ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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あーもうマジで生きるのだるいわ。

生活するためにおちんぎんを稼がなきゃならないのはよく分かるのだが、これだけ人間がいれば、一人当たりの労働力はもっと減らせるのではないだろうか……?



34話 英雄

「……弱くね?」

 

赤い肉塊となったウォーバッハ、否、ウォーバッハだったものを見下ろしながら、俺はそう呟いた。

 

何か、散々演出しておいてこんなもんなの?と。

 

そう思った訳だ。

 

第二形態も第三形態もなく、ただ一方的に殴っただけで死んだとか……、何これ?笑えば良いの?

 

その割には、ホーンは100000ほど入って来ており、うま味があるエネミーだったと言える。

 

切り札らしい切り札は一枚も切っていないのにどうにかできてしまうなんて、こんなのムーザランでは考えられないな。

 

にしても、一周目基準のこの世界でこのホーン……、本当にうま味だ。

 

今後も、八魔将?とやらは、見つけ次第狩っていこう。

 

なあに、魔王軍だかなんだか知らんがエネミーの組織なんだ、殺しても許されるだろう。

 

更に、チリも積もればで、周囲の雑魚を掃討した分で、もう百万近いホーンが溜まっている。

 

これだけあれば……。

 

「ララシャ様」

 

「うむ」

 

ララシャ様にホーンを捧げると……。

 

「っぷはあ。よくやった、褒めてつかわす」

 

ララシャ様は、身長が80cmほどにまで大きくなられた!

 

あーかわいい!

 

かわいい!!!

 

俺がララシャ様に感謝の祈りを捧げていると……。

 

「「「「「「うおおおおおおっ!!!!」」」」」」

 

街の方から歓声が届いた……。

 

 

 

「英雄様のお帰りだ!」

 

「英雄様、万歳!」

 

「英雄様ー!」

 

はてさて、これはどういうことだろうか?

 

ムーザランでは、世界を救ったとしてもここまで褒められないのだが……。

 

いやむしろ罵られて……、ああ、いや、それも違うな。何やっても罵られるのがムーザランだ。

 

あちらを立てればこちらが立たずの繰り返し、何かをやればその何かを止めようとする人々に罵倒され刃を向けられるのがムーザランの習いである。

 

少なくとも俺は、こんなにも手放しに賞賛を受けたことは初めてだった。

 

地球人だった頃の記憶にも恐らくなかったとは思う。

 

まあ別に困ることは無さそうなのでスルーするか。

 

そんなことより、次の依頼を受けなきゃな。

 

百万ホーンでここまで大きくなられたのだから、この調子で頑張ればいずれは……。

 

その為にも依頼だ。

 

俺は、人々に囲まれながら冒険者ギルドへと向かう。

 

「エド!凄かったですねっ!」

 

ボロボロの……、いやこいつはいつも薄汚れたボロボロの極貧女だが、いつもより更にボロボロで草臥れている様子のシーリスが、目だけやたらとキラキラに輝かせて俺の前に来た。

 

「エド!」

 

「エドワードさん!」

 

アニスとクララもだ。

 

二人も、ボロボロに草臥れた姿で現れた。

 

「……どうした?薄汚いぞ」

 

「そりゃそうでしょう?!戦ってたんですからね?!むしろ、あれだけやって怪我一つしていない貴方がおかしいんですよ!!!」

 

はあ、そうですか。

 

俺は、道ゆく人がなんか感謝の言葉をかけて来るので、それを無視しながら冒険者ギルドに向かう。

 

そして到着、扉を開く。

 

「よ、よくやってくれた!お、お前は英雄だよ!最初に一目見た時からやってくれると……」

 

ギルド長、だったか?

 

名前は覚えていないが、オールバックの大男だ。

 

これも無視して……。

 

おや?

 

「おい、聞いて良いか?」

 

「は?え、な、なんだ?」

 

「依頼掲示板に何も貼ってないんだが」

 

「………………は?」

 

は?じゃないが。

 

「依頼を見たいのに、依頼掲示板に依頼がない。ギルドの規則では、日が昇ると同時に依頼を貼り出すんじゃなかったか?」

 

周囲が一瞬で静まり返る。

 

んー?

 

何だ?

 

俺は何かおかしなことを言ったか?

 

「お、お前、何を、言ってるんだ?」

 

「だから、依頼だ。依頼を見たい」

 

「さ、流石は、『満月の狂人』と言うことか……。あのな、街を上げて魔王軍と戦って、それで依頼がどうこうみたいな余力がこの街に残っていると思うか?」

 

はぁん?

 

なるほどね、そういうゲームシステムなのか。

 

ムーザランでも勢力図システムみたいなものはあったからな。理解可能だ。

 

……しかし、普段から依頼だのなんだのとゲーム的な処理をしている癖に、都合の悪い時だけ「街の余力が〜」とか言うんだな。

 

よく分からん。

 

この街の冒険者は、俺を狂人と呼ぶが、俺からすればこの世界の方が余程狂っているように見えるのだが……、これは狂人の智慧というものだろうか?

 

「まあ、依頼がないならそれでいい。では、次はいつ、依頼が貼り出される?」

 

俺は、ギルド長に訊ねる。

 

「お前、あれほど戦った後なのに、疲れてないのか?」

 

「『聾の者』に疲れるとかないし……」

 

そういうゲームシステムじゃないからなあ。

 

スタミナという尺度はあるが、数秒の時間経過ですぐに回復するし。

 

「お、おう。あーっと……、そうだな。ここまでやられりゃあ、正常に復旧するまで半年はかかるんじゃあねぇか?」

 

は?

 

それこそ、は?となる問題だろうが。

 

「半年も待たされるのか?」

 

「そうだなあ、依頼という形式ではなく、ランクごとに仕事を強制的に割り振る形になるだろうなあ」

 

強制依頼、だと?

 

「そうなると、俺は何をやらされるんだ?」

 

「それなんだが……、うーむ……。お前には早急にランクを上げてもらうことになるだろうな。強制的に奉仕依頼を受けてもらい、そこから、今回の件でランクアップだ」

 

ふむふむ。

 

面倒だな、この街を出よう。

 

「冒険者は、好きな時に街を出て良いんだよな?」

 

「そうだが……、お、お前!まさか!」

 

「俺は今すぐこの街を出る。何か手続きは必要か?」

 




マジでもうね、人間くん働き過ぎだよ。

もっと休みなさい。



まあ、俺はかなり休んでるんですけどね。

そんなことは良いんですよ、それよりも、自作の続きを生やさなきゃ。

とりあえず、満月の狂人は次回くらいで第一章完です。

ですが、なんか結構感想をもらってるので、続きを書いてもいます。

第二章は別の街に行って、その街にあるダンジョンを攻略するお話になっております。

その際、永続加入ではないとは思いますが、更に三人のパーティメンバーが増えますね。

因みに、ジジイ一人と女二人です。



んー、どうしよっかな。

最近また、ニコニコでTRPG動画を見始まったので、TRPG転生ものの続きを書きたい……。

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