「死ねエっ!!!」
「アンタがねぇっ!!!」
射撃。
血走った目をした二人の女子高生サイボーグが、全力で殺し合いをしている。
俺はそれを、興奮しながらカメラに収めていた。
女同士のガチ殺し合いとか、割とマジで勃起もんである。
「ごあっ?!」
「あぐえっ!」
お互いが放った弾丸が、お互いのボディアーマーに阻まれる。
しかし、軽量のボディアーマーは、衝撃までは殺しきれず、二人は弾丸の打撃力により仰け反った。
「ごええええっ!!!」
「ぐはっ!!!」
ああ、シヤは生の胃なのか。衝撃でシェイクされた生の胃は、弾丸のダメージに耐えきれなかったらしく、黄茶色の吐瀉物を撒き散らす。
吐瀉物の中には赤色が混じっていることから、恐らくは内臓にダメージがあるだろうな。
ナナオの方はどうやら人工胃管のようだが……、それの機構がイカれたっぽいな。赤黒い人工体液が、口と鼻からどばっと溢れる。
目尻からもドバッと出ていて、まるで血の涙だ。
「「じね……、死ねえええええっ!!!!!」」
きゃー!
弾切れになった銃を捨てて、ガチ目な殴り合いが始まったぞー!
かわいー!
スタイルとしてはナナオは空手、シヤは八極拳。
しかも、ナナオのそれはフルコン系の空手の動きだ。一撃一撃が重い。
シヤはそれを、拳法の柔らかい動きでいなす。
そして。
「喰らえええェア!!!!」
「なっ?!ぎええっ!!!」
おっ!隠し球!
どうやら、シヤは、右腕の人工皮膚の下に電磁掌底を取り付けていたらしい。
白魚のような美しい手の皮膚が焼き切れ、機械的な腕部が露出。
しかしその代わりに、ナナオを仕留めることを成功したようだ……。
ナナオは、血の涙を流しながら失禁し、口から黒い煙を吐いて倒れた……。
「は、ははは!やった!これで百万クレジット……」
……いや、まだだ。
ナナオは、食らった瞬間にシステム再起動をかけていた!
一瞬で飛び起きて……!
「さっぎもいっだでしょ……!死ぬのば、アンダよ……!!!」
いつの間にやら拾っていた、その辺に落ちていた他人のハンドガンを、シヤの脇腹の防弾プロテクターがない部分に押し付けて、連射した……。
「あぴ」
あ、シヤが死んだ。
ギリギリだったが、ナナオの勝ちだな!
カルイとミコシも、ボロボロだが勝利したようだ。
カルイは両腕が捩じ切れていて、ミコシは右足がないが、まあ誤差でしょ。
「はぁ、はぁ……。医務班!治療を……!」
「只今!」
後方から、ボックスカーに乗った医務班がすっ飛んでくる。
即座に治療して戦線復帰するつもりだろう。
サイボーグは、壊れた部品を付け替えて、肉の部分もバイオ技術で高速再生できるから、機能停止しなければすぐに治るので負け扱いじゃない。
ゾンビアタックが当たり前なのだ。
そしてついでに言えば、脳核が破壊されない限り死なないので、殺されても終わりじゃない。
脳核の破壊は『脳死』と呼ばれ、それは流石にこの学園都市では忌避されるようだった。
「大丈夫ですかナナオさん!バイタルチェックします!ジャックインの承認を!」
「承認ずるわ……」
《!承認!》
「ダメージレポート……、損壊率34%!戦線復帰まで十分ください!」
「五分でやりなざい!!!」
「は、はいっ!」
んー、良いねぇ。
でも、このままじゃ落第とは言えんが赤点ギリギリだぞ?
ちょっとアドバイスしてやるか。
「いえーい!」
俺は、ダブルピースしながら医務用のボックスカーに入り込んだ。
「……チッ!!!!」
おっ凄い、全力の舌打ち。
「そんな目で見るなよ、好きになっちゃうだろォン?」
「じね……!!!!」
「あらやだ、余裕ない感じ?」
「何じにぎだのよ!」
「忠告〜」
「はぁ?!!!」
ははっ、キレるなキレるな。
「問題でーす!Dr.无は、そもそもどうして人攫いをしていたんでしょーか!」
「ぞんなの、知らないわよ!狂人なんでじょ?!気狂いの思考回路なんで分がる訳ないじゃない!」
「思考回路は理解できんでも、動機は分かるはずだ」
「はぁ?!……いや、待っで……、まさが!」
ナナオは、医務班を突き飛ばし、体に繋がれたコードを引きちぎり外に出た。
「あ、あぁ……!ぞんな!」
おっ、気づいたっぽいねえ。
やっぱり、戦いはそこそこだが、頭が回るなあこの子は。
『全体コール!敵の狙いは……、この戦いで生み出された死体よ!死体を回収している奴を捕まえて!!!』
電脳通信。
だが、それを気づいちゃったらもう……ねぇ?
あっち側も、最早生かして帰さないでしょ……。
地下、Dr.无のアジト予想地である廃駅から、5mほどの大きさの影が現れる……。
『ターゲット確認。掃討します』
高めの電子音声。
ずしん、ずしんと大地を揺らす「四足歩行」……。
「ほ……、歩行戦車『ジャガーノート』……?!!!」
誰かが叫んだ。
同時に、医務班のボックスカーが吹き飛んだ。
四連装75mmオートキャノン。
巻き込まれた生徒は即死だろう。
威力があまりにも高いため、運悪く直撃した生徒は脳核ごと肉体を破壊されてしまった。
あそこにいた生徒達の脳核から発せられる、生命信号をロストしたから、死んだことは間違いない。
次撃たれたら、何人『脳死』するのやら……。
何人もの生徒が腰を抜かして、失禁して泣いている。
当たり前だ、対人用の手持ちの火器程度で、軍用の歩行戦車とまともに戦える訳がない。
ま、仕方ない。
これは俺の仕事でもあるしな。
ギリギリまで手出ししないつもりだったが、そういう軍用機とか出してくんなら、軍人がお相手せにゃならんだろう。
アンケート
グループコミュをやります。
今まで登場した組織、もしくはこれから登場する予定の組織を掲示するので、選んでください。
1.アイリス学園風紀委員会
→ナナオを中心に、カルイとミコシのスリーマンセルの日常話。
ここは本当に変なジョーク抜きでちゃんと日常話になると思います。
2.料理研究部
→ムルモ、ニカラ、ハイの美味しいもの探求。
美味しいものを食べる為に、食材を生産プラントから略奪します。
3.剣道部
→マリカとのイチャラブ。
マリカの他にも、剣道部キャラを数名出します。
内容は殺伐寄りの、殺人剣についての探求。
4.エイジャーナカト
→学園都市を根拠とするコーポ「エイジャーナカト」のCEOであるマギルを中心に、クレジットの為なら親兄弟すら悪魔に売り渡すコーポの話。
5.神学部
→部長であるサツキと、その狂信者達の地獄のような集会について。
教会と神学校を描写し、信仰のためにたくさんの人が死んでいる闇の話。
6.風紀委員総会
→ノデンを中心に、学園都市のお巡りさんの話。
学園都市の、一見キラキラした女の園に見えて、その実地獄みたいなクソ治安が垣間見える殺伐日常ストーリー。
具体的に言うと、アーカムシティの警察官達に密着取材!みたいな。
7.工学部
→テツリやヤリスなどの、工学部の中でも商売っ気がない子達と平和に機械弄りする話。
8.ボランティア部
→シヤ、サクナ、クロツユを中心に、傭兵組織であるボランティア部の、戦っていない日について。
実はこの三人はレトロゲーム部を兼部しており、その辺りの話になるのではないかと。
9.生徒会総会
→まだ登場していない生徒会総会の総会長の話。
学園都市において、学園長を除いて最強の存在である生徒会総会長。
それと、マギルやノデンなどの、学園都市という名の「国」を動かしている生徒達の描写。
偉い人達の会合。
10.学園長
→ロリババア狐娘学園長のテンショウ(ヴィクセン)とのデート。
ロリババア狐娘が年頃の少女みたいにはしゃぐ姿が見たい人向け。
昔話とかもします。
あと、個人コミュもキャラ名を言ってもらえればやったりやらなかったりします。