ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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湿度ーーー!!!


21話 おもしれー女二人

無事に、奴隷の二人をこちら側に引き摺り込んだぜ。

 

とりあえず俺は、『スマホ』で電話をかける。

 

『もしもし?アークか?』

 

「ああ、落合……じゃなかった、リープ。君沢……いや、エイラのところまで転移を頼めるか?」

 

『ああ、分かったよ。五分後くらいに、スマホのマーキング地点に飛ぶ』

 

「任せた」

 

よし、転移術師のクラスメイトに、転移魔法で錬金術師のクラスメイトに会わせてくれと頼んだぞ。

 

「いやぁ、スマホが使えるとQOLが大違いだな!」

 

俺はそう言って、文明の利器たるスマートフォンを撫でた。

 

「僕も驚いたよ。まさか、僕達の加護を総動員して改造すれば、スマホを擬似的なマジックアイテムにできるとはな」

 

「何言ってんだ、プログラムを組んだのはお前だろ?」

 

「いや、僕もまあ、ここまで上手くいくとは思ってなかったんだよ。と言っても、出来ることは『通話』と『クラスSNS』と『メモ帳』『写真』、それと今回みたいにお互いの位置を示す『魔法的マーキング』の機能しか使えないがな」

 

「なーに、充分よ充分」

 

そんな話をしていると、転移術師のクラスメイトである落合、いやリープが転移してきた。

 

「よーっす!久しぶり!」

 

リープは、元は野球部の二軍で、細身に長身の坊主頭が特徴の、塩顔の男だったのだが……。

 

この世界でしっかりと鍛え上げ、髪も伸び、短髪の細マッチョ好青年になっていた。

 

あのキョロ充がここまで立派になって……。

 

あ、それと、最近は女にモテると喜んでいたな。やっぱり、見た目云々ではなく、自信溢れる男はモテるよなー。

 

「久しぶり。早速で悪いが、こいつらごとエイラのところまで飛ばしてくれるか?」

 

「オーケー!エイラちゃんに連絡は?」

 

「さっきしたが、一応お前からもしてくれるか?エイラはその……、アレだから」

 

「あー……、分かってたよ。もしもし、エイラちゃーん?」

 

よし、じゃあ転移、と……。

 

 

 

「アークちゃーん!」

 

「おっと」

 

聖堂騎士団の管理する薬草園の外観が見えるや否や、俺の胸に思い切り飛び込んできた……。

 

シルバーの髪を毛先だけグリーンに染色した愉快な髪色の、ふわふわとした雰囲気の美女。

 

袖の長い白衣とローブが融合したかのような謎の上着に、ベストのようなコルセット、タイトな革ズボンを穿いて、ブーツを履いて。

 

そして、現代日本人の平均的な体格ながらも、豊満な乳を持つ。

 

錬金術師のエイラである。

 

「アークちゃーんー、大好きぃー!」

 

思いっきりキスされた。なんか俺はこの女に好かれているらしい。

 

俺の愛人を勝手に公言する異常者だ。

 

が、まあ、元クラスメイトの諸君は、転移前からこんな感じのよく分からん変な女だと分かっていたので、全員スルーしている。

 

「あああーっ!!!テメー!このバカ女ァー!!!僕のアークに何してくれてんだぁーーーっ!!!」

 

「えー?カマラちゃんのじゃー、ないでしょー?アークちゃんー、いやがってー、ないしー」

 

「うるせぇ!この年頃の男が顔のいい女にキスされて拒否る訳ねーだろ!!!誘惑すんなクソビッチ!!!」

 

「は、はぁー?!それは酷いよー!まだ膜はー、とっといてー、あるんだよー?!大体にしてなんか告白したみたいだけどー、アークちゃんは別にオーケーしてないからねー?!!!」

 

「ア、アークは優しいから僕の全部を受け入れてくれるんだよ!明確にオーケーされてなくっても、なんかそういう雰囲気だったから僕がアークの嫁なんだー!!!……まあ、アークのことだから女癖はアレだろうけど。とにかく、正妻は僕だぞ!!!僕の許可なく旦那にくっつくな!!!」

 

「えー?なんかそういう雰囲気って何ですかー?カマラちゃんのー、思い違いじゃないのー?大体にしてー、それを言うならー、私もアークちゃんといい雰囲気だしー!」

 

「何だお前ぇ!」

 

「お前がなんだよー!」

 

「「ギャフベロハギャベバブジョハバ!!!」」

 

うわーい、キャットファイトだー。

 

「お、おい、良いのかよあれ?」

 

青ざめたリープがそう言ってくるが……。

 

「何で?面白いじゃん?」

 

と俺は返した。

 

いや実際、男の取り合いでキャットファイトやる女の子とか、面白いし可愛いだろ。

 

見てる分には最高の娯楽だぞ。

 

「ははは……、やっぱお前、イカれてるわ……」

 

失礼な。

 

 

 

「んー、じゃあ、注文はー、奴隷さん達の装備とー、大型の馬車だねー?」

 

カマラとのキャットファイトでボロボロになったエイラは、にへらと気の抜けた笑みを浮かべて俺にそう言った。

 

「そうだな。馬はいつものクソデカ変異馬をこちらで用意するから、馬車の重さは重くて良い」

 

俺はそう言って、スケッチブックに書いた概略図を渡しつける。

 

一応、三面図にしておいた。

 

それと、機能の要望を書いた書類も添えて。

 

「んー、良いねー!仕様書をー、用意してくれるってー、サイコー!」

 

「あー、この世界ではまだ、仕様書とか業務能力の宣言とかしないもんなあ」

 

「そーーーなんだよーーー!!!貴族のあほの人達とかー!あの人達、全然話通じないのー!助けてアークちゃんー!」

 

そう言って、よよよと泣き崩れる振りをするエイラ。

 

「まあヤバけりゃいつでも逃げてこい。お前一人分の食い扶持くらいならどうにかしてやるよ」

 

「……あはー。そういうのー、そういうとこー、大好きー!」

 

おっ、またキスされた。

 

役得ぅ。

 

「テメーーーッ!!!ぶち殺すぞおおお!!!」

 

カマラがキレた。

 

おもしれー女共である。

 




いきなり全く関係ない話をして申し訳ないんですが、なんかこう、アーマードコア5みたいな話を書きたいですね。

恒例のポストアポカリプス世界で、パーツが共有規格のロボットに乗って、荒廃した世界を放浪するみたいな話。

出会った敵ロボットを倒して、レアなパーツを剥ぎ取って自機に装着。

移動用のヘリやらトレーラーやらの運転手のおねーさんがヒロインでさ。

少数の仲間達と旅をするみたいな……。

何だろう、この憧れはどこから来るのか。ガキの頃に見た西部劇で、おっさん達がファミリーと、夜中に焚き火を囲んで仲良くしているシーンか。それとも、映画版バイオハザードの、豆缶がクソまずいと悪態をつくきったねえおっさん達か。

ウヴウ……、ポストアポカリプス成分……。ポストアポカリプス成分が足りない……。

最近、ポストアポカリプスダンジョンの続きを書くことによって、ポストアポカリプス欲を少し満たせましたが、まだアリねぇよなあ?

やっぱなあ、ポストアポカリプスはなあ。

ポストアポカリプスロボなあ……。


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