ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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あついー、あつくて干からびそうー。

動いてないのにあついよー。


15話 最大にして最強の騎士

「では、サー・アーク!貴公を、『神の子とアゼル王神殿の清き戦友達』の自由騎士に任命する!」

 

「ははーっ!」

 

 

 

任命式が終わって、旅立ちの時。

 

昨日、クラスメイトとの挨拶は済ませた。

 

皆、思い思いの道へと進み始めた……。

 

見送りはいない。

 

俺と、カマラの二人で。

 

盗賊騎士から奪った馬(変異済)に跨り、出発を……。

 

「待て」

 

いや、呼び止められた。

 

この声は……。

 

「総長殿」

 

『神の子とアゼル王神殿の清き戦友達』、通称『聖堂騎士団』……。

 

この周辺国家では、最強の武力と権力を持つ修道騎士団。

 

その、総長。

 

フローレンス・ゴッドランド・サラマンドラ殿だ。

 

男尊女卑の風潮が激しいこの世界で、王族とは言え、女が騎士団長になることは、並大抵の努力で成せることではない。

 

卓越した指揮能力と、深き信仰、政治経済に明るく、そして何よりも最強の力を持っている。

 

だから、女の身で総長をやれている……。

 

そんな総長殿が、白銀の鎧に、赤い羽飾りの兜を付けて……。

 

伝説の魔剣、古代魔法文明時代の遺産の最たるもの、アーティファクトたる『ストームルーラー』を掲げて、俺の前に立った。

 

豪、と。

 

ストームルーラーが破壊の嵐を撒き散らす。

 

最上位加護『破砕騎士』の力たる、破壊の属性が乗った魔力の燐光が迸る。

 

「何故?」

 

俺は問うた。

 

分からないからだ。

 

総長殿とは、俺の思い違いでなければ、かなり仲が良かったはず。

 

プライベートでも飲食を共にしたりと、絆があったはずだ。

 

何故、戦わなければいけないんだ?

 

「報告があった。失格勇者のスズキなる者が、貴公がモンスターである、と」

 

うわあ……、あいつ、まだ懲りてなかったのか。頭おかしいだろ……。

 

「……が、それは、よい。貴公が仮にモンスターであっても、私の全権力を使って立場を認めさせるからな」

 

「えっあっはい」

 

そ、そうですか……、ありがとうございます……?

 

じゃあ……。

 

「では何故、こんなことを?」

 

「貴公の全力が見たい」

 

ふむ。

 

「貴公の力はよく分かっている。他の勇者とは正直、別格だった。美しい巨体、剛健な筋肉、深き知性に、そして練り上げられた武技……」

 

風が、吹いた。

 

空気の味が変わる。

 

剣呑な雰囲気。

 

闘争の雰囲気。

 

チリチリと、目が焼けるような。

 

殺し合いの、気配。

 

「正直言って惚れ込んだよ。私は、私よりも強く美しい存在に、生まれて初めて会ったのだからな」

 

んぇあ。

 

何これ、告白?

 

「アーク……、貴公は美しい。その美貌、その肉体美を初めて見た私は……、その晩に、戒律で禁じられているにも関わらず、浅ましくも手淫をしてしまったほどだ。貴公の美しさは、この私をも狂わせる……」

 

えぇ……。

 

何これ?

 

何なの?

 

怖いんだけど????

 

総長殿ってまともな人じゃなかったっけ?

 

俺は思わず、助けを求めるようにカマラの方を見る。

 

「………………」

 

カマラは、俺の馬を連れて、遠くに避難していた。

 

クソっ、あの女……!

 

「ああ、ああ……。だが貴公、貴公はいつまで経っても、本気の力を見せてはくれなかった」

 

……む。

 

「あるのだろう、力が。貴公にはあるのだろう?!さあ、見せてくれ!貴公の美しき力を……!!!」

 

ま、まあ、散々一緒に訓練した友人が、隠し事をしたままどっか行くから、なんかモヤモヤしてる……みたいな感じか。

 

それなら理解できる。

 

それに……。

 

総長殿にだったら、見せても良いだろう。

 

「良いだろう、総長殿。だがしかし、俺の力は……醜いぞ?」

 

変異……!

 

白く染まった髪が、長く伸びて広がる。

 

肌は月夜のように薄暗く染まり、額からは赤く燃える双角が天を衝く。

 

甲殻が、あたかも鎧のように広がり、蛇腹構造の赤き大鎧と化す。

 

鋭い爪と牙、全身から、生体電流が極限まで増幅されたことによるプラズマの燐光が迸る。

 

破壊の神たる鬼の武者……。

 

それが、俺の変異後の姿だった。

 

『オオオオオオオッ!!!!!!!』

 

吼える。

 

そして、胸に手を突っ込み、肋骨を一本取り出す。

 

その肋骨は、急速な細胞分裂により巨大化し、巨大な牙の槍のようになる。

 

「は、はは……!はははははははは!美しい!美しいぞ、私が愛するアークよ!!!異教徒共が讃える……『破壊神』そのものではないか!!!!」

 

『宝蔵院流槍術、アーク!いざ参る!』

 

「聖堂騎士団総長!フローレンス!いざ参る!」

 




サイバーパンク、設定作るの大変だ。

サイバーパンクらしい世界観を演出する為に、それっぽい用語を作らなくては。

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