ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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メンタルヤバいけど、唯一の趣味がネット小説を書いたり読んだりすることだから……。


9話 騒がしい若ツバメ

「で?」

 

俺とキーちゃんは、チョコレートを食べながら話を聞いた。

 

今は、横須賀警察署署長の直人なる人物に、警察署に避難してきた避難民から話を聞くように命じたからな。

 

「目撃情報だが、全身から触手を生やした女のような何かを、『三笠公園』の方で見たという人がいた」

 

触手……、ってことは、スーちゃんだろうな。

 

三笠公園……ってのは……、ああ、あれか。記念艦三笠のある公園か。

 

前に一度行ったことがある。

 

オタクは戦艦とか好きなんだよ。

 

え?一番好きな戦艦?アルビオンですねぇ!!!!

 

ネェル・アーガマもすこ。

 

とは言え、現実世界の戦艦が嫌いな訳ではないが。

 

だが、現実のミリタリーものは俺からすると浪漫不足。凡人が作るものって、どうしても堅実な出来になるからなあ。

 

俺は兵器開発者というよりは、芸術家なんでね。芸術的な美しさがないとやっぱり評価できない。

 

アニメのロボットなどは、遊び心全開なので、好感が持てるな。

 

まあ、とにかく、行ってみようか。

 

「情報、助かった。今後、嫁らしき人物に出会った場合、『博士とキーちゃんが探していた』と言ってやってくれ」

 

「分かった」

 

 

 

ゾンビを蹴散らしながら、記念艦三笠の近くまで来た。

 

「ん?」

 

「「「「あ」」」」

 

ああ、この前の高校生か。

 

「よう、景気はどうだ?」

 

俺は人間ができている社会人なので、若者達にフレンドリーに声をかけた。

 

「化物博士……、またあんたね」

 

「ご挨拶だな」

 

「……何しに来たの?」

 

何しに来たのか?

 

んー?

 

何で警戒して……、あ、近くに高校の校舎があった。

 

なるほど、このガキ共は、この高校に避難してるんだな。

 

で、教えてないのに根城である高校に俺が来たから警戒してる、と。

 

はいはい、テンプレテンプレ。

 

高校舞台とか良いねえ、違法改造ネイルガンを持ったメガネデブとかいらっしゃるのかな?

 

よろしければ、俺は悪の科学者役として何かやりますが?高笑いの練習は欠かしていないぞぅ!

 

……とはいえ、そんな冗談は通じないな。

 

頭硬そうなツラしてるもんね。

 

「ああ、安心しろよ。お前らに用はないからな」

 

と、ストレートに伝えてやる。

 

「ぬけぬけと……。ここまで来て何のつもり?!」

 

マンドクセ。

 

なーに意識しちゃってんの?

 

「いや、マジで偶然だよ。記念艦三笠の方に俺の嫁の一人がいるらしくてな。それを回収しに来ただけだ」

 

「はっ、どうだか?人間を捕まえて実験材料にするつもりなんでしょ?!」

 

実験材料だぁ〜?

 

「お前に生物学の何が分かるんだよ!俺はな、人間を実験材料にする時は、特定の遺伝子構造をした専用のクローン人間以外使わないことにしてるんだ!そもそも、自然界……、と言っていいのか分からんが、一般のその辺にいる人間では、遺伝子的な揺らぎが大き過ぎて、定量的な実験をすることは困難なんだよ!男か、女か、人種、疾患の有無、知能指数、身体機能……、てんでバラバラの材料なんて使いづらいったらないだろ?例えるなら、料理をする時に別の品種の食材を一度に使うみたいなもんだよ!俺は料理はできないから上手い例えが思い浮かばないが、じゃがいもとさつまいもを混ぜて使うみたいな感じのことだな。そんなんじゃ実験にならないんだよ!こっちの事情も考えてよ。それに〜……」

 

「ああ、もう良い、最低だってことは分かったから。この腐れ外道め!」

 

はあ?

 

「俺、なんかおかしいこと言ったか?」

 

俺、またなんかやっちゃいました?

 

「アノネ、博士。普通ハ、人間ノ命ヲ弄ブヨウナコトヲシチャイケナインダヨ?」

 

とキーちゃん。

 

「えー?おかしいじゃん。そうやって生命倫理とか意味わかんないこと言う奴が俺をいじめるからさあ……」

 

つまらん理由で学会を追放してきた表の学会連中のことは、未だに根に持ってるからね俺。

 

「メッ、ダヨ」

 

「はーい」

 

全く……。

 

「生物兵器に倫理を説かれるってどうなの?本当に狂ってるわね、あんた……」

 

そんなこと言われましても。

 

「一応、俺ってテロリストだぞ?そんなこと言われても、その、何だ……、困る……」

 

「良いわよ、人間じゃない化物だと思って対応するから」

 

「まさにその通りなんだが?」

 

「うるさい!減らず口を叩くな!馬鹿!」

 

何だこの小娘ぇ。

 

と思ったが逆にすげーわ。

 

「あのさ、一応言っておくけど、俺がその気になれば、お前らなんて五秒で肉塊にできるんだけど」

 

お、刀を持ったガキが前に出る。

 

「っと、待て待て、例え話だ。実際にやるつもりはねえよ。だがな、できるんだわ。それなのに、何でそんなに態度がデカいんだ?尊敬しちゃうわ」

 

「こんな世界になったから、強い奴が正義だ!とでも言うつもり?お生憎様、私達は、私達が正しいと思ったことをするのよ!」

 

へえ、かっこいー。

 

「でも、俺は一応歳上なんだしさ、多少は謙っても良いんじゃないの?」

 

「うるさいわね!犯罪者に敬意なんて持てないわよ!」

 

ふーん。

 

まあ、それならそれで。

 

「あ、帰りにそっちの避難所に寄らせてもらうから、嫁の目撃情報を集めとけよ」

 

「はあ?何で私達がそんなことしなきゃならないの?」

 

「じゃあ取引だ。ほら」

 

俺は箱入りのスポーツドリンクとカロリーメイド、レトルト食品、ビタミン剤を渡してやる。

 

「これは……!」

 

「おお!食いもんじゃ!」

 

「飲み物!」

 

「薬だ!ちょうど具合が悪い人がいたんだよな!」

 

と、四人のガキは喜んでいた。

 

何でも、この辺りは学生街で、飲食店は多いのだが、スーパーなどはないそうだ。

 

だから、八キロ以上先の遠くの、うちの研究所の近くまで遠征していたんだな。

 

「これをくれてやるから、嫁の目撃情報を集めておけ」

 

「それならまあ、分かったわ。但し、学校には入ってこないでよ」

 

「だから、興味ないからな?」

 

全く……。

 

まあいいや、早くスーちゃんを迎えに行こう。

 




マァジでなあ……。

うっし、切り替え切り替え!

ソシャゲ転移もの、結局、主人公がソシャゲキャラ達を食べちゃいました。

でも仕方ないよね……。

諸君らも、目の前に絆レベル15の玉藻の前がいたとしたら、抱くでしょ?

絆レベル15ですもん、そりゃもう、好き好きオーラ出てますからね。抱くでしょ。

古生物女体化ソシャゲで、絆レベルシステムと艦これみたいな指輪システムあるんだけど、全キャラの絆レベルMAXと指輪渡してるんですね。

好感度MAXのジュラ娘達が、全力で好き好きビーム飛ばしてくるんですから、応えざるを得ない訳です。

実際、鎮守府に赴任した男提督みたいな感じになってる。

いや、アレかな……、田舎の女子校に都会のイケメン教師が赴任してきた!みたいなノリ?

今作の主人公は割とお労しいことになる予定。

戦闘能力は、考古学者として未開の地にフィールドワークしに行ったときに、首狩り族に襲われるも、護身用のピストルでどうにか撃退できた!程度の能力しかないです。

今までのクソつよ化け物主人公達と違って、割りかし一般人。

だから、圧倒的な力を持つソシャゲキャラ(ジュラ娘)達に裏切られないように、必死に頑張るんですね。

おいたわしや、主人公上……。




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