ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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マジで痩せらんねえ……!


6話 再会

まあ、武器を持つ必要性については、一旦スルーすることにした。

 

少なくとも、示威行為にはなるだろうから、腰にぶら下げておくだけで良いだろう。

 

疾風の馬車には、さも、「ホームセンターからかっぱらってきました」みたいな段ボール箱に入った水やらを積んである。

 

村を滅ぼしたクソガキ共は、「食うものにも困る」「水もろくに飲めない」「新鮮な野菜や米なんて二ヶ月は食べてない」と言っていた。

 

そして、近場の店舗は大体略奪され尽くしている、とも。

 

なればこそ、封を切ってない水のペットボトルなどは価値が高いと思われる。

 

使っていないスマートフォンや貴金属アクセサリーなどと交換してもらえたりすれば、かなりの得になるはずだ。

 

水のペットボトル一箱なんてのは、金1gにも満たない価値しかない。

 

なのに、数十グラムの金と等価な電化製品などと交換できるとしたら、それはまさに錬金術というものだ。

 

他にも、いくつかの生で食べられる野菜や、小麦粉、何かあった時のための手術道具、長持ちしそうな菓子類なんかを、不自然ではないように工夫して配置する。

 

そうだ、先ほど殺した熊も解体して、その肉を塩漬けにしておこうか。

 

二ヶ月くらいは保つだろう。

 

そういえば、黒猪といい、子熊といい、モンスターは清潔だな。

 

皮を検分したのだが、ノミやシラミとか、寄生虫とかがいないみたいだった。

 

確か、謎の声はモンスターのことを『資源獣』とか言ってたか?

 

つまり、全身隈無く資源にできるってことかもな。

 

 

 

そうしてしばらく移動して、東京と埼玉の境目にある市、佐奈川市まで辿り着いた。

 

市の北西部、富谷区と呼ばれる地区に来たが、ここら辺には骸骨の化け物が出るようだ。

 

『カタカタカタ……!』

 

骸骨の化け物は、人の骨格……、骨格からして男、年齢は二十代くらいの骨をしているのが、医者としての知見から分かる。

 

そいつらが、ボロいが殺傷力は充分にあるであろう西洋剣や鉄の棍棒、木製の盾などで武装している。

 

どういうカラクリかは分からないが、筋肉も靭帯も神経もないのに、鍛え込まれた人間のように機敏に動いて襲いかかってくる……。

 

ん……、ああ、そう言えば、『モンスターから奪った武器』は、モンスターによく効くんだったか?

 

なら、奪い取ってみるか。

 

『カタッ!!!』

 

鉄の棍棒で殴りかかってくる骸骨の、踏み込んできた膝を前から押さえるように踏み潰す。

 

『カタッ?!』

 

そして、体勢を崩した骸骨の頭蓋を、ハンマーで砕いた。

 

『カッ……』

 

どうやら、頭を砕くと死ぬらしい。最初から死んでいるというツッコミはしないでおこう。いや、死んでいるのか?もしかしてそういう生物で……。

 

まあ、その辺は良いだろう。

 

人体のことはちょっとは分かるが、モンスターのことはよく分からん。

 

鋼鉄でできた棍棒を腰に差そうとした、その時……。

 

「ワン!」

 

後ろから、陸奥が吠えてきた。

 

振り返ると、別の骸骨が来ていたらしい。

 

俺は武術の達人とかではないので、気配なんてものは感じ取れない。

 

陸奥が警戒してくれていて助かったな。

 

更に陸奥は、俺に襲いかかってくる剣持ち骸骨の後ろ足、アキレス腱に相当する部分に噛み付いた!

 

つんのめって倒れる骸骨を……。

 

「陸奥、助かった」

 

「ワン!」

 

踏み砕く。

 

剣もゲットだ。

 

しかし、こんなに大きな刃物は使えないな。

 

鉈や斧なら使い慣れているんだが……。

 

メスで人体を切ってきた身からすると、刃物で人を斬るというのは大変に難しいと分かる。

 

少なくとも、素人の俺では、剣を振り回しても棍棒と同じ扱いにしかならないだろう。

 

そう思い、剣は馬車に仕舞い込んだ。

 

武器は鉄棍棒で良いだろう。

 

 

 

さて、そうやって移動していると、別の集団と出会う。

 

服装は……、セーラー服?

 

体格からして……、女子高生か。二人いる。他にも、周りに何人か。

 

そう言えば、この辺には女子校があったな。

 

青色に近いような黒髪の、パッション溢れる少女。

 

それについて歩く、真っ黒な髪の大人しそうな少女。

 

二人は、大型のリュックサックを背負いながら、こちらを見てきた。

 

どうやら、骸骨と戦っていたようで、骸骨の持っていたのであろう刃物や盾を集めている……。

 

……こういう時、声をかけるのがマナーなのか?

 

まあ、挨拶はして悪いってことはないだろう。

 

「やあ」

 

「「こ、こんにちは……」」

 

ぎこちないが、挨拶を返してくる二人の女子高生。

 

うむ、素晴らしいな。

 

挨拶は礼儀の初歩だ。

 

別に、フランス料理のマナーがどうこう、とまでは求めないが、挨拶もろくにできないような奴とは仲良くなれる気がしないってのはある。

 

「あ、あの……」

 

おや、話しかけてきたな。

 

「何かな?」

 

「私、砂鷹光(すなたか ひかり)って言います」

 

「わ、私は、待場翠(まてば みどり)です」

 

ほう、名乗り。

 

素晴らしいな。

 

「砂鷹さんと待場さんか。俺は皆川環介だ、よろしく」

 

「「よろしくお願いします」」

 

ふむ……。

 

……ふむ?

 

聞き覚えがある名前だな?

 

「その……、砂鷹さん、勘違いならすまないんだが……」

 

俺は、砂鷹さんに声をかけた。

 

「いえ、間違いじゃないですよ。お久しぶりです、皆川先生」

 

あー……。

 

やっぱりそうか。

 

「砂鷹光さん……、七年前に、俺の手術を受けた子だね?」

 

いやー、大変だったんだよな、この子の手術。

 

身体にいくつかの悪性腫瘍ができててな。

 

しかも、かなり難しいところに腫瘍ができていたから、失敗したくないベテラン医師にたらい回しにされた結果、俺に回ってきた手術だった。

 

病気がちな子で、複数回の手術に耐えられるか?という体力的な問題もあり、かなり大変だったんだが……。

 

いや、そうかそうか。

 

こうして健康に生きていてくれたか。

 

元医者としては喜ばしい限りだ。

 

「はい!私は、先生のおかげで、病気が治って……!ありがとうございます!」

 

「いや、いいさ。仕事だからね」

 

「でも……、どうして、お医者さんを辞めちゃったんですか?」

 

おや……。

 

「知っていたのか?」

 

「はい……。私、先生に憧れて、看護師になろうと思ってたんです。先生に会いに病院にも行ったんですけど……」

 

ふむ……。

 




火山館来たぞー。

もう一周目はラニ様エンド見れればそれでいいんじゃないかな?他のNPCのイベントは次週で……。

一周目でレベル上げとけば、二周目はめっちゃ楽って聞くし……。



既存作品、全然書けてない!

正直な話、クズ社長は最終回までのプロットができているのだが、そこに至るまで長い長い……。

クズ社長は、これから異世界から人間の国々が転移してきて、トリコの地球みたいに星が拡張されて別大陸とか色々できて、異世界国家の侵略者と戦い、最後は異世界を滅ぼした「滅びの魔王」的な存在と戦って終わりです。

そこに行くまでに、普通の冒険者の話とか、まだまだ続く政治描写とか、復興描写とか、色々あるんですよ……。

大変だねー。

前も言ったけど、元ヤンおじさんの末法現代ダンジョンとか、近代世界史ロボットものとか、ソシャゲキャラと行く砂漠系ポストアポカリプス世界とか、書きたい題材が多過ぎて頭おかしくなりそう。

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