やはー。
君沢エイラだよー。
私はねー、ママがドイツ人でねー、元からエイラって名前だったから、この世界でもエイラって名乗り続けてるんだよー。
でねー。
リープちゃんがねー、なんかねー。
変なのをねー、持ってきたんだよー。
「どう?分かる?」
「んー……、少なくとも、私達『職人組』が作ったものじゃー、ないねー」
出来の悪い、缶詰だなー。
気密が雑だからー、中身は腐ってるしー。
冶金技術や加工技術が未熟だからー、均一な形じゃないしー。
「なんかー、本物のー缶詰を見た人がー、無理矢理見た目だけパクったー?みたいな感じーかなー?多分ー、これ作った人はー、缶詰の趣旨を理解してないーねー」
なんかー、缶詰の見た目だけー、真似しましたー、みたいなー?
贋作ってやつだねー、よくあるらしいねー。
「そっか……。念の為に聞くけど、この、贋作缶詰の『黒竜会』ってのに聞き覚えはあるか?」
んー……。
「ないよー?って言うか、そんな不吉な名前を名乗る人達とー、お知り合いにはーなりたくないなー」
黒色もー、ドラゴンもー、この世界ではどっちも、縁起が悪いーものだもんねー。
黒はー、『黒死病』って疫病のー、象徴でー、不吉って言われててー。
ドラゴンはー、災害の象徴ー、異教徒の象徴ー。
まともな人ならー、そんなのを商会の名前にー、しないんだよねー。
地球で言えばー、ゴキブリ商会ってー、名乗ってるみたいなー?
やばい人達だよねー。
怖……。
っと、そこにー、私と同じ『職人組』のみんながー、来たよー。
「おや?リープ殿、来ていらしたか」
眼鏡にー、老け顔のー、長髪のー、オタクー。
萩原均、プレインちゃんだよー。
プレインちゃんはねー、『調教師』の加護を持っているからー、それで家畜の面倒を見つつー、強いモンスターをテイムして飼ってるんだー。
何気にー、強いモンスターはー、お金持ちさんに売れるからー、稼ぎ頭だよー!
それにー、家畜はー、私達のごはんになるヤツだからー。胃袋を握られてしまっているのだー。
「へー、偽物が出たんだー」
おさげにー、眼鏡のー、地味な見た目の女の子ー。
橘彩花、アヤちゃんだよー。
アヤちゃんは、植物を操る『植物術師』でー、畑の世話をしてるんだー。
普段はー、騎士団の薬草園のー、管理もやってるー。
この子にも、胃袋を握られてしまっているー!
「この偽物が何か問題でもあるのでありますかな?」
ちょっとぽっちゃり気味でー、坊主頭のー、ゲジ眉さんー。
西田智弘、ワイズちゃんー。
ワイズちゃんはー、女の子の生命線ー、甘いものを生産してるんだー。
つまり、養蜂家ってことだねー。
ワイズちゃんがいないとー、私達は甘いものが食べれないのでー、死んじゃいますー!
「そりゃそうじゃないの?缶詰って画期的な発明なんだから、パクろうとして当然でしょ☆」
ゴスロリにー、濃いメイクー。
曽根地莉里、リリーベルちゃんー。
リリーベルちゃんはー、『占星術師』だからー、高額だけど必ず当たる占いでー、貴族相手に大儲けー。
「い、いや、こ、こ、これは拙いんじゃないかな。こ、こ、こんな風に、そ、粗悪品を、市場に、な、流され続けると、か、缶詰自体の、商品の、し、信用が、なく、なくなるんじゃ……」
吃りのー、モジャモジャ頭のー、丸眼鏡くんー。
塩川晋太郎、シンちゃんー。
シンちゃんはー、『器物術師』っていうー、特別な魔法使いでー。
マジックアイテム・スマートフォンを作るのにー、役立ったんだよー。
みんなでねー、こうしてねー、集まってねー。
ボードゲームしたりしてー、遊ぶんだー。
まー、今日は遊びじゃないけどねー。
「シンの言う通りだ。このまま、こんな粗悪品を流されたら、市場価値が落ちちまう。それに何より、『本物の』缶詰の出どころが分からなくなる……」
「「「「あー」」」」
それはそうだねー、ピンチだー。
「あー、て……。気づかなかったのか?」
リープちゃんにー、呆れられちゃったー。
「うんー。だってー、いいものは真似されるのがー、当然だってー」
「我々が作ったマジックアイテムも、既に大分パクられてますからなあ」
「ぼ、ぼぼ、僕が作った、洗濯板……、パクられて、も、もう、売れない……」
そうなんだよねー。
もう既にー、私達の開発したー、マジックアイテムはー。
かなりー、パクられてるからー。
いつものことかなーってー。
「おいおい……、危機感を持ってくれよ。今回はマジでヤバいんだ。調べたところ、どうやら他にも、現代製品のパクリみたいなマジックアイテムが出回っているんだ」
「そうなのー?でもー、ただのパクリならー……」
「但し、安全基準とかは一切守られていない!」
それは……!
「つまりー、劣化コピーどころかー、見た目だけ真似したー、危険なのがー、売られてるってー、ことー?」
「ああ、そうなる。このままじゃ、お前達『職人組』の商売にも差し障りが出るだろうな」
そ、そんなー!
「ど、どうしよー!」
ううー……。
誰なのー?!
何で私達のお仕事の邪魔をするのー?!
いややはり唐揚げも……?
あ、書き溜め終わりです。
終わりでーす。
あー……。
次はポストアポカリプス×ダンジョンで行きます。久しぶりの更新、待っている読者はいるのやら……。