健康ください。
楠木和彦さんなどの声優、ゲームクリエイターやアニメーターなどが集まった、このラジオ局。
ここで、この人達が生きていくための手は、これしかない!
「博士、ここでラジオ放送を再開してもらうのはどうですか?!それなら、対価として、生活に必要なものをもらえますよねっ?!」
僕はそう叫んだ。
あえて、周りの声優さん達にも聞こえるように。
博士は、それを聞いて頷き、こう言った。
「なるほど!ゾンビパンデミック世界で、一つだけ生きているラジオ局か!大変面白いな!良いだろう、インフラセットをくれてやるから、毎日ラジオ放送をしてもらおう!」
よし!これなら……!
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!どういうことですか?!」
楠木さんが前に出る。
「つまり、上下水道と電気、食事が定期的に手に入る代わりに、毎日ラジオ放送をして欲しいってことですよ!」
僕が代弁した。
僕は、あらかじめ、博士が目の前で『インフラ生命体』を生み出し、それを使えるのをチェックしていたので、説明をする。
「……つまり、ここでラジオ放送をすれば、最低限食っていけるってことですか?」
「はい、そうなります。……そうだ!何か、価値があるものとか、ありますか?本とか、ゲームとか!」
「え……?どういうことですかね?」
「この博士は、『行商人』なんですよ。つまり、価値があるものを渡せば、品物やサービスを得られるんです!だから……!」
「な、なら……!」
楠木さんは、テレビゲームのパッケージを博士に渡した。
「これは、『スペシャルロボット大戦70』です!発売一週間前で、まだ世に出ていないテレビゲームなんですよ!」
博士は、それを嬉しそうに受け取り、黒尽くめの女に渡して、仕舞わせた。
「素晴らしい!スペシャルロボット大戦シリーズは、俺も全シリーズプレイしていたし、最新作は予約していた!こうなった以上、手に入らないと思っていたけど……、貰えるだなんて感激だ!超レアものなので、超レアものを差し出そう」
博士の琴線に触れたようだ……!
「じゃ、じゃあ!ラジオ局のバックヤードにあった、ドラゴンポール全巻は?!」
他の人がそう言って、漫画本を持ってきた。
「うむ、俺は読んだことあるし、データ媒体で持っているが、あって困るもんでもないし、ちゃんと全巻揃っているので、物資と交換しよう」
博士が答えた。
「「「「うおおおおっ!」」」」
ラジオ局の人達は、色々なものを持ってこようとする……。
「あ、あのっ!」
僕は、思わず声を上げた。
「あ、あの、ですね。博士は、物資の交換レートをまだ決めてないそうなんですよ。だ、だから!今の段階で交換すると、安く買い叩かれてしまうかもしれませんよっ!!!」
そう……、まだ、交換レートが定まっていないのである。
交換は、まだ控えるべきだろう……。
「そ、そうなんですか……?」
楠木さんがそう言って、手元の漫画本を机の上に置き直した。
「え、えっとですね、博士は、物資の交換以外にも、何か仕事をすれば物資をくれるんですよ!」
「仕事、ですか。……ああ!なるほど、それでラジオを放送しろと言うことですね!そうか、なら……、音楽はもちろんのこと、東京のニュースなどを流すのは……、その、どうですか?」
楠木さんは、博士にそう提案した。
「グッド!今日のゾンビ情報や、緊急速報、他のキャンプの情報に、サバイバーの依頼発表……。情報インフラを一手に担ってくれるなら、『基本インフラセット』に加えて、『電気を生むウミウシ』『情報収集用の生物兵器』『護衛用の生物兵器』『更なる食用生物』をサービスしよう!」
「「「「おおおっ!!!」」」」
よし、それなら……。
「あのっ!みなさん!僕達は、インディーズゲームスタジオの『スターウェーブ』って言います!良ければ、僕達もこのラジオ局に住んでも良いですか?!」
今、突っ込んでみよう!
今しかない!
「え、それは……」
「いきなりどう言うことだ?」
「べ、別に良いんじゃないか?」
「実は、僕達も、博士にリリース予定の新作ゲームを渡した代わりに、『基本インフラ』セットをもらえました!なので、この一箇所にインフラセットを二つ置いて、インフラを強固にしませんか?!」
そう、これが、僕がしたかった提案……!
三人での生活は、とてもじゃないけど手が足りない!
なので、手を貸してもらえる人手があるところに住ませてもらう!
自分達のインフラセットを差し出すことをメリットとして提示すれば、断らない筈……!
「私は、問題ないと思います」
楠木さんがそう言うと……。
「まあ、いいんじゃないか?」
「人手が多い方が助かるし……」
「同じクリエイターなら……」
よし!
「そして、博士から、『アイテム取引の交換レートの制定』と『アイテム交換フォームのプログラム作成』『アイテム交換システムの定期的なアップデート』を引き受けています!皆さんのお力を貸してください!」
「し、仕事をすれば、何かもらえるんですか?」
「はい!……そうですよね、博士?」
「もちろん。システム開発なら、人手が多い方が早く終わるし、完成度も高まるだろう。それなら、人数分の『量産型オルトロス』を配布しよう。それと……、あとは、適当に近くのビルを破壊して、その空き地に食用の動植物を配置しよう」
「「「「おおおおおっ!!!」」」」
「お、俺は若い頃はバグフィックス担当だったんだ!」
「俺はバランス調整担当だ!」
「俺はグラフィック担当だから、インターフェイス面を調整するぞ!」
こうして、僕達、『スターウェーブ』と、『TOKYOラジオ』の面々は、働き始めた……。
その一週間後……。
「では、博士!こちら、『アイテム交換システム』のプログラムになります!」
「うむうむ。じゃあ、DLして……、うん。……おお、……なるほど!よくできているな!確かに受け取ったぞ!パイちゃーん!マニュアル読んどいてー!」
「了解イタシマシタ」
「では、頼まれていたものも納品され、ラジオ放送の準備も整ったとのことなので、こちらも誠意を見せよう」
う、またアレか……。
博士が上着を脱いで……。
「「「「ぎゃあああああ!!!!」」」」
それぞれ、三十匹の犬型生物兵器である、『量産型オルトロス』と、六匹の人型生物兵器である『量産型ミノタウロス』と、二十匹の偵察用鳥人型生物兵器である『量産型ハルピュイア』か生産された。
激烈にグロテスクだ……。
それと、インフラ生命体は、既に受け取って各所に配置してある。
電気給湯器でお湯が出るので、毎日シャワーを浴びられるし、洗濯もできる。
文明的な生活を取り戻した……!
「さて、あとは農場だな。アンブロシア・シリーズを全て配置したいんだったな?」
「は、はい!」
すると、博士は……。
「おア……、オオオッ、オオオオオオオッ!!!!」
「「「「うわあああああああっ?!!!!」」」」
いきなり、上半身が巨大なワームになり、向かい側と、斜向かいにあるビル、合計三棟を『食べて』しまった。
文字通りに、食べた。
それも、基礎ごと。
そうしたあとは、そのクレーターと化した土地に、腐葉土のような土を吐いた。
……ああ、やっぱり、化け物だ。
敵対しようとしなくて良かった。
あんなの、ゾンビでも何でも、勝てる訳がない。
戦車でも倒せるかどうか……。
そんなことを考えていると、博士は姿を変えて、イソギンチャクのような多腕の姿になり、腐葉土に種を植え付ける。
また、一際太い触手からは、ボコボコと家畜が生まれている……。
もう、言い訳のしようのない、バリバリぶっちぎりの化け物だ……。
書きたいものが多すぎて涙出そう。
死ぬまでに書きたいものを全部書き終えられるのだろうか?
健康具合から言って早死には間違いないんだし、早く書かなくては……。
それでもまああと四十年くらいは生きていられそうだけどね。
うえー……。
既存作の書き溜めも、こそこそちょっとずつはやってるんですよ。で、10話くらい一区切りするまで溜まったら投稿する感じ。
特に、ソシャゲ転移とオリジナルライダーものは、読者アンケートまでとったのだからできるだけ早く仕上げたい……。
ソシャゲ転移は、第一章までのプロットができてるっちゃあできてるんで、書こうと思えばいけますね。但し、題材が恐竜とかなんで、取材というか調べ物しながら書いている現状、スピードは……、ナオキです……。キャラの作り込みがね……、大変でね……。
オリジナルライダーものはねえ!げっそりするほど書けてないよ!オムニバス形式のような感じで、色々なキャラクターの視点から世界の流れを見ていく、アーマードコア的というか、あんまり説明がないというか……。プロットも荒いし!何というか、キャラ視点が二転三転する分、世界の流れ(ストーリー本筋)を分かりやすく描写しなきゃならなくて、そうなると文章がドチャクソ増えるワカメ、と。
んー、どうしようか……。
選択肢が多いと混乱するわ。