ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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暑いなあ。


7話 醜い足の引っ張り合いだ

テンプル騎士団……ってか、そもそも修道騎士がヤバい。

 

あいつら、戒律で自死も降伏もできないから、死ぬまで戦う。戦死したら天国行きだからね。

 

その上で訓練も積んでる。実戦経験も豊富。捕虜とか取ってくれない異教徒相手にガチ殺し合いをしてきた訳だから、戦闘能力は折り紙付き。

 

で、しかも、金も土地もたらふく持ってる。ある程度の独立権までもがある。聖地巡礼の巡礼者の保護を謳っている組織で、巡礼者が現金を持ち歩かなくて良いように預金通帳みたいな制度を作った。そもそも中世期に何やろうとしてもチャチャ入れてくる教会様が味方ってだけで破格なんだよなぁ。

 

だから、もしかして、もしかすると、この女……、ヤバいんじゃ?

 

吉祥寺が横に来て、俺に耳打ちする。

 

「おい、ゴリラ、お前理解できてるか?できてる前提で言うぞ。……『この世界は十二世紀くらいだ』」

 

ホゲェ!

 

せめて近世にしてくれよぉ!まあ大体予想できていたけどぉ!!!

 

そうなるとテンプル騎士ができたばかりの、聖地を保有していて一番イケイケだった時期じゃんかよぉ!!!

 

「昨日、この僕が全コミュ力を総動員して、あの優しそうなメイドに聞いた。この世界は基本的に封建制で、レーエン制が法的な位置付けをされつつある……言うなればシュタウフェン朝のような形式に移り変わりつつある世界のようだ」

 

つまり……。

 

「知行制、要するに支配者としての権利が法律で決められ始めた……みたいなことか」

 

「そうだ!意外と頭が回るゴリラだなお前は!褒めてやる!……つまりは、爵位とかがキッチリ決まり始めて、爵位によってできることも決まり始めてる訳だ。で、そんな中、このテンプル騎士擬きは……」

 

「「世界最大の権力者、『教会』公認の武装組織!」」

 

そう、そうなのだ。

 

王権神授説、と言う言葉がある。

 

読んで字の如く、王権は神から授けられたものだ、と。

 

地上にいる王様は、神様から行政権を委託されている子分に過ぎねーんだぞ、弁えろや!ということだ。

 

つまりこの世界で、事実上一番権力を持つのは、『教会』と言うことになる……。

 

その教会が公認する、最大の武装組織。

 

それが、修道騎士団だ。

 

つまり、この、俺の目の前にいる大女は。

 

世界で最も権利と武力を持つ、ヤバい組織のボスだってことだ!

 

 

 

「……よろしいだろうか」

 

「はい」

 

そんな修道騎士団に、俺は何を言われるんだ……?

 

俺はちょっとビビった。

 

負けるつもりはないが、やはり権力ってのは色々と厄介だからな。

 

目をつけられたらヤバい。

 

「貴公のその武術の腕……、よく練り上げられている。至高の領域に近い。貴公も修道騎士にならないか?」

 

つまり、修道騎士って鬼みたいなもん……ってコト?!

 

……それは失礼か。

 

え?だけど何これ?勧誘?

 

「全く、我が父君は短絡的で困る。例え加護なしでも、使える人材ではないか。……そちらで伸びている男は知らんが」

 

と、鈴木に無機質な目を一瞬向けて、すぐにこちらに向き直る総長殿。

 

父君、サラマンドラ、火の国の王の苗字……。まさかなあ。いや、そうなんだろうけど。

 

「我が騎士団は、加護の有無ではなく、本人の才こそを重視している。どうだ?貴公は騎士として、そちらの女史は会計として、我が騎士団に雇い入れようではないか」

 

俺と吉祥寺に目を向ける総長殿。

 

「い、いやあ、我々は卑賤な身なので」

 

「何を言っている?貴公はどう見ても騎士の家系の者だろう?その身体つき、武技、礼法……、更に乗馬もできるな?」

 

うげ、流石は武人。

 

俺が特に隠していないのもあるが、身体つきと動かし方を見れば、武術が使えるのくらい一目で分かる、か。

 

「それに、貴公らとよく会話したというメイドに訊ねたが、やはり平民のそれではないと。食事の作法が他の勇者とは大違いだったそうだな」

 

ウゲーッ!育ちの良さが仇となったァー!

 

「それと、そちらの女史が、自らを貴族の子だと言っていたぞ」

 

俺は吉祥寺をガン見する。

 

「あ、その、一応うちは伯爵位の旧華族だし、お前んちは武術をやる寺だから修道騎士みたいなもんだって言っちまった……」

 

「あのさあ」

 

「しょ、しょーがねーだろ?!その方がうまく話せたんだし、結果オーライだろうがよ!」

 

こ、この女……!

 

「あ、あー、総長殿!俺は貴殿の騎士団がどういうものか詳しく知らないが、貴殿ほどの素晴らしいお方が所属しているとなると、さぞ素晴らしいのだろうなと予想できる!しかし俺は俗人で、金勘定ばかりで女人にも弱い!騎士団に相応しくないだろう!」

 

「そんなことはない。相応の仕事をすれば、神に背かない限り、私はある程度お目溢しをしよう」

 

ニヤリと笑う総長殿。

 

おぉあぁ……、一番やりづらいタイプの上司!

 

公明正大ながらも融通が利いて、それでいてやり過ぎるとぷちっと潰してくる有能上司とか、やりにくいったらないぞ?!

 

「それに、金勘定に強いのは助かるな。金は卑賤なものではあるが、なければ我々が保護している巡礼者達を守れんからな」

 

ギエエエェ!!!

 

やっぱりテンプル騎士団じゃねーかこいつら!!!

 

「こっ、こいつ!こいつの方が有能ですよ!この女は数学や哲学に深い知見があり、文化人としての教養があります!」

 

俺は吉祥寺を生贄に捧げた。

 

「なっ?!こいつ!……こいつの方が有能なんです!文化芸術に関心があり、楽器や絵画の技能を持ち、更に馬上で弓を操る技能もある戦士です!」

 

こ、こいつ?!即座に切り返してきやがった!!!生贄返しだ!!!

 

ま、負けてられん!

 

「いやいや!戦士一人にできることは限りがありますよぉ〜!ですが彼女は違いますよ?!この若さで、しかも女の身なのに、証券の取引で財を成した(株取引)経験がある女傑でして!他にも文学小説(なろう小説)も書いており、天文学と薬学、錬金術(理科)にも精通しているとか!!!」

 

「そ、そんなことありません!僕はこの歳で結婚もできない落ちこぼれです!騎士団の恥になりますよ?!でも彼は違うんです!実家の神殿(寺院)の経営を、美麗な絵画を描いた護符(萌朱印)を売ることで立て直した英俊で!その上、この若さで無双の槍使いで、馬術や弓、徒手空拳も扱い、更にそれを神殿の子供達に教える教官でもあるのです(日曜の武道教室師範代)!」

 

こうして俺達は、総長殿の目の前で、お互いに功績を押し付けあった。

 

すると……。

 

「なるほど、よく分かった」

 

「「分かってくれましたか?!!」」

 

「二人共、是非、我が騎士団に入団してくれたまえ」

 

「「エエーッ!!!」」

 




いやー、はい。

サイバーパンク2077やり過ぎて、サイバーパンクものを書かないと収まらないぞこれは。

でも、カラフルモヒカンの性格悪そうな女はやだなあ……。

そんな訳で、女子高生だ。

サイバーパンク×学園もので行こう。

何かね、ブルアカっていうソシャゲが気になってるよ僕は。やるつもりはないけど。

美少女いっぱいいる学園都市で、セクハラ教師をやるおじさん主人公の話で行こう!!!

まず、おじさん主人公。

全身の95%を改造した軍用サイボーグおじさんだ!

戦時中に、阿頼耶識みたいな成功率極低手術を受けまくり、その全てを生き抜いてきた無敵の最強サイボーグだ!なお、主人公が受けたサイボーグ手術は、極めて非人道的で成功率が低く現在は規制されており、主人公レベルのサイボーグは現在の新しい技術でも再現不可能。

そんな、下手すりゃ国とも戦える最強のサイボーグは、最近のそれなりに平和(当社比)な社会では邪魔なんだ!

軍部さん「主人公君、休暇とかどう?」

主人公「女子高生にセクハラしてぇなぁ俺もなぁ」

軍部さん「あっ、そっかぁ。じゃあ国家権力で日本の女子校に教師として押し込むね。別にその辺のガキなら手篭めにしても良いからね(末法社会あるあるの闇)」

まあ実際、最終兵器サイボーグおじさん主人公が、女子高生にセクハラする生活を送るだけで大人しくしてるんなら、国家としてはただの女子高生がセクハラレイプされるのとか誤差扱いするわなあ……。サイバーパンク世界だからね、治安も道徳も終わってるぞ!

もちろん、主人公は、数十年前の世界大戦の英雄として世界中の人が知っているが、戦う時はライダー的な姿に変身するので顔は知られてないぞ!(ご都合主義設定)

世界大戦で戦ったのは、どっかの国のAIが暴走して中国辺りを乗っ取り、アンドロイド軍団を各地に送り込んで人類抹殺を目論んだ、とかそんな設定。

狂ったAIの、スカイネット的なアレ。

多分後々、スカイネット的なアレの断片データとか、スカイネット側が用意した最強アンドロイド(シャドームーン的ポジション)とかが復活したりするんやろなあ……。

ほら僕基本的に、ソシャゲって舞台は好きでも主人公が大嫌いなんですよね。

グラブルのグラン君とか、FGOのマスターならまあ、設定上まだ分からんこともないのですが……。

何かこう、「周りのキャラクターに指揮してるんで」みたいなことを言って特に何もしてない無力無能凡夫だと、やる気失くすんですよねえ。

お前が身体張って可愛い女の子キャラクターを守る気概で行けや!!!ってなっちゃう。

で、舞台は学園都市としよう。

なんか知らんけど女子多めの区画で、そこの女子校を舞台に。

女の子達ももちろんサイボーグ!

……まあ、軍用のパーツとかはそんなに市場に流れないし、一般人はサイボーグ化できる割合も制限されてるから、どう逆立ちしても軍用のワンオフサイボーグである主人公に戦闘能力では敵わないんだけどね。

女の子だからサイボーグ化インプラントも可愛いのが基本。

みんな、獣耳とか尻尾とかつけたり。たまにカッコつけて角とかつける子も。

違法インプラントで強化したサイボーグ女の子不良を、高級インプラントで強化した生徒会とか風紀委員会とかの子がボコボコにするんだ。

銃で撃たれても、この学園都市で手に入るレベルの小口径弾だと、サイボーグの電脳の脳核を破壊できないから、最悪死ぬことはないぞ!(学校で銃撃戦をする理由づけ)

……まあ多分、後々に、学園都市では手に入らない違法輸入強装弾(当たれば即死)とかも出てくるんだろうけどな!

そんな感じで、女の子達にセクハラしつつもイチャイチャして、時折戦ったり、正体がバレたりしながらも穏やかな(穏やかとは言ってない)休暇を楽しむんだ。

みたいな。

———思ったけど、これ、ファブル的な———話やないか———?

ファブルも最近アプリで読んでます。

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