ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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死にそう。


20話 頭の回るメガネザル

超細胞ヘシオドスと一体化した俺。

 

俺が作った生物兵器の嫁。

 

どちらも、飲食及び睡眠はほぼ不要だ。

 

これは何故か?と聞かれると、ノーベル賞のメダルで囲碁ができるくらいの科学的発見があり、それを説明しようとなると、大きな学会を貸し切りにして半年間くらい喋らなきゃならないので、詳しくは説明しない。

 

ただまあ、概要的には、別次元にあるエーテル界と言うところにある無限エネルギーであるエーテリオンを無限に引き出せる、『εΩエーテリオン受容体』という因子が鍵だな。

 

その他にも様々な超遺伝子を使っているから、全ては説明できないがね。

 

で、まあ、飲食は要らない訳だ。

 

エーテリオンを引き出しているから。

 

……でも、美味しいものは食べたいんだよね!

 

ラーメン!カレー!カツ丼!ハンバーガー!

 

食べたいんだよね!!!

 

今までは、保存食は気前よく人にくれてやっていたけど……、美味しい料理は食べたいんだよね!!!

 

俺がそう説明すると……。

 

「なるほど。確かに、食事は栄養補給だけでなく、心の癒しになることも、医学的に根拠のある話ですね」

 

と、理解された。

 

「丁度ここに、人間に近い形をした生物兵器がいる。この子に、料理を教えてやってくれ」

 

パイちゃんの肩を叩く俺。

 

「そうしたいのは山々ですが、材料が……」

 

俺は、腕を変化させて、鶏を生み出した。

 

「コケーッ!」

 

「ほら、材料だ。いくらでも用意してやるから、料理を教えてくれ」

 

「こ、これは……!ど、どういうことですか?!生物学的にあり得ない!」

 

あー?

 

そういや、この高年の雄個体は医者だったか?

 

なるほどね?表の世界の医学じゃ説明できない現象だもんなあ。

 

「あー……、一応、俺の論文データあるけど、読む?」

 

「ぜ、是非読ませてくれ!」

 

俺は、ノートパソコンを渡す。

 

「パスワードは『monmusu daisuki』だ」

 

「あ、ああ……、んんっ?!ユーザー名……、嵐山雄介だとっ?!!!」

 

ん?

 

知ってんのか?

 

「ま、まさか!史上最年少で生物博士になり、生物学の歴史を百年進めたという、あの嵐山雄介博士なのか……?!!」

 

「あ、そうだよ。ティフォン博士って言うのは組織のコードネームだね」

 

まあ、嵐山雄介はもう死んだので……。

 

「まさか、あの生物学界の伝説の人と会えるとは!光栄です、博士!」

 

握手を求められたので応える。

 

ほーん?ええやんけ。

 

礼儀を弁えてるね。

 

好感度アップですよー。

 

「あー、組織上層部へのプレゼン用のパワポが、『プレゼン資料』のファイルにあるから、そこから見てくれ」

 

「はい!」

 

で、資料漁りを始めた医者男を放置して、と。

 

「で、千恵子だっけ?」

 

「は、はい」

 

「ラーメン作れる?麺から」

 

「ええ、できますよ。味は醤油ですか?味噌ですか?」

 

「んー、全部教えてくれ。あとは、チョコレートをカカオから作る方法とかは?」

 

「分かりますけど……、圧縮機が欲しいですね」

 

「あ、その辺は大丈夫。パワーはあるから。あとは……、カレーをスパイスから作る方法とか、チーズを牛乳から作る方法とか」

 

「材料と器具があれば」

 

「なんとかするから教えてくれ。パイちゃんは一度教えたことは絶対に忘れないから、順に作っていってくれ」

 

「ええ、分かりました」

 

あとは……。

 

「あと、家電とか調味料とかをいくつか貰いたい。もちろん、タダでとは言わないぞ。こちらが提供できるものは出させてもらう。交換条件だ」

 

俺がそう言うと、先程の医者男の子供であろう、女が出てきた。

 

「私は、織川麗華です。大吾の娘になります」

 

若く健康的な雌個体。年齢は26ってところか?

 

「で?」

 

「私は薬剤師をやっているのですが……、お薬とかお持ちではないでしょうか?」

 

ふむ、薬。

 

「何が欲しい?」

 

「何をお持ちですか?」

 

「この場で作るから何でも言えよ」

 

「……は?」

 

「だから、この場で作るんだよ。この子が」

 

俺は、隣にいるヒューちゃんを撫でた。

 

「え、えっと、よく分かりませんが、そうですね……、プロチゾラムなどは出せますか?」

 

プロチゾラム……?

 

「商品名じゃなくって組成を言ってもらいたいんだが……」

 

「えっと……、チエノトリアゾロジアゼピン系の睡眠導入剤ですね」

 

ふむ……、それなら理解できるな。

 

「ヒューちゃん、どう?」

 

「ン……、睡眠導入剤ナラ、作レル……」

 

ヒューちゃんの背中から生えている蛇が、白い塊を吐き出した。

 

「コレ……、形ハ、整エラレナイケド……、削ッテ使ッテ……」

 

「こ、これは……、その、本当に大丈夫なんですか?」

 

訝しむ女薬剤師。

 

まあ、気持ちは予想できるがね。

 

「気に食わないのなら、使わなければいい。他にも用意できるものはあるぞ」

 

「でしたら、ガスコンロの燃料とか……」

 

ふむ……。

 

「ガスはないが、電気を発する生物とかなら作れるぞ」

 

「は、はあ?それは、電気ウナギのような?」

 

「いや、100V15Aの、家電に対応した電気を発する生き物だ」

 

「……そんなもの、いるんですか?」

 

「作った」

 

「そ、そうですか。では、それを試してみましょうか」

 

俺は、電気発生生物の『電電虫』を生み出す。

 

電電虫は、真っ黒な身体に、黄色の模様が身体の中心から放射状に伸びている、ウミウシのような生き物だった。

 

とは言え、大きさは、人の足を横に二つ並べたくらいに大きいし、触覚の他にも、触腕が数本生えてうねっている。

 

触腕の先端には鞭毛がゆらゆらと揺れており、肌はヒキガエルのそれのようにざらついてしっとりしていた。

 

「ひっ……!」

 

怯えた声を出す薬剤師女。

 

これは、見た目は醜いのかもしれないが、完成度が高い生き物だぞ?見た目で差別しちゃいかんよ。

 

俺は、家電コーナーにあった扇風機のコンセントを、この電電虫の肌に直接差し込んだ。

 

ぶちゅり、というグロテスクな音。

 

すると、電電虫は、ゆっくりとコンセントを触腕で掴んだ。

 

電電虫の身体がぼんやりと光る……。

 

そして。

 

扇風機の羽が回り始めた。

 

「え、ええっ?!そんな、まさか!」

 

「コンセントを挿すと、こんな感じで通電する。エサは要らないが、月に一度くらい霧吹きで湿らせておけ。乾くと電気が止まるぞ」

 

そう言って、適当な段ボール箱に電電虫を詰め込んで押し付けておいた。

 

 

 

そうして、ショッピングモールに十日間ほど滞在した俺達。

 

パイちゃんが色々な料理を覚えたので、料理本を何冊かもらってから、調味料と調理器具を詰め込んで、俺達は出発した。

 

 




ライダーもの、試しに書いてるんですが……。

端折り過ぎた感。

でも、本題は、ライダーの戦いの場面なのであって、主人公が地道に組織作ったり研究開発したりするシーンじゃないのよね。

なので、いきなり始まる感は否めない……。



ところで、旅人をライダーに仕立て上げたのですが、旅人の能力がそもそも、他人の技能を劣化コピーすることなので……。

つまり、ザイアおじさんになってしまう訳ですね!

注射器剣で吸い取る奴ー!!!


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