ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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HALOたのちい。


45話 散々

「それは……、しかし……!」

 

山下という男は、俺の説明を聞いて眉間に皺を寄せた。

 

理屈は分かるはずだ。

 

しかしそれでも、彼らは彼らで自分達のやり方の方が上だと思っているのだろう。

 

「しかし!事実として、女子高生にそんな重荷を背負わせる訳にはいかないでしょう?!戦うことも、リーダーも我々がやれば良い!民間人は民間人らしく、守られれば良いではありませんか?!」

 

山下が叫ぶ。

 

言いたい事は分かる。

 

でも、そうじゃない。

 

「それはあなたの理屈だ。彼女達の認識では、自衛隊も、警察官も、大人も……、『肝心な時にいない癖に偉そうな奴ら』でしかない。守られれば、とはいうが、事実守ってもらえなかった訳ですからね」

 

「ですからそれは」

 

「そして、半年の間、彼女達はお互いに支え合って立ってきた……。今更、あなた方が入り込む隙はないのですよ」

 

と、俺は話を無理矢理に切った。

 

問答はもう無用でしょう、と言い切って。

 

そして、一言。

 

「どうしますか?我々の身内を返さずに、我々と敵対しますか?それとも、身内を返してあなた方だけで生きていきますか?そうでなければ、下についてもらう他ありませんが……」

 

 

 

結局、自衛隊らは個人個人で行動を別にしたようだ。

 

「もう……、良いんじゃないだろうか?国からの連絡が途絶えて最早半年……。もう日本は、滅んでいるんじゃないかと、私は思う、んだが……?だ、だからもう、私に付き合う必要もないはずだ。各員が、各自の判断で行動して、家族の元に戻ってあげなさい。それが私の最後の命令だ……」

 

今村さんの言葉により、自衛隊員の半数が離脱。

 

女子高生の身内達はこちらに吸収。

 

それ以外にも、希望者は全員、女子校の民として引き取ることとなった。

 

自衛隊からは、三十人ほどがこちらに来てくれることに。全員、女子高生の身内や親戚だ。

 

女子高生とは違い、戦闘のプロな訳だから心強い。

 

一方で、百人程度の自衛隊は、未だに駐屯地に残ることを選択したようだった。

 

皮肉な話だが、自衛隊が抱えている避難民の半分以上をうちが引き受けたお陰で、自衛隊にも余裕ができたらしい。

 

詳しくは話していないが、少なくとも、自衛隊員の誰かにも武器弾薬を補充するようなスキルがあるはずだからな。そうじゃなきゃ、このご時世で銃器を使えている説明がつかない。

 

……その辺りはもう良いだろう、終わった話だ。

 

とりあえず、俺達は、自衛隊員と身内の計百人程度を伴って学校へと帰還した。

 

学校には丁度、祥子ママが集めたらしい女子高生の身内が、また別に百人程度集まっているようだった。

 

集まった人々は、体育館に集められ、理絵の演説を聞く……。

 

最初、理絵は、優しげな薄い微笑みのまま、何も言わずに一分程度壇上に立っていた。

 

もちろん、人々は騒ついていたのだが、一分も黙っている理絵を見て徐々に黙り始める。

 

その後に、理絵は話し始めたのだ。

 

これは演説の手法……、政治家のやり方だな。

 

「……こんにちは、生徒会長の捨矢理絵です。ここにいる皆さんは、私達、杉之浦女子高校の生徒の身内や、その知り合いの方だと思います……」

 

控えめに頷く二百人。

 

「国からの連絡も、救助もないまま、既に半年が過ぎました。今後も、恐らくは、待っていても誰も助けてくれないでしょうし、事態が好転する事はないでしょう」

 

それにも同意の意を込めて、皆が頷いた。

 

「ですから、私達は、ここに国を作ることにしました。自分達で身を守り合い、食料を生産して、子供達に勉強をさせて……。そんな場所を私達は作るのです!皆さんには、その為に力を貸してほしいと思います!」

 

拳を振り上げて強く言う理絵。

 

逆らいにくい雰囲気を出してきた。

 

上手いものだ。

 

「「「「おおおっ!」」」」

 

心身共に疲労し尽くしている二百人は、そこにつけ込まれるようにして理絵の演説に心を動かされてしまう。

 

そして更に……。

 

「ですが、まだ皆さんは心身共にお疲れでしょう!今日は備蓄を切り崩して、温かい食事とお風呂を用意しました!充分に休んで、明日から働いて下さい!」

 

「「「「わあああっ!!!」」」」

 

温かい食事と風呂だ。

 

今は冬、そしてこの体育館は、わざと空気を入れ替えて寒くしてあった。

 

そこで食う温かなスープは格別の味だろう。

 

単純な手だが有効だ。

 

半年の極限の生活で痩せ細った二百人の人々は、鍋いっぱいの豚汁と山ほどの握り飯に歓声を上げた……。

 

 

 

こうして、瞬く間に二百人の心を掴んだ理絵は、次の日の午前に新たな人員の振り分けを発表した。

 

520名の女子高生に加えて、260名の身内と避難民、そして自衛隊員30名。

 

それをこのように割り振る。

 

警備:230

狩猟:50

畜産:80

研究:70

技術:70

農業:100

雑務:30

料理:30

事務:70

教育・育児:30

特別護衛:50

 

基本的には、その人の能力に合ったところに割り振っただけだ。

 

例えば、会社の事務員をやっていたなら事務班に。自衛隊員をやっていたなら警備班に……。

 

普通の会社員などの、この場で役立つ能力がない人は、一律農業班に配置したようだ。

 

田畑は、放棄されたものをあらかじめ皆で整備しておいたものがあるので、それを使う。

 

トラクターなどは使えないが、『怪力』や『虫除』などのスキル持ちがいるので、この人数でも充分だという見込みだそうだ。

 

事実、光くらいのレベルの『怪力』スキル保持者なら、牛馬のように腰に鋤を巻きつけて走らせれば、グラウンドほどの面積を一時間程度で掘り返せるからな。

 

今回は、皆の住環境を整える為にかなり貯金を使ってしまった。

 

まだ三十億円はあるのだが……、これからはどんどん収入が減ると思われるので、切り詰めていかなくては。

 

ああ、そう。

 

収入が減っているんだ。

 

俺は今まで、道端の車や、家電量販店の精密機器などを『変換』し黄金に換えてきた。

 

だが、その変換効率は、どんどん落ちてきているのだ。

 

今では、例えば十万円で売れたテレビが五万円程度にしかならない、というように。

 

これはどうやら、かつての人類の文明によって作り出された物質が急速に劣化しているからだと思われる。

 

そう、気付いたんだよ。

 

何故かは分からないが、『パラダイムシフト』前に作られたもの……特に電子機器などの精密な道具が、恐ろしいほどの勢いで劣化してきていることに。

 

この前にスマホショップに行ったところ、バックヤードにあった全てのスマホが劣化して膨れ上がっていたのも目にしたからな。

 

詳しい事は未だに何も分かっていないのだが、少なくとも、電子機器は恐ろしい速さで劣化して、銃器や車は弾丸や燃料を入れても動かず、丈夫な避難用ラジオの電波すら届かなくなった。

 

つまり、今まで高く売れていたものが売れなくなってきたのだ。

 

こうなると最早、モンスター……資源獣を倒すことによって資源を集めて、それを変換する他にない。

 

幸いにも、この辺りは「スケルトン」や「彷徨う鎧」など、比較的高価に売れる部位があるモンスターが多いので、それを利用していこうと言うのが当面の話だ。

 

さあ、電子製品が完全に朽ちる前に、この街の全ての精密機器を集めなくてはな……。

 




Twitterで言ったんだけど、なろうチート主人公がサイコパス女奴隷を集めてスローライフ(当社比)する話が書きたい。

主人公は普通に異世界転生してナーロッパに行く。ここまではいつもの。

だがしかし、この世界は貴族の権力が強くて、美人の女奴隷なんて一人もいなくて、美人な女の人は貴族の強権でハーレムに持っていかれてしまうのだ!みたいな世界観。

なので主人公の周りにも、美人なんて一人もいなくて、基本的にはモブ顔女かおばさんしかいない。

冒険者ギルド?女冒険者?馬鹿言うなよ、女が戦場に出る訳ねーだろ!女は家事やってりゃ良いんだ!みたいな感じ。

そんな世界でどうしても美少女を集めてハーレムを作りたい主人公は、最高ランクの冒険者まで成り上がり、そして裏奴隷市場にたどり着く……!

その裏奴隷市場は、「見た目はバッチリだが超問題児」な奴隷が集まるところだった!

前の主人を殴り殺した美人女盗賊、主人に隙あらば毒を飲ませるマッド美女、人間を殺してその肉を食うサイコパス美少女に、関わった人間が加速度的に不幸になっていく呪われた美女!

そういう、顔が良いがそれ以外は全てドの付く厄ネタである害悪美女奴隷を買い集めて、ハーレムを楽しむのだ!

当然のように、女奴隷達は主人公を殺そうと襲いかかってくるが、主人公はチート主人公なのでそれを受け流して可愛がる。

毒を盛られても、「おっ、新しい毒?これは舌がピリピリして美味しいね」とか言うし、寝室に斧持って突撃されても指一本で斧をへし折る。

害悪女奴隷達には全員、無理矢理メイド服を着せて、無理矢理家事をやらせて、一人で悦に浸る異常者(主人公)……。

主人公「美少女ハーレムだな!ヨシ!」

一般市民「なんでいきなりサイコパス集めて悪の組織作り始めたんですかね……?」


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