「……なるほど、あー、魔法少女か。うん、うん……」
微妙な表情をするローズ。
自分の惚れた男であるシャールノスが、数日間姿を消したと思えば、いきなり魔法少女を名乗る少女を連れ帰ってきたのだから。
あまつさえ、その少女は、惚れた男の嫁を自称している。
完全に意味不明だが、この意味不明を叩きつけられてもフリーズせずに思考回路を回す辺り、ローズの優秀さが窺える。
「あー……、嫁とは?」
「お嫁さんなのです!」
ニコニコ笑顔の魔法少女このえがそう返す。
「シャールノス君?」
「ああ、ゲームでは、コンパニオンと結婚したり、子供を産ませたりできるんだよ。それが現実でどうなっているか試そうと思ってな」
「んなっ?!!」
たまげるローズ。
「じゃ、じゃあ何か?!この幼気な少女をは、はら、孕ませると言うのかっ?!!」
「そうだ。問題でもあるか?」
「問題あるに決まって……っ!いや、この世界では普通のことなのか……」
暫し、頭を抱えるローズ。
そして、意を決して……。
「……子供を孕むのは、私では、駄目だろうか?」
と攻める。
素晴らしい攻めっ気だ。
他人に好意をストレートに伝えるのは、大人になればなるほど難しいのだが、こうも強く好意をぶつけられるのは、ひとえに、ローズが無垢な存在だからだろう。
もちろん、今まさにシャールノスの毒牙にかからんとしている少女を助け出そうという気概もあったのは確かだが、歳若い男に孕ませられても良いと宣言する意味が分からないほどローズは間抜けではない。
だが、ストレートに愛していると言えず、少女の身代わりになるという建前を欲したのは、紛れもなく、ローズの臆病さの表れであった。
「ふむ……、確かに、プレイヤー間ではどうなるのか分からんな」
「そ、そうだろう?だからその子には……」
「むぅ、私の旦那さんを取っちゃダメなのですっ!」
そう言って、シャールノスにべったりとくっつくこのえ。
口調はそれこそ、ローズよりも無垢な子供のものだが、科の作りかたが子供のそれではない。
「あー、そのだな……、幼いうちに出産するのは難しいんじゃないだろうか?シャールノス君もどうか考え直してくれないか?あまりにも危険だ」
「いや、それは……。ああ!そうか、そうかもしれんな。このえ」
何かを思いついたシャールノスは、このえに尋ねる。
「はいなのです!」
「ひょっとして、この世界では、子供ができるのに十ヶ月くらいかからないか?」
「え?そうなのです、十月十日って言うのですよ。ママが言ってたのです」
「同性では子供はできない?」
「そんなの当たり前なのです!」
「なるほど、つまり……、『畜産MOD』か!」
シャールノスは、一人でそう言って納得したが、よくわからないのはローズである。
「な、何のことだろうか?」
「ゲームのバニラでは、子供は一瞬でできて更に何人でも産めて、同性でも子作りできたんだよ。それを利用して、強い種族に子供を産ませまくって、子供を売って稼ぐのが凄く楽でな」
「う、うむ、理解したくないが理解したぞ……。それは、この世界では修正されているのだな?」
「そう言うことだ。だから、無理矢理孕ませて実験する意味はないし、危険だな」
と、そう言う話になった。
「私はいつでも良いのですよ?」
そう言って、シャールノスの頬に口付けするこのえ。
第四期の放送が2015年で、2035年になっても同人誌が発行されていた人気シリーズの魔法少女だ。
このいかがわしさはエロ同人誌のそれに由来するのかもしれない。
「……君、女性がそうも人前で男性にくっつくものではないぞ」
若干の嫉妬もあり、そう言って咎めるローズ。
「えー?好きな人に大好きって伝える事はいい事なのですよー?お姉さんは、ストレートに伝える勇気が足りないみたいだけど♡」
「んなっ……?!そ、それは……!」
そしてその妖艶さは、魔女の卵たる魔法少女のそれだった。
「うわあああああ!!!このえちゃんデスううううう!!!」「うわあああああ!!!このえちゃんだああああああ!!!」
このえの存在を知っていたのは、異形組では二人。
古いオタク文化に憧れて来日してきたロシア人にして、レトロゲーム部部員、現サイボーグ技師のオーマ。
そして、強火のオタク青年であった、現エント召喚師のアトム。
この二人だ。
「このえちゃんカワイイ!」「カワイイヤッター!」
「ふぇ?!あ、ありがとうなのです?」
「「サインください!!!」」
「は、はいなのです」
と、まあ、そんなこともありつつ……。
「じゃあ俺はこのえと悪の組織を一つ潰してくるから」
「う、うむ!よくわからんが頑張ってくれたまえ!」
シャールノスは旅立った。
因みに、この前奴隷にされた見習い盗賊のチェルシーは、この家のメイドのようなことをやっている。
毎日、金貨五十枚程のお小遣いをローズから恵んでもらっており、それを対価に家に近づいてくる雑魚クリーチャーの退治なども請け負っていた。
その小遣いで酒を買い、晩酌するのが楽しみらしい。
チェルシーはどこまで行ってもコソ泥に過ぎず、金なんて、金貨百枚以上は使い方がわからない。それは学のないからという意味合いだけでなく、純粋にそんな高額のものを買うような人生を歩んでこなかったからということでもある。
結局、毎晩気持ちよく酔える程度の酒と、一日三回の充分な食事があればそれで幸せだと思える人間だったという話だ。
アンケート結果、ハメではハーレムが良い!って人が多くて、Twitterでは男がいた方がいいって人が多いみたいですね。
ではこうしましょう。
固定メンバーにヒロインとして女性キャラを三人用意します。
で、六人パーティとして、主人とヒロイン三人に、プラス二人のヒロインに興味がない男を二人、ゲスト枠として入れます。ゲスト枠なので、たまに人を入れ替えたり、一人くらい更に増やしてもいいかもしれませんね。サブメンバー的な。
って言うかもう、ヒロインもちょくちょく別行動させて流動的なパーティ構成をしていきましょうか。知り合った女冒険者は口説いて現地妻にでもすりゃあいいんじゃないっすかね?
ヒロインはどうします?金髪ロングの女エルフ魔法使いは基本として、他は?
やっぱりエロゲとかだと、幼馴染み同級生枠、ロリ後輩枠、お姉さん系先輩枠の三つが基本ですし、それで考えますか。
幼馴染み同級生枠ってか、同世代枠はエルフで良いですね。いや、実年齢じゃなくて見た目の話です。
ロリ枠は合法ロリのハーフリングで行きます?
ドワーフの女はこの世界だと樽みたいな体型なので除外して、ハーフオーガの戦士とかにします?ここは考え中。
今のところはロリ枠に人間の見習い神官が出てるんですが。
主人公が万能枠で、エルフが魔法使い、ハーフリングは盗賊、人間の見習い神官。とりあえずこれでバランス面は良いよなー。
ここに、狩人人間の男とか、戦士ドワーフの男とかが入ると、安定感がグッと増しますね!
クエストごとに、旅する正義のパラディンとか、自由騎士とか、蛮族とか、まあ色々パーティに入ったりなんだりしてさあ。
今、ゆっくりTRPGのD&D卓見てて、ファンタジー書きたい欲でムラムラしてます。