ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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はあ……。


12話 頑張りましょう、儲けましょう

廃墟のスーパーマーケット。

 

ここで、資材を集める。

 

俺は、鉄板入りのブーツに、ジュラ娘の被服を科学的に再現した『ダイノ・ケブラー』製の服を着込み、手袋にヘルメット、ゴーグル、イヤーマフ、ガスマスク、そして高威力な銃器と高周波ブレードナイフを装備した。

 

「先生、変なカッコだね〜」

 

レクソビサウルスのレクスが揶揄うようにそう言うが、俺のようなただの人間は、ここまでやっても安全を保障されないからなあ。

 

じゃあ何で俺がわざわざ行くのか?と言われれば、ジュラ娘に任せられないからなんだが。

 

結局、指示を出すのは俺だからな。

 

戦術レベルでは有能なジュラ娘も数人はいるんだが、基本的に戦略的思考で行動しなきゃならないのは俺と言うことらしい。

 

今回もまあ……、おつかい行ってきて!と頼めば、全員喜んでやるだろうが……。

 

不測の事態には対応できないのが目に見えている。

 

それに、俺も戦術レベルでの指揮なんてやったことないし、練習はしておきたい。

 

もちろん、安全策は何重にも用意した。

 

まず第一に、ドローンでの撮影。

 

撮影データから3Dマップを作り、そこから探索作戦の立案。

 

そこから、護衛三人を連れての作戦行動だからな。

 

現段階でやれることはやった。

 

これで駄目なら仕方ないだろう。

 

そしてついでに言えば、スーパーマーケットの内部には、敵はいないことも分かっている。

 

警戒し過ぎなくらいだ。

 

さあ、さっさと内部に侵入するぞ。

 

 

 

一ヶ月の休暇で色ボケしきっていたように思えるジュラ娘だが、一度戦場に出向けば、即座に戦士の顔になる。

 

サメコスプレのバカ女も、マリモ女も、妻を名乗る精神異常者も、全員が戦闘者の引き締まった表情になっていた。

 

恐ろしくもあるが、それ以上に頼もしい。

 

何度も言うが、ジュラ娘は知識は足りないが、知能は充分に高い。

 

アホではあるが、知恵遅れではないのだ。

 

寧ろ、戦時においては、恐竜としての野性が有利に働く。

 

メロは、凄まじい嗅覚と、ぎょろりとした瞳で辺りを睨み付ける。

 

その姿は、巨大な海中の捕食者であるメガロドンのそれだ。

 

レクスとマイも、メロの死角をなくすようにポジショニングし、俺を守るように立っている。

 

その姿は、捕食者に抗う草食恐竜のそれだ。

 

俺はその姿を見て、安心して物資漁りを始められた。

 

「データ、DAY32-10:08……。スーパーマーケットに物資を回収しに来た」

 

マスクに内蔵されたマイクに話しかけ、データを記録する。

 

そして、ゴーグルと連動したカメラが、俺の手元を写す。

 

左手にはLEDライトを逆手に持ち、フリーな右手で棚を漁る……。

 

鏡張りの入り口は、シャッターが破損しており、侵入は容易。

 

レジスター付近は……、朽ちているが、樹脂製の買い物カゴらしきものがある。

 

樹脂素材は良いな、後で拾おう。

 

レジスターは……、機械部品が気持ち程度に残っている、か?

 

樹脂と金属だが、うーん……。

 

とりあえず、先へ進もう。

 

「行くぞ」

 

「「「はい」」」

 

えー……、棚。

 

恐らくは、生鮮食品の棚だったのだろうか?

 

腐り落ち、朽ち果てたか?

 

それとも、人々に持ち去られたのか?

 

もしくは、あのアバドナとかいう白バッタに食い荒らされたのか?

 

その辺りは分からないが、何も残っていない。

 

参ったな、有機素材の使い道は多いのだが……。

 

次。

 

辛うじて読める掲示には、「油」「干物」「カップラーメン」などとある。

 

探ってみるが……。

 

「何もなし、か」

 

いや、待て……?

 

「缶詰だ」

 

拾ってみる。

 

ライトで照らしてみると……。

 

「鯖缶、か」

 

印字された文字から情報を得ようとしてみる。

 

例えば、「日本で養殖した鯖を使用!」なんて書かれていれば、ここが日本であることが分かるだろうからな。

 

だが……。

 

「……なんだこれ?白いラベルに、『鯖缶』とだけ。後は、製造年月日か?『25-5/9』だけだ。自衛隊の糧食みたいだな」

 

何も分からない。

 

とりあえず、同じような缶詰がいくつかあったので、持ちきれるだけバックパックに詰める。

 

食えなくても有機素材にはなるからな。

 

薬品コーナー……。

 

「こりゃ、マスクか?一応、もらって行くか」

 

それと……。

 

「薬品、か。この世界の薬品は怖いんだよなあ……。一応もらっておこうか」

 

謎の薬品も拾う。

 

『ベルフォンミン』とか『トケアチ三糖類』とか、聞いたこともない薬品ばかりだ。

 

最後はバックヤードの調査だが……。

 

「ここは、ドローンが入れなかったから、どうなっているか分からん。俺は入らないでおこう」

 

バックヤードには近付かず、さあ脱出だ……。

 

と、言うところで。

 

ギギギ、と。

 

何かが擦れる音を聞いた。

 

「何かいるのか?!」

 

俺が、音の方向にライトを向けると……。

 

「……何もいない?」

 

いや、違う!

 

「上だっ!!!」

 

ボロボロになっている屋根の通気口らしき部分から、何かが落ちてきた!

 

『ギ、キ、ギーーーーーーーーッ!!!!』

 

猿……?!

 

白い、毛のない猿だ!

 

それは、肥大化した口から、信じられないくらい大きく高い声を出した!

 

「クッソ、があっ!」

 

俺は、ハンドガンを引き抜いて構えた。

 

が、発砲はしない。

 

まだ、まだ撃たない。

 

俺の背後にはマイが、隣にはレクスが立った。

 

そして。

 

「メロぉっ!そいつを殺せえっ!」

 

「分かったわ!」

 

メロの手持ちの、チェーンソーが唸りを上げる!

 

『ギーッ!!!』

 

「うわあ……」

 

突然だが、サメ映画を見たことある人っているか?

 

サメ映画でさ、よく、チェーンソーでバリバリとサメと戦うシーンがあるだろ?

 

あれ、リアルだとこんなんなのか……。

 

あまりにも凄惨だな、おい。

 

飛び散る鮮血、細切れの「そぼろ」のような肉片が、そこら中にばら撒かれる。

 

どうやらあの猿にも、痛覚らしきものがあるようで、激烈な苦痛の叫びを上げている。

 

そして、十秒もしない内に、苦痛の叫びは断末魔へと変わる。

 

「……やったか?」

 

「大丈夫デース!」

 

メロの返答。

 

っと、それよりも……。

 

「脱出するぞ!嫌な予感がする!」

 

「私もそう思うなっ!早く逃げちゃお!」

 

俺の叫びに呼応したマイ。

 

残りの二人も頷き、即座に、一直線に外を目指す。

 

だが、全ては遅かった。

 




わああー。

書けない!

厳密な設定を練ると書けなくなる!

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