誰か助けて♡
シャールノスが魔法少女を誘拐して誑かしている時、イームル村の人間組は、というと……。
「おら!NPC共!とっとと飯を出せ!」
「そうよ!あと、村の周りのモンスターも倒してやったんだから、金も出しなさいよね!」
散々に暴れ回っていた。
「はぁー、シケた村だぜ!」
「もっと大きな街に行かなきゃな」
「そうそう、城とか欲しいよな!」
だが、調子に乗っていられるのはここまでであった。
村人も間抜けではない。
法律がなくとも、こういう時の解決法はしっかりとあった。
疑問に思わなかっただろうか?
冒険者ギルドなどのギルドで依頼をこなすと、功績点が加点され、功績が可視化される。
それは良い。
だが、この地球並みに広い『エンデリオン』の地で、中世そこらの文明がどうやって、各地にある別々のギルド同士で連携をとっているのか?
その答えはこうだ。
「賊だ!殺せぇーーーっ!!!」
「「「「「「おおおおおおおっ!!!」」」」」」
イームル村に向かって、雄叫びを上げる軍勢。
傭兵団、『大鷲軍団』である。
そう……、この世界では、古代文明の遺産という名目で、『インターネット』が残っているのだ。
それを利用して、イームル村の住人達は、この付近の領主である『オプーネ伯爵』に救援要請を出したのだ。
オプーネ伯爵はそれを受けて、傭兵団である大鷲軍団を呼び集めて、イームル村奪還作戦を指示した!
「な、な、なんだあれ?!!」
「兵士だ!」
「軍隊だ!」
大鷲軍団の人数は三百人ほどだが、大きな軍馬に跨がり、フルプレートの鎧を着込んだ威圧的な兵士ばかり。
それを見た人間組は、皆一様に肝を潰した。
「イームル村を占拠した賊徒共!伯爵様の命令だ!今すぐに出て行け、さもなくば皆殺しだ!」
馬上からそう叫んだのは、大鷲軍団の団長である『黒騎士ガジム』だ。
漆黒のプレートメイルには水牛のような角と紫の飾り布があり、地獄から来た軍団の団長と言われても違和感のない様相であった。
そんなガジムは、《★ドラゴンイーター》と呼ばれる巨大なグレートソードを掲げながら、このようにいきなり最終勧告を浴びせた。
「な……?!ちょ、ちょっと待てよ!おかしいだろ!」
この一団のリーダーを気取るレックスは、文句を言うために声を上げた。
レックスは、何も悪いことなどしていないと本気でそう思っているからだ。
「そうですよ!まずは話し合いをしましょう!我々はですねぇ……」
そう言って、貼り付けたような笑みを浮かべつつ近寄ったのは、インチュイトこと、田塚翔(たつかしょう)だ。
このインチュイトは、元は物理学の教師であったのだが、死ぬほど学歴コンプを拗らせており、自分より学歴の高い教師や賢い生徒に劣等感を丸出しにするクズであった。
そして更に、この世界にいるような中世並みの学力しか持たない村人達や、目の前の無骨な黒騎士も、低学歴だと思い込んで見下していた。
「……という訳なのです!良いですか?あなたのような学のない人間には理解できないかもしれませんが、物事には順序というものがあります。まずはその伯爵様とやらが出向いて交渉をするのが礼儀というものでしょう?」
インチュイトは、居丈高に、演説するかのようにそう言う。
異世界に来ても、学のないものは見下し、自分より賢いものは妬むという姿勢は変わっていなかった。
「言いてぇ事はそれだけか?」
「は?何を……」
瞬間、ガジムは、肩に担いだ特大のグレートソードを振り下ろした!
剣閃が煌めく、などと言った美しいものではなく、ただ敵を叩き潰す残酷な戦場の鉄槌は、インチュイトを『*ミンチにした*』のだ。
真っ二つとは口が裂けても言えない、まるで電車に撥ねられたかのように爆ぜたインチュイト。
その、とてもじゃないが、剣戟によるものだとは思えない惨たらしい死体の、かろうじて残っていた両足がぱたりと横たえた。
その瞬間……。
「「「「あ、ああ、うわあああああああっ!!!!!」」」」
「「「「きゃああああああっ!!!!!」」」」
人間組は、面白いくらいに恐慌に陥った。
「……なんでぇ、大したことねえ。数だけのクズか」
ガジムはそう吐き捨てると、再びグレートソードを振るい、前方にいるすっとろいアホを数人まとめて両断した。
「ぎゃああああっ!!!」「いやあああっ!!!」「ごえあっ!!!」
「おらおらっ!とっとと消えろ!ぶっ殺すぞ!」
「ひ、ひいいっ!」
レックスは、リーダーを自称するにも拘らず、インチュイトが惨殺された時点で一人だけ一目散に逃げていた。
「なんだあれ、なんだあれっ!聞いてないぞ!俺達は勇者なんじゃないのかよおっ?!!」
世迷いごとを呟きながら、必死に走る人間組。
しかし、逃げられたのはまだ幸運というか、頭が働く方だった。
人間組の約七割の、戦うことも何もできずに不平不満だけを言う真性のクズ集団、通称無能組は、目の前の人死で立ち竦むか、あるいは腰を抜かして失禁した。
そして、そんなアホの中のアホは、大鷲軍団に斬り刻まれて、一瞬でその命の灯火を消した。
まだマシな方のアホ……、戦闘組と呼ばれる集団は、脇目も振らずに必死になって逃亡したが故、逃げ切ることができた。
否、逃げ切れたと表現するのは正しくない。
大鷲軍団の仕事は、イームル村の奪還である為、わざわざ逃げる雑魚を追いかけて殺す意味と、価値がないというだけの話だった。
そうして、泣きながら、戦わずして無様に敗走した戦闘組は……。
走って、走って、走れなくなる頃、イームル村が豆粒ほども見えなくなるほど遠くに離れた頃。
「どこだ、ここは……?」
何もない平原のど真ん中にいることに気がついた……。
もう二度と生ニンニクを大量摂取したりなんかしないよ!(海外ドキュメンタリー風に)
ディードリットのエルフ感が俺の思うエルフ感にドンピシャだし、可愛くてやばい。
六人くらいのパーティで旅に出たいよなあ俺もなあ。
そんな訳でTRPG転生を書き書き。
設定とステータスを書くのが楽しい。みんなTRPG世界の住人なんで、魔法も使えて一人十種類くらいだから設定するのが楽。
D&Dやアリアンロッドなどを参考に設定作ってます。
ところで、パーティメンバーはどうします?
いつも通りチンポに忠実にメスを揃えますか?
それとも、硬派ファンタジーを気取って何人か男を入れますか?