 

俺の力は扶桑一と名高いのだが、あの男はそれをいなした。

 

軟弱な技と侮ったか……。

 

その後、下克上を狙い襲い来る武家も軽く一掃し、従わせた。

 

聞けば、深淵の武具を持つにも関わらず、素手で皆を打ち倒したらしい。

 

成る程、これは勝てぬな。

 

 

 

その後の統治は実に見事。

 

……まあ、力で全てを押さえつける鬼族の武者よりは、誰がやってもマシだという話だそうだが。

 

だが、既存の利益にしがみつく、境の商人達などは、何人も叩きのめされ、夜逃げしたそうだ。

 

ふむ……。

 

金勘定のことなど俺には分からぬが、国が富んでいることは分かった。

 

町を歩けば、民が笑っておるのだ。

 

俺の支配ではできんことだな。

 

まあ、民などどうでも良いがな。

 

そんなものより、ジン殿がもたらした食物や酒、道具、武術にこそ意味がある。

 

食物は主に肉が良いな。

 

あれは美味いし、精がついて力もつく。

 

教わったことは栄養についてだ。

 

蛋白質、血肉を作るもの。

 

どうやら、より強い肉体を作るには、蛋白質というものを食うべきなのだと聞く。

 

これを聞き、武士達は皆、肉と魚、豆を食らうようになった。

 

米を腹一杯食えば力がつくと思っていたが、まさか肉を食うべきだったとは盲点だった。

 

しかし、野菜も食わねば病に罹るそうだ。

 

びたみんなる物を食わねば、身体は弱り、死ぬとのこと。

 

そして、米や芋などの炭水化物を食わねば、体力が湧かないそうだ。

 

なるほど。

 

なんでも食えと言うことだな!!

 

酒は、良いものが売られるようになった。

 

鬼族にとって酒は欠かせぬもの。

 

たらふく飲み、食らうのが鬼というものだ。

 

新たな酒、清酒や麦酒やウヰスキーは美味い。果実酒や梅酒は甘過ぎて好かんが、女達には人気だった。

 

まあ、外れはないな。

 

道具で特に感銘を受けたのは竹刀だ。

 

あれは良い。

 

強く打っても怪我をせぬからな。

 

その気になれば、木刀で物を斬れる我らからすれば、あの柔らかな竹刀は打ち据えても人が死なんから良い。

 

真剣で打ち合いをすると、ついうっかり殺してしまうことがあったからな。

 

人が死なん、ということは兵士が増えるということだ。

 

成る程、確かにそうだ。

 

人が増えれば、兵士になる者も増えるように思える。

 

そして武技。

 

空手、柔道、剣道、弓道。

 

いい具合に鍛えられた。

 

特に、無手での戦いは良いな。

 

素手で物を斬り裂き、貫くとは。

 

実にいい、練習しよう。

 

 

 

まあ、民を労わるとか、よくわからんことが多いし、書類だなんだと面倒も多いが、日ノ本は安泰だ。

 

 

 

×××××××××××××××

 

妾は九尾狐の玉藻。

 

カムイ様の巫女で、秋津洲を統べる者でした。

 

ですが今は新婚の女なの。

 

旦那様は深淵の王、ジン様。

 

日ノ本に繁栄をもたらすお方ですわ。

 

 

 

はじめに妾の家に殴り込んできた時は何事かと驚きましたが、カムイ様はご主人様を旦那とし、よく言うことを聞くようにと命じられました。

 

……妾は、カムイ様の啓示がない限り結婚はしないと誓い、もう既に千年程待っていたところです。

 

やっと結婚できる……!!

 

もうっ!カムイ様っ、遅いですよ!

 

でも、その分、素敵な人に出会えたから良しとしましょう。

 

彼はあの、乱暴者の酒呑を素手で倒すほどに強く、智慧者の鞍馬よりも博識で、妾のように美しい方です。

 

それだけではなく、カムイ様のことも否定せずに認めて下さいました。

 

妾としては、カムイ様を否定されるならば、国民の最後の一人になるまで戦う気持ちでいましたが、あっさりとお認めになられるので驚きました。

 

かの、西の聖王国なる地では、アース教以外は認められないと聞きます。

 

アース教は、唯一神アースを崇める宗教で、魔人やモンスター娘は、唯一神以外から生まれた存在とし、迫害するそうです。

 

ご主人様は、アース教について、「カトリックの悪いところを煮詰めたクソ」と仰っておりました。はて、何のことでしょう?

 

カムイ様についても、「否定はしないが、信じてはいない」そうです。

 

それでも構いません。

 

カムイ様は、どんな方も見守ってくださるのですから。

 

 

 

ご主人様は、カムイ様について興味がおありなのか、沢山の質問をします。

 

「カムイ教には聖典はないのか?」

 

「聖典?」

 

「ああ、そうだな……、例えば神の言葉だったり、カムイ教の司祭などの重要人物の残した文書だったり……、そう言ったものはないのか?」

 

「いえ……、言い伝えや歌はありますけど、本はありませんね」

 

「ふむ……、その辺りはアイヌ民族に近いのか。成る程。では、儀式なども言い伝えで伝えているのか?」

 

「儀式?」

 

「洗礼や生贄なんかはないのか?」

 

「いえ、ありませんよ?カムイ様に祈れば、皆が信徒です」

 

「……んん?ないのか?カムイ教を信じる上での義務は?」

 

「ありません。強いて言えば、皆健やかに、人を傷つけず、隣人を愛し、家族仲良く過ごすことが義務、でしょうか?」

 

「……では逆に、やってはならないことは?」

 

「そう、ですねえ。他人を傷つけることでしょうか?」

 

「戦時中はどうする?」

 

「その時は皆、カムイ様に謝ります」

 

「はぁ?それで許されるのか?」

 

「国を守るためには、どうしても他人を傷つけなくてはならない時があります。その時は、皆、カムイ様に謝るのです。やむを得ない事情があれば、カムイ様も許してくださいます」

 

「随分とユルいな……。異教徒はどうするんだ?」

 

「異教徒?」

 

「他の神を信じる人間の扱いだ」

 

「皆、カムイ様を信じているのでは?」

 

「違う神を信じるものもいるだろう」

 

「他の神?他の神……、他の神は、いません」

 

「あぁ?何だそりゃ?」

 

「人族の信じる唯一神アースも、西の民が信じる祖霊も、皆カムイ様なのです」

 

「……あー、つまり、カムイ様とやらは神の総称だと?」

 

「はい」

 

「………………まさか、お前らの言うカムイ様ってのは、知的生命体が自力では乗り越えられないような困難に出会った時、無意識に祈るものをカムイと定義しているのか?」

 

「はい」

 

「はぁー……、何だそりゃ。何というか、適当な宗教だな」

 

「そうですか?」

 

色々なお話をしました。

 

「カムイはどんな姿をしている?」

 

「分かりません、人の数だけカムイ様の形があります」

 

「カムイ教では、死者はどうなるんだ?天国や地獄と言った概念は?」

 

「死者は星になり、皆を見守るカムイ様の一部になるのです」

 

「クハハ、死者は星に、か。生娘みたいなことを言う……。では、生前に許されない罪を犯した者は?」

 

「流れ星になって、地に落とされてしまいます」

 

「ハハハハハ!成る程な!しかし、地に落ちる流れ星は、罪を犯した人の数より随分と少ないなァ?」

 

「そうですか?たまに、沢山の流れ星が落ちてきますけど?」

 

「……あー、流星群か」

 

そして。

 

「カムイ教については大体理解した。コントロールしやすそうで実に良い」

 

「それは何よりですね」

 

と、このように、ご主人様と沢山お話をしました。

 

その後は。

 

「来い、抱いてやる」

 

「はい❤︎」

 

初めての性行為、良かったです❤︎

 




スパロボ×マブラヴの伝説的な作品がありましてね。

なんかそういう、絶望世界に希望もたらしちゃう系オリ主書きたいんだよなぁ。

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