ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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書けねーーー!!!


22話 地雷

「ァッーーーーー!!!!」

 

「砂鷹さーん?」

 

エラーを吐いた砂鷹さんをフォローする。

 

「って……、って……」

 

「え?」

 

「だって!皆川先生は!何にも言わないから気付いてないって!」

 

そんな訳あるかよ……。

 

バレバレだわ……。

 

氏居さんが俺の朝勃ち見に来ていることも、エンフィールドさんがさりげなく胸筋を触ってくるのも、南部さんが俺の水浴びを覗いているのも……。

 

捨矢さんが匂いを嗅いでくるのも、砂鷹さんが俺の前でだけさりげなくおっぱいを持ち上げて見せつけてきているのも、待場さんが俺の前でだけお尻に視線誘導してくるのも。

 

全部分かってるよこっちは。

 

けどそれを直接に伝えるとかわいそうなので言わないでおこう。

 

しかし、マジな話。

 

俺を選ぶのはやめておいた方が良い。

 

「俺は、家庭を持てるようなタイプじゃないんだ」

 

いやマジで。

 

俺は自分のプライベートが何よりも大事だから、家庭とか顧みないと思う。

 

女の恋人にはなれるが、子供の親にはなれないタイプだ。

 

そもそも、早くに両親を失った俺に、「家族」というものの感覚は分からない。

 

俺を育ててくれた爺ちゃんは、家族というよりかは「師匠」だった。

 

自分の面倒は自分で見ろ!と、虐待スレスレの教育。それは実際に俺の為になったんだがね……。

 

それは、俺が普通の子とは違う変人だったから耐えられただけだ。

 

実際、上京して大学に行くと、俺はおかしい環境で育ったんだと周りから言われて、初めて俺がおかしかったんだと気付いたくらいだからな。

 

小学校二年生くらいまでは、東京で両親と暮らしていたんだが……。

 

三年生くらいになると両親が事故で死んで、山中村の爺ちゃんに預けられた……。

 

山中村での生活と言えば……。

 

山中村の、学生が五人しかいない小学校で、自分で勉強をして。

 

野菜の作り方、家畜の育て方、獣の仕留め方、獣の解体、工作、料理……。

 

全部爺ちゃんに習って、それで自分で自分の食い扶持を稼いだ。

 

普通の子供のように、何もやらないで食わせてもらえたりはしなかったからな。

 

手伝いってか、ガチめな労働をしないと食い物がもらえないってか得られない。

 

そうやって働いて生活して、山中村から電車で一時間の中学校に通うようになると、その傍らで、ブランド野菜とブランド鶏で金を貯めて、その金で勉強道具を揃えて勉強。

 

そして、帝都大学の医学部へ……。

 

うん……、うん。

 

虐待だよなこれ……。

 

現代日本に、血豆が潰れるほど働くガキとかいねぇだろ……。

 

ジジイめ……。

 

だが、爺ちゃんは爺ちゃんで俺のことを想っていてくれたのもまた確かで、風邪をひいた時に看病してくれたり、将棋の相手をしてくれたりと、良い距離感で過ごしていた。

 

その、遠くから見守るようなスタンスは、俺にとっては有り難かった。

 

そして最後は、農地も残してくれた……。

 

総合的に見れば感謝している。

 

因みに、両親と暮らしていた頃の記憶だが、両親は忙しくて、遠い親戚の新丸姉さんに面倒を見てもらっていたことしか記憶にないぞ!

 

と、まあ、そんな訳で。

 

俺は、自分に子供がいたとして、優しくできる気がこれっぽっちもないのだ。

 

俺自身が優しく育てられなかったから。

 

医者だった頃の伝手で、看護や福祉などの界隈の話もいくらか耳にしたが……、虐待児が大人になって親になると、高確率で我が子を虐待するらしい。

 

何故か?

 

虐待児は、虐待されて育ったから、虐待以外の子育ての仕方を知らんのだ。

 

俺もそうだ。

 

子供ができたら、爺ちゃんと同じように、畑の耕し方と獣の解体の仕方を教えて、後は放置。

 

自分の食い扶持は自分で稼げと突き放すだろうし、それ以外に何をすれば良いのか分からない。

 

知識としてはもちろんある。

 

休日にキャッチボールだの、遊園地に連れて行ってやるだのと。

 

だが、それをしたいとは微塵も思えないのだ。

 

恋人とデートはしたいと思う。

 

しかし、我が子はどうでもいい。

 

うーん、親になる資格はないな。

 

と、そんな内容の話を、あまり暗くなり過ぎないように、オブラート十枚くらいに包んで説明した。

 

すると……。

 

「べ、別に!子供がいなくても、好きな人と一緒なだけで幸せって言うか……」

 

みたいなことを言ってきた砂鷹さん。

 

「気持ちは嬉しいけど……」

 

「皆川先生は、私のこと、子供だって思ってますか?私って、まだ子供なんですか……?」

 

うーん……。

 

正直な話。

 

俺は、医者として人体を見慣れてしまったので、外見にそこまでこだわりはない。

 

女優のオペだってやったことがあるんだ。

 

正統派映画女優の全裸を見て、腹を引き裂き臓器にメスを入れた経験がある。

 

故に、見た目の美醜はそこまで気にしてないんだよな。

 

つまるところ、重要なのは中身。

 

そして、ここの女の子達の中身は最高の部類だ。

 

「……君達のことは、憎からずには思っている」

 

「それなら……」

 

「だが、だからこそ、誠実に付き合いたい」

 

「皆川先生……!」

 

「君達は学生だが……、俺は学生扱いするつもりはない。学生でなければ分かるね?ほんの少し顔を合わせたくらいで、惚れた腫れただの、大人はそんなことはしないんだ」

 

「はい!」

 

歳下の子は「大人の女扱い」に弱いからなあ……。

 

こうやって持ち上げて、ご機嫌取りしておこうか。

 

 

 

実際の話。

 

抱きたい。

 

凄く抱きたいのだ。

 

だが。

 

罷り間違ってガキなどできた日には、俺の日常が破壊されてしまうじゃないか。

 

ここには、労働力提供者も、話し相手も、畑に家畜に屋根のある建物もある、パーフェクトな安住の地だ。

 

ここで新しく日常生活をしたいと思っているのに、どうしてその日常を我が手で壊さにゃならんのだ。

 

大体にして、誰か一人を選んだら、全体が速攻でギクシャクするじゃねーか!

 

見えてる地雷に突撃なんぞできるかアホが!!!

 




教師主人公どうよ?

カス教師主人公が、学校丸ごと異世界転移して、担当クラスの学生を率いて生き残る話。

カス教師主人公は、タバコも売春も喧嘩も見逃すけど、なんだかんだ言って生徒のことを考えてくれてる。

不良生徒がタバコを吸っていれば、「おいおい、俺以外の教師に見つかったらどやされんぞ〜?あ、火ぃくれや」とそのままそこで一緒にタバコを吸う。

喧嘩してる生徒がいれば、「おうちょっと待てや。どうした?……なるほど、お前はいきなり殴りかかられたから返り討ちにしたんだな?そりゃお前が正しい、死なない程度にボコっておけよ」と半笑いで見逃す。

パパ活しているギャルがいれば、「でも結局よぉ、小金持ちなおっさん程度からチマチマ小銭回収すんの効率悪くね?ここは一発、大金持ちのおっさんを堕とす方が良いだろ。その為にはこういう勉強を〜」とアドバイスする。

コミュ症オタクギフテッドがいれば、「よお!今週のガンダム見た?まさか新兵器がパイルバンカーってのは予想外だったよな!激アツだぜ!」とアニメの話をしてくれる。

いつしか、ヤバい生徒の掃き溜めになった自クラスで、銀八先生みたいなノリで適当に慕われていたそんなある日!

学校が校舎も生徒も職員も、丸ごと異世界に転移する……!

みたいな。

異世界転移に伴い、チート能力が開眼!

カス教師のチートは『再現』で、見たことのあるものを無から再現できるというもの。

しかしそれにはMPを使うので、最大MP以上のものは作れない。

飲食物や雑貨程度ならまあ余裕だが、銃器となると段々コストがキツくなり、乗り物とかはかなり重め。ガンダム?無理無理。

そして性質上、カス教師主人公が見聞きしたことのないものは再現不可。

ストーリー的には、校舎ごと異世界転移して、行き先は深い森の中。
森の中でモンスターと戦いながら、食料を得て生き残るサバイバル編。
極限状態から学内で争いが起きる抗争編。
抗争を終えて、全壊した校舎から逃げ出す放浪編。
逃げ出した先で人の街を見つけてそこで働く仕官編。
仕官先でゴタゴタに巻き込まれて戦争が始まる戦乱編。

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