追記
フランス語でモンスターはモンストル(monstre)です。
誤字ではないです、すみません。
「貴女達は誰かしら?」
「マリー・アントワネット……、貴女に説明して、理解されるのかしらね。まず、第二次世界大戦はご存知?」
「第二次世界大戦……、ええ、ええ、聖杯の知識として、その戦争の知識はあるわ」
「そう。私達はね、その時に戦ったフランスの戦艦の……、船幽霊みたいなものよ。私がコマンダン・テスト。こっちがリシュリュー」
「まあ、船幽霊……?」
「一種の神霊で、人の信仰が集まってできた、人の形をした船のMonstreよ」
「化け物だなんて!私はそんな風に思わないわ!私が生きた頃よりずっと先の未来で、勇敢に戦った兵士さんよ!」
「……そう。ありがとう、女王陛下。そう言ってもらえると、戦った甲斐があったと思えるわ」
ふむ、艦娘とマリーさんの仲は良好っぽいな。
「でも、良かったわ。貴女達の心には愛と安らぎがあるもの!とてもとても素晴らしいことよ!お相手は旅人さん?」
「……分かるのかしら?」
「それはもう!私だって結婚してたのよ?愛することって素晴らしいわよね!」
良かった、マリーさん、まともだ。
その調子でうちの艦娘をまともにしてほしい。
「立香、何か食べたいものは?」
「折角フランスに来たんだからフランス料理が食べたい!」
「よーし、良いだろう。皆んなは?」
「米はありますか?」
「肉」
「メトヴォルストはあるかしら」
上から順に、頼光さん、ニキ、マルガレータだ。
「OK、全部ある」
「戦場でこのような贅沢ができるとは思いもしませんでした」
「いやあ、米くらいなら沢山あるから」
「肉美味え」
「ジビエね、了解」
「故郷の料理がここで食べれるなんて思わなかったわ」
「オランダの北部だよね?あの辺はソーセージが美味いんだよね」
頼光さんは山盛りのご飯、ニキは猪の丸焼き、マルガレータは故郷のドライソーセージを出すと喜んだ。
因みに、立香とマシュ、マリーさん、モーツァルト、艦娘二人にはフランス料理を出した。
「あら!旅人さん、これ美味しいわ!私がまだ女王だったら、コックにスカウトしちゃうくらいに上手なのね!」
「本当に美味いなあ……、これはプロの技だよ、恐れ入った」
マリーさんとモーツァルトから褒められた。
尚、俺はニキと猪の丸焼きを食っていた。
昼休憩を挟み、召喚サークルを設置して拠点を作る。
マリーさんが言うには、マリーさん達は、ジャンヌオルタ達、悪のサーヴァントに対するカウンターとして召喚されたのでは?という説があるとのこと。
なる、ほど?
んん?
そ、そうなのか?
それで、他にも同じような、カウンター側のサーヴァントがいるんじゃ?味方になってもらおう!って話に。
なるほど?
いまいち、全体的にフワッとした話だが、味方を増やすのには賛成だな。
いかにこっち側が強いって言っても、あっちには聖杯がある。
その気になれば、サーヴァントをほぼ無限に呼び出すこともできるだろう。
と、なると。
こっちも頭数をできるだけ揃えて、電撃作戦で聖杯を奪うしかねえぜ!
ニアころしてでもうばいとる。
と、そこに、聖女マルタが。
なるほど、ヒットマンか。
ガメラ、いや、タラスクとか言うドラゴンがいたが、まあ、物量で圧殺できたわ。
流石に一人で攻めてくんのは舐め過ぎでしょ。
……いや、聖杯があるから、サーヴァントはいくらでも替えが効くのか。
捨て駒にされた、ってことか。
マルタさんは、ジャンヌオルタ達に、とても強い竜が味方していると言っていた。
そのためのドラゴンスレイヤーがリヨンの方にいると、ヒントもくれた。
じゃあ、行くしかないでしょ、リヨン。
リヨン。
既に滅んだあとらしいが、かつてそこには騎士がいたらしい。
その騎士が、なんか、こう、頑張ってリヨンを守っていたらしいが……、と、近くの町で聞いた。
騎士かあ。
ドラゴンスレイヤーの騎士なんて割といっぱいいるよな。
誰だろうな。
途中、野盗の類とかが出たが、うちの艦娘がノリノリで惨殺し、全員がドン引きしていた。
「テストさん、リシュリューさん、何故殺したんですか?!」
「え?邪魔だったし」
「どうせこれも、人理修復されればなかったことになる話なんでしょう?別に人間ごときが何人死のうが構わないわ」
「そ、そんなこと……」
マシュは本気で悲しんでた。
なので、艦娘には、人はできるだけ殺さないようにと伝えた。
リヨンでは、リビングデッドが出た。
「ねえ、あれは殺していいの?」
「人間と違いが分からないのだけど」
と、艦娘がサイコパスっぷりを発揮。
ドン引きしたマシュに、あれは倒して良いやつだから戦ってくれと言われた二人が、からくりでリビングデッドを殺す。
「この世界は凍りついて「チェストーーー!!!」ぷへぇ?!!!」
なんか、敵ボスっぽいのがカッコつけて現れたから、先手を打って殺しにかかる。
俺のドロップキックが顔面に突き刺さり、吹っ飛んだ変な男。
俺は倒れた男の足を掴んで、ニキの方にぶん投げる。
「やっちまえニキ!!!」
「え?お、おう!!」
槍をぶっ刺されて変な男は即死。
「やったぜ」
「旅人さん」
「待って立香。俺には最初から、あの男がオペラ座の怪人というサーヴァントで敵だってことが分かってたから」
「そ、そうなの?」
「俺の『瞳』は大体なんでも分かるんだよ」
彼の地、ヤーナムにて手にした、脳内の瞳。
頭蓋の奥に概念的な瞳を形成し、多くのものを見通す。
少なくとも、敵か味方か、肉体の様子、名前、魔力の流れ、見えざるもの、外法の神々とその眷属、力の波動、色々なものが見える。
説明しづらい能力だけど、常人には見えないものが見えちゃう人ってことかね。
おかげさまでその騎士様の反応も見えたね。
とっとと捕まえてこようか。
「くっ、また敵か……!!」
「うるせえ!行こう!!!(ドン!!!)」
「がはっ?!!!」
腹パンで沈めた騎士様を、バスに放り込み、撤退を提案。
「逃げるの?」
と立香。
『おーい!おーい!あ、繋がった!気をつけてくれ、そっちにサーヴァントをはるかに超える極大の反応が』
「わーってる!多分ドラゴンだ!逃げよう!!!」
「もう遅いわ!ファヴニールの炎に焼き尽くされなさ」
「こやし玉ポーイ」
『フギュルルオオオオオオオン?!!!!ンガアアアアア!!!!』
「くっさ!!何これくっさ!くっさい!!!くさすぎて頭痛い!!!」
「良し今だ、バスに乗れーーー!!!!」
「え?え?何やったの旅人さん?!」
「良いから逃げるんだよォー!!!」
「こやし玉はドラゴンがエリア変更するくらい逃げる」
「????」
「あれはね、ドラゴンが嫌いな匂いがする成分を濃縮還元した匂い玉だよ」
「それで撹乱して逃げた、ってこと?で、このお兄さんは?」
「ドラゴンスレイヤーさんだ」
「なるほど……?それより、追っ手とかは大丈夫かな?」
「このバスはうちの工廠で作られた特製のマシンでね。この乗り心地で時速300kmは出てるのよ。あっち側がアキレウスみたいな俊足のサーヴァントを呼び出さない限り、追いつけないよ」
「……なんていうか、アレだよね。旅人さんって、割と抜け目ないよね」
「んー?そりゃあ、常に最悪を想定して動いてるからな」
「最悪って、例えばどんな?」
「ドラゴンが三体ぐらい追加で投入される、とか」
まあ、つまりは。
「一本先取だ、ジャンヌオルタさん」
ってか。
元から戦闘描写得意じゃないんで良いんですけど。