ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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頑張ってます。


30話 哀しい世界はもう二度となくて

シティ・ライコウのノーブルとの取引は、俺達にかなりのリソースをもたらしてくれた。

 

無論、取引をしているので出ていくリソースも多いが、これは加工貿易のようなもの。

 

つまり、あちらから……例えば有機素材を貰ったとして、それを組み合わせて薬品を生成し、それを売りつけることで更に多くのリソースを得る……みたいな話だ。

 

こちらは、加工の為に電力を消費しただけ……。プラマイで言えば確実にプラス。

 

やはり、技術を握っているというのはかなりの強みだな。

 

実際、製鉄所があるとか言っているから、奴らの言うハガネとやらを購入したが、品質のばらつきが大きくてお話にならない。

 

ハガネだから、『鋼』のことだと思いきや、単に『金属全般』をハガネと呼称しているようだ。

 

流通している鉄砲も見せてもらったが、低品質な金属で火薬の圧力に耐える為、銃身は極太の……ええと何と言うんだったか、「水平二連ショットガン」みたいなものだった。

 

まあ、この前のスジモノが持っていたような、運が悪けりゃ銃身が爆発して指が吹っ飛ぶパイプ銃と比べりゃマシか……。

 

とにかく、これでひと段落だ。

 

しばらくはゆっくりできるな……。

 

 

 

俺は、エアコンの効いた執務室で、コーヒーを飲みながら本を読んでいた。

 

本の内容は、このひみつきちにある超技術の仕組みや運用方法について記されたもの。

 

この群れのリーダーとして、俺には知っておかなければ拙いことが多い。

 

それに、今はまだ早いが、今後の生き甲斐についても考えなくてはならない。

 

ジュラ娘達と共に生きるのはそうだが、若いのは今のうちだけ。

 

すぐに人間は老いて、身体は動かなくなり、やがては死ぬ……。

 

それまでに、ジュラ娘達と、その子供達に何を遺せるのか?

 

遺すとして、どんなものを?

 

つまりこれからの「労働」について考えなくてはならない訳だな。

 

そりゃそうだ、これから予備のプラントだの何だのと揃えたとして、安住の地に辿り着き、それから一生遊んで暮らすのか?と言えばそれはなんか違うだろう。

 

いや、遊んで暮らすのも良いものだが、結局はいずれやることがなくなる。

 

ひみつきちのデータには膨大な量の娯楽があるが、それも無限ではないし、そもそも娯楽を無限に楽しむというのも中々難しい。少なくとも俺には無理だ。

 

だから、労働。

 

俺とジュラ娘がこの世界でするべき労働について考えていきたいんだ……。

 

と、俺は目の前にいるトロに話した。

 

「なるほど……、では」

 

トロは、白衣の裾を翻しつつ、こう言った。

 

「先生の得意分野を活かすべきではないかね?」

 

「得意分野?」

 

「そう、君の得意分野。古生物学者だったんだろう?」

 

「恐竜でも探せと?」

 

まあ、こんな世界じゃいてもおかしくはないが……。

 

「いや、あの『アポカリプス』という存在の調査だ」

 

「ああ、なるほど」

 

あれも確かに、生物学の分野ではあるか。

 

「今まで集めた情報によると、あのアポカリプスとかいう存在が、その名の通りこの世界に終焉を齎したんだろう?そんな生き物について調べることは、充分に有意義だと思うのだが……」

 

確かに……。

 

「私も専門ではないが、その手伝いをしよう。もちろん、新規技術の開発も並列して行うよ」

 

「学がある君はそれでいいかもしれないが、他の子はどうする?」

 

「子育てに決まっているだろう?」

 

……子育て?

 

あ、ああ。

 

今は避妊しているが、安住の地を見つけて拠点を作れば、子供も……みたいな話はしたもんな。

 

今はまだいないはずだ。

 

これ以上、守るべきものが増えるのは拙いからな。

 

「我々は、どう取り繕っても獣だからな。獣として、子供達は全て『群れの子供』と扱い、皆で育てていく」

 

「……なるほど?」

 

「それと、防衛の為の戦力などを考えると……、正直な話、手が空かないレベルだよ」

 

……それなんだよなあ。

 

俺も薄々気付いていた。

 

俺達は少数精鋭が過ぎる、と。

 

特に、内政をやる内務方が全くいないのだ。

 

統制を取る必要がないレベルで、みんなが俺に懐いてくれているから良いものの……。

 

これから、子供達が生まれたり何だりすれば、色々と変わってくるはず。

 

そんな中、二百人足らずの俺達が勢力を維持できるかと言えば……。

 

「確かに厳しいな」

 

という話だ。

 

「だから……、その、君は嫌がるだろうが……」

 

「やはり、この世界で人員を集める必要がある、か……」

 

そういう話になってくる、よな……。

 

無論嫌だ。

 

嫌だが……、愛するジュラ娘達の、その子孫が苦しむと思うと、俺は辛い。耐えられない。

 

元はソシャゲのデータとは言え、それでも俺に少しの希望をくれた。

 

今では、なくてはならないパートナーにまでなった。

 

その子孫を守ると思えば……。

 

「やるか……、『建国』……!」

 

「そうだな、そうするしかないだろう」

 

建国……。

 

馬鹿らしい話だが、最早やらなきゃならないだろうな。

 

街一つ分のリソースを集めなくては……!

 




最近マジで色々と辛いのですが、頑張ってます。

ホビーアニメものは8話まで書けました。

どうやら皆さんは、ヒロインは中学一年生の方が可愛いとの主張をなさっているようですので、ヒロイン二人は中一にします。やったね。

じゃ、中一の貧困層のメスガキに、ハイソな高層階級のデートをしてやって、男性観をぶち壊して並の男では満足できなくなる脳破壊シーンをこれから書きますねー。

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