ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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最近東京に引っ越してきたけど、東京は怖いスね……。


39話 残月の娘

「どどど、どうするのよーっ!!!」

 

「どどど?」

 

「うるさいっ!ちょっとは申し訳なさそうにしたらどうなの?!」

 

クライン家の館にて、フランシスに怒られる俺。

 

「まあまあ、怒るなよフランちゃん」

 

俺はフランシスをソファに押し倒して覆い被さる。

 

「きゃあ?!ちょ、ちょっと!」

 

そのまま、フランシスを抱きしめて昼寝する……。

 

 

 

俺と共に昼寝をして冷静になったフランシス。

 

「あのね、魔導師は国の力なの。あまり、減らされると困るの。分かる?」

 

「良いじゃんかよ、この国が滅んでもフランシスはちゃんと逃してやるぞ。一緒にプロキシア辺りに引っ越すか?」

 

「できればこの国で生きたいわねー!フランちゃんのお願いよ!」

 

お、出た!フランちゃんのお願い。

 

「フランちゃんのお願いなら仕方ねえなあ、学園卒業までは滅ぼさないでおいてやるよ」

 

フランちゃんのお願いだしなあ?

 

「まず、そもそも、滅ぼしてほしくないんだけど……」

 

「いやー、敵対してくる奴は叩かなきゃなあ」

 

 

 

さて。

 

では早速、通学していきたいと思いまぁす。

 

あ、ゴミプロビさんは退学したってさ。フランシスが言ってた。

 

悲しいね。

 

そうして、校門の前に行くと……。

 

アジア風の黒髪ポニテの女……、入学試験で風魔法を使っていた女が待ち構えていた。

 

なんか鉢巻したまま変なオーラ出して突っ立ってる……。

 

怖……、近寄らんとこ。

 

「待てぇい!」

 

うわ……、話しかけてきた。

 

「拙者はユキ!ユキ・ザンゲツだ!エグザス・レイヴァン殿と立ち合いを望むっ!」

 

立ち合い……、えーと、決闘か?

 

「何で?ゴミプロビさんの敵討ちとか?」

 

「ゴミ……ぷろび?よく分からんが、生徒会長のことか?あんな男のことはどうでもよい。青臭い正義感で勝てぬ相手に喧嘩を売る方が悪いのだ」

 

おっ、良いね。

 

こっち寄りの価値観だ。

 

だが、それじゃあ何故、お前は俺に喧嘩を売ってきたんだ?

 

「貴殿のその妖術……、拙者には見切れなかった。勝ち筋が想像できん相手は生まれて初めてだ」

 

「ふむ」

 

「貴殿は、兵団を作ると入学式にて宣言したな?」

 

「ふむ?」

 

してないが……?

 

いや、秘密結社の意味がよく分からなくて、兵団と理解したってことか?

 

まあ、それならそれで……。

 

「その、ひみつけっしゃ?という兵団に、拙者も入りたいのだ!だが、その為には、拙者の力を見せなければならん!」

 

「えぇ……」

 

戦国武将かな?

 

降参するにしてもまず一当てして力を見せつけてから!みたいな?

 

う、うーん、大人しく従ってもらえる方が楽なんだが……。

 

まあ良いや。

 

顔が良いから許しちゃう。

 

「拙者は勝てないだろうが、勝てば拙者が貴殿の上に立つ。拙者が負ければ、何をしても良い」

 

今何でもするって言った?

 

「良いね、やる気出てきたわ」

 

非殺傷魔法……、ッターン!と。

 

昨日の決闘騒ぎの反省から、相手を無力化するための非殺傷魔法を作った。

 

土木作業用の念力魔法からソースコードを引っ張ってきただけだが、人一人を押さえつけるなら充分だろう。

 

「では……、行くぞ!『ポップ 《カザキリ》 アウトプット トレースウェポン』!はああっ!」

 

ほー、まあ、身体の動きは良いんじゃないの?

 

詳しくは知らないけど、かなり速い。

 

武術ってやつだろう。

 

で、俺の肩に刀を振り下ろしてきたんで、刀を掴んで握り潰してやる。

 

刀には緑色の量子による鋭利な力場ができていたが、それはオートディスペルで無効化。

 

刃物の鋭利さもバリアでノーダメージだし、そこに強化魔法で身体能力を上げてへし折るのだ。

 

「なっ……?!」

 

そしてそのまま……。

 

「跪け」

 

上から力場をズシンとかけてやる。

 

「ぷべっ」

 

思い切り地面に叩きつけられたサムライ女……、ユキ。

 

「ぐ、ぎ、が……!」

 

立ちあがろうとするが、俺の力場に押さえつけられて、土下座のような形にしかならない。

 

「こ、こう、さん、だ……」

 

力場を消す。

 

鼻血を出した顔を押さえながら立ち上がろうとするユキに、俺は《リペアマジック》をかけてやる。

 

そう、俺流の回復魔法だ。

 

その存在の過去のデータを参照して、現在の破損した情報に上書きする……、というもの。

 

事実上、死者蘇生も可能だ。

 

その辺の盗賊で人体実験も成功している安全な技術だぞ。

 

そして、血を洗浄の魔法で消してやり、手をとって立たせてやった。

 

「あ、ありが……」

 

そして、何か言おうとしているユキを思い切り抱きしめつつ、唇を奪う。

 

「ん……んー!?!!?!」

 

「勝ったら何でもしてくれるんだろ?じゃあ、俺のものになれ」

 

「お、え、あ……、わ、分かった。拙者は、貴殿のものだ」

 

頬を染めながら、俺に軽くくっついてくるユキ。

 

やったぜ。

 




アキバのラーメンめちゃうま。

ニンニクをドカドカ入れると、脳が気持ち良くなる。

脂!塩分!ニンニク!気が狂いそうなほど気持ちがええんじゃ。

たまにフライドガーリック的なオシャンティを見せる店もあるが、やはりニンニクは生やな。


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