ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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コロナくんほんまにマジで……。


35話 伍七

上背の高い、マッシヴな美女。

 

王子様系と言うには粗野な、暑苦しい筋肉美女。

 

伍七嗣葉。

 

イギリスからの留学生、大人っぽい、セクシーな美女。

 

サリア・エンフィールド。

 

この二人こそ、この女子校の防衛を一手に担う、防衛部門のリーダーだ。

 

つい先日、工事が終わって、兵舎ができたところだ。

 

そもそも、今までは、教室などの大部屋に布団を敷いて、集団で寝ていたそうだが……。

 

年頃の女の子に、それはかわいそうだろう。

 

そんな訳で、とりあえずは、最も負担が大きい人から私室を与えることになった。

 

俺は相変わらず、用務員室を使わせてもらっている。

 

木製の旧校舎は改装して長屋となり、仲の良い子同士でシェアルームする流れになり……。

 

リーダー格などの幹部は、個室のログハウスを与えられた。

 

そして、警備隊は、専用の石造りの建物に詰めている。

 

「あっ、環介さんだ〜♡」

 

「環介さーん♡」

 

「今日も素敵っすねー♡」

 

しっとりと、訓練で汗ばんだ肌のまま、シナを作ってくっついてくる警備隊の子達。

 

元運動部らしい、バキバキに割れた腹筋の美女達が、喜んで抱きついてくる。

 

この仕上がりっぷりは、女子高生の肉体ではないな。

 

「……一応言っておきますけど、うちってスポーツ系の部活がかなり強いんすよ」

 

俺に引っ付く警備部の女の子達を片手で引き剥がしながら、嗣葉がそう言った。

 

体育会系のビシッとした上下関係がありつつも、砕けた話し方だ。

 

「そうなのか」

 

「ええ。私のいるレスリング部は全国大会上位の常連で、空手、剣道、柔道、弓道も全国大会の常連なんす」

 

「へえ、何でそんなに強いんだ?」

 

「いや〜、なんか、この高校の創立者の意志らしいっすよ?」

 

ふむ?

 

「女性の自立心を尊ぶ?とかいう感じで、女でありつつも、男の仕事もできるように、みたいな」

 

なるほどな。

 

この高校ができたのは、遥か昔、昭和より前。

 

昭和以前と言えば、女は家で家事と子育てだけしていろ!みたいな考え方が普通だった。

 

だがそこで、女でも勉強したり訓練したりして、男と同じく自立して生活する技能を身につけるべし!というのが、この学校の創立の理由だったそうだ。

 

そんな訳で、女の子でありながらも、武道や工学などができる子が多いと言うことらしい。

 

それにしたって、ここの女の子達の肉体の仕上がりは凄いな……。

 

思わず、嗣葉の腹筋をじっと見てしまう。

 

スポーツブラと短パンのまま、ジャージを羽織るだけの軽装。

 

今は冬だと言うのにだ。

 

だが、嗣葉ほどの筋肉量があれば、東京の冬程度は平気らしい。

 

「ん……、ふふ、気になります?」

 

そう言って、俺の手を取って自分の腹筋に当ててくる嗣葉。

 

おお、ムチムチだあ。

 

「男の人って、私みたいにデカくてマッチョな女は嫌いだと思ってましたけど……、環介さんって、私らのこと結構見てるっすよね♡」

 

ああ、バレてたか。

 

まあ、女の園で性欲を制御するのは難しいと言うのもあるが……。

 

ここにいる子達は、皆体格が大きくて、大人の女っぽく見えるのがな。

 

先日の緋夏のようなガチロリでは中々勃たせる自信がない。

 

「ああ、良い女だからつい」

 

「へへっ、褒められちゃった♡でも、環介さんもかなり鍛えてますよね?」

 

そりゃあ、まあ。

 

「これくらい鍛えていないと、過酷な農作業はできないんだよ」

 

農業ってのは重労働だからな。

 

トラクターやら何やらで機械化しても、結局は肉体労働で体力勝負だし。

 

もちろん、俺が暇潰しに筋トレをしまくっていたからと言うのもあるだろうが。

 

「私、自分より軟弱な男って嫌いなんすよね。その点、環介さんはマジでタイプっす♡」

 

そう言って、抱きついてくる嗣葉。

 

「おいおい、やめろって。お前らは身体が大きいから、俺も本気になっちまう」

 

「良いんすよ、本気になって♡」

 

「マジでヤバいって……」

 

「ゴムも、なんかに使えるかなって確保しといたっす♡処女っすけど、運動し過ぎて膜はないんで……、どっすか♡」

 

困るなあ……。

 

「他の子がさ」

 

「あ、その辺はもうオッケーっす。環介さんは皆で共有するって結論が出たんで」

 

えぇ……。

 

「それで良いの?」

 

「んー……。まあ、良くはないっすよね。本音を言えば、環介さんに選ばれた『最愛の一人』ってのになりたい気持ちは当然あるっす。でも」

 

「でも?」

 

「でも、今の安定してるコミュニティを、色恋沙汰で台無しにしたくはないんで。皆が少しだけ我慢して、全員で幸せになろうって……、そう決めたんすよ」

 

と、覚悟が決まった瞳を向けてくる嗣葉。

 

ああ、そうだな。

 

女の子ってのは、こう言う時に強いんだ。

 

スケベ心もかなり大きいように見受けられるが。

 

「……あと、アタシも大概スケベだって自覚はありますけど、スケベなこと以外も考えてますからね?」

 

俺がそう考えているのを察したらしく、取り繕う言葉を吐く嗣葉。

 

だがそれはまあ、確かなことでもある。

 

この身体の火照り……、汗の匂い。

 

訓練後なのだろう。

 

しっかりと、やるべきことはやっているのだ。

 

彼女も無能ではない。

 

横目で見ると、プロテインをがばがば飲んでいる。

 

「このプロテイン、めっちゃ効きますねー!」

 

「ん、ああ、俺が飲んでるのと同じ奴なんだよ」

 

「確か、アスリートも使ってるハイクラスモデルのやつっすよね?学生には中々手が出なくて……」

 

ああ、プロテインだが。

 

俺も飲みたいので、『変換』で常備しているぞ。

 

「でも、インストラクターさんが欲しいっすよねえ……」

 

「この学校のコーチとかはどうしたんだ?」

 

「んー……、大人の人は、大半はビビって逃げたっすね。でも、うちのコーチみたいな立派な人は……」

 

似合わない、暗い顔をする嗣葉。

 

そうか、つまり、まともな大人は積極的に前に出て、子供達の盾になって死んでいったんだな……。

 

「……すまん」

 

「良いっすよ、もう過ぎたことっすから。でも、インストラクターとか、それ系のコーチが欲しいのはマジっすね」

 

うーん……。

 

こんな世界で、そんな人は……。

 

……いや、いるな。

 

「市民体育館の、石岡藍門さん」

 

前に言った、真山区の市民体育館の避難民の中に、スポーツジムのインストラクターをやっていたというおっさんがいたはずだ。

 

「石岡……?えっ、石岡さんっすか?!」

 

「知っているのか?」

 

「知ってるも何も、有名な元ボディビルダーっすよ!引退してからは、スポーツジムのインストラクターになったって聞いてたんすけど……、この辺にいるんすね!」

 

「ああ、そうだな。今度会いに行ってみないか?」

 

「んー……、そうしたいのは山々っすけど、警備隊のリーダーとして、学校を離れられませんから……。誰か、人をやりましょうか」

 

「その時は俺が行くよ。前に一度会って、恩も売っておいたし、話が通じやすいだろうしな」

 

「じゃあ、護衛の子ちゃんと連れてってくださいっすね?」

 

「ああ、もちろん」

 




新作、クラス転移もの、第一章分18話くらい書けてしまった……。

久々にプロットを立てずに書いたんだけど、もうマジで筆がとぅるんとぅるん滑る。面白いくらいに滑る。

内容は、ガチ中世にクラス転移して、テンプル騎士団みたいなやべーやつらの後援を受けながら修行。

三年後くらいにクラスメイトがそれぞれ好きな道へと分かれていく……。みたいな内容へとなってしまった。

本来なら、クソみたいな不良とバトルしたりとか、クラス崩壊とか、そういう展開を考えてたんだけどね……。

主人公が、クラスカーストのカースト外ながらも圧倒的なコミュ強で、クラス全体を元気付けるハンサムゴリラになっちゃってね……。

なっちゃったからにはもう……ネッ?(爪を剥く)

陽キャさん達はテンプル騎士団的な組織の見習い騎士になり、陰キャオタク達は手に職をつけるために職人見習いになり、不良さん達は傭兵団を結成し各地を放浪する……。主人公はヒロイン(くさそう)と共に遍歴騎士として各地を放浪しつつ、地球に帰る手段や、暮らしを楽にする何かを探します。

旅の途中で見つけた、女に振られたショックで記憶喪失の世捨て人になった男を拾い、オルランドと名付けて仲間にしたり。

巨体と怪力のあまり夫に離縁されシスターになった女を拾い、仲間にしたり。

仲間を増やしながら、遍歴騎士(冒険者)として街の人からもらった依頼をこなしつつ、金と名声を稼ぐ……。

古代魔法文明の遺跡を漁ってみたり、遍歴騎士らしくトーナメントに出てみたり……。

そしてある日、地球産の、日本の缶詰が市場に売られているのを発見する!

これを手がかりに、地球産の物品の出どころを探る為の旅が始まるのだ……!みたいな。

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