ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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あちゅいいぃ〜……。

雨なのにあちい……。


47話 ダンジョン攻略開始

さあ、早速、次だ。

 

ダンジョン攻略を再開しよう。

 

一階層では、武装したかわいい小人さん(ゴブリン)と、子犬(ウルフ)、お化け(ゴースト)、きのこマン(マタンゴ)などが主に出現。

 

ボスは赤い小人さん(レッドキャップ)だった。

 

どれも、ちょっとハンマーで撫でただけで消し飛ぶので、何一つ面白いことはなかったな。

 

そんなこんなで二階層を攻めていくぞ。

 

「二階層からは、モンスターの強さは別格にゃん!気をつけるにゃんよ!」

 

囮四号(ランファ)がそう言って、えいえいむん!と気合を入れている。

 

お前、一階層では何もやらずに後ろからついて来るだけだったろ。

 

何を気合い入れてるんだ?

 

意味わからんぞ。

 

……まあ良いや。

 

とにかく、二階層だ。

 

俺は、「また壁を破りながら進めば良いだろう」という考えでハンマーを担ぐのだが……。

 

二階層は、少々広かった。

 

「……何だこれは?」

 

「む、知らんのか?」

 

囮五号(ナンシェ)が声を上げる。

 

「ダンジョンというのは異空間なのだ。閉所の迷路であることは共通だが、このように広い階層であることも多い」

 

なるほどな。

 

とりあえず壁を殴るが、抉れるだけで向こう側は見えなかった。

 

つまり、壁一枚に仕切られた迷路ではなく、洞窟型の迷路になっている訳だ。

 

壁と壁との距離が長い故、壁破りはもう使えないと見て良いだろう。

 

まあその気になれば、大出力のルーン術で無理矢理突破もできそうなのだが、崩落とかしたら面倒そうだしやめておくか。

 

ならば、ハンマーはしまって、と。

 

打刀と十文字槍を出す。

 

これは、対人戦におけるテンプレビルドの一つ……。

 

「『お面キラー』だ」

 

《打刀》

《遥か東方、『稲穂の国』にて広く普及する刀と呼ばれるショートソードの、最も一般的なもの。

鋭く、斬ることを主眼に置かれたこの剣は、扱う為に高い技量を要求する。》

 

《十文字槍》

《遥か東方、『稲穂の国』にて扱われる奇形の長槍。

十文字の刃形をしており、攻撃範囲が広く長いため、回避が困難である。》

 

お面キラーとは、その名の通り、テンプレビルドの一つである『仮面大剣』というビルドのメタビルドである。

 

仮面大剣とは、そこそこにリーチが長く火力が高い大剣と、装備するとスタミナが大きく増える《征服者の仮面》をつけて、スタミナに物を言わせて殴り殺すというビルドだ。

 

スタミナが高いと、重量級の装備で重武装も可能。鎧で重武装し、盾を持たず、大剣を両手持ちしての制圧前進が仮面大剣のメインテーマ。

 

そしてそれの対抗ビルドが、このお面キラーだった。

 

言ってしまえば、軽装で、高機動な装備に、槍と刀を装備した形になるのだが……。

 

これの強い点は、「確実性」だ。

 

仮面大剣は確かに強い。

 

だが、攻撃にも防御にも粗がある、初心者向けのビルドなのだ。

 

だから、槍による、長い間合いでの攻撃で着実にダメージを与え……。

 

近寄ってこれば、大ダメージによって怯ませ効果のある、刀の「居合攻撃」の武技で怯ませて、間合いを調節する。

 

そうして、防御力そのものは高いが、防御の行為に粗がある仮面大剣を、間合いの外からチクチク攻撃して殺すというのが、このお面キラーだ。

 

つまり、お面キラーとは、ここのダンジョンのモンスターのようなプレイヤースキルが低いやつを一方的に嬲り殺すためのビルドという訳だ。

 

「二階層は一階層とは格が違うぞ。敵の強さは10レベル分は上だ」

 

はあ、そうですか。

 

「お、早速来たぞ!ストーンゴーレムだ!」

 

『ゴオオオオッ!』

 

石の塊だな。

 

「気をつけてください!ストーンゴーレムに刃物は効きません!」

 

「なにっ」

 

俺は思わず、驚きの声を上げる!

 

「完全無効耐性だと?!」

 

「え?いや、常識的に考えて石は斬れないじゃないですか」

 

……はあ?

 

「武技発動、『貫通突き』」

 

『ア"』

 

白いオーラが風のように十文字槍に巻きつき、ドリルのように回転する。

 

その回転を活かして突きを放つ……。

 

相手の防御を無効化する刺突の武技、『貫通突き』だ。

 

それを食らった石人形は、あっさりと胸を貫かれ、崩れた。

 

「……効くじゃねえか」

 

本当に勘弁してほしい。

 

ムーザランではないのに、「騙して悪いが」をしてくるのは反則だろう?

 

異世界はルール無用だと言われればそれまでだが……。

 

無論、ムーザランみたいに、ふざけたコソ泥野郎が間違った情報を露骨に渡してくるならまだ良い。

 

あのコソ泥野郎はシリーズ皆勤賞の面白モブ、騙されるのは礼儀みたいなところがあるからな。

 

「偽りの依頼、失礼いたしました」とかそういう感じのアレも、明らかに騙すオーラをがっつり匂わせてきてるから良いのだ。

 

問題なのはこういう、「善意の忠告ですよ」みたいなツラをして虚偽というケースだ。

 

言っている本人も真実だと思い込んでいるから、疑いをかけても意味がないと言うのが最悪だな。

 

まあ、実際はより弱かった、と言う話なのだからまだマシか。

 

ムーザランでは、聞いていたより強い方が多い。

 

と言うか寧ろ、聞いていたのは第一形態の話で、第二形態にトランスフォームすると戦い方が180度変わるエネミーとかザラだし……。

 

……なんでもいいか。

 

とにかく、全て雑魚だ。

 

「ま、まさか、そんな!ストーンゴーレムを槍で?!」

 

「それに、これを見るにゃ!この完璧な断面……!余計な破壊を一切せずに、急所のみを正確に貫く!凄まじい功夫にゃ!!!」

 

騒ぐ囮共を放置して、俺はずんずん先に進む。

 

「あっそこ罠!」

 

罠を踏んでも。

 

無言で飛んでくる矢をはたき落とし、落とし穴を飛び越え、ギロチンを弾いた。

 

「「「「……化け物かな?」」」」

 

ムーザランではこれが常識なんだよなあ。

 




バイオ6やるっかー。

なんか安く買えるおすすめのゲームとかありません?

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