ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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あー。

あー?

外が暑過ぎて外に出れねぇ。

気安く外食行こう!とかできないな……。




異形組は早起きした

盗賊退治から一週間。

 

異形組の心の傷も、多少は和らいだ。

 

そんな彼らはどう生活しているのだろうか?

 

 

 

まず、大体七時前後には起床する。

 

廃墟改め『家』の、一階の寝室部分は男子、二階部分は女子、屋根裏部屋はシャールノスの個室となっている。

 

因みに、異形組は四十人いるが、そのうち十六人が男子で二十四人が女子である。

 

なので、男子部屋となっている一階寝室の方が、二階全体の女子部屋より狭い。

 

シャールノス……?あいつのことはまあ、置いておいてほしい。

 

周りが何も言わないのを良いことに、屋根裏部屋を占拠したのだ。

 

大分、面の皮が厚い。

 

さて、起床時間になって真っ先に起きるのは、男子部屋では、元教師のオケアノスと……。

 

「おーし、お前ら、起きろー」

 

二年生の入江彰良(いりえあきら)、今の名をエンドロールと言う男である。

 

このエンドロールは、素晴らしく自立している青年だった。

 

高校生にして、マンションで一人暮らしをしており、毎日の生活費をアルバイトで稼いでいるという男。

 

かなりのバイタリティがあり、いきなり知らないところにほっぽり出されても、コミュ力と社会性で何とかしてしまうような、いわゆるしっかり者であった。

 

とは言え、外見はヒッピーのような長髪で、態度は昼行灯そのものだが。

 

そんな彼は、現在、ソルリアンという種族に転生していた。

 

ソルリアンは、古代の超科学文明である、『第二文明ギャラクティカ』の頃に創造された種族で、白粉を塗ったかのように白い肌と、燃え盛るように輝く赤い髪、額に煌く赤い宝玉が特徴の人種だ。

 

一言で言えば『宇宙人』である。

 

太陽の近くで生活する種族で、火炎に対して素晴らしい耐性を持ち、太陽の下にいると強化されるという特徴を持つ。その代わり、流水にとても弱く、成長もとても遅い。

 

エンドロールは、真っ先に起きると、周りの男子達を起こして、顔を洗ってくる。

 

そして、同タイミングで起きてきた女子の何人かと連携して、朝食を作る。

 

「エンちゃん、おは」

 

作り終えた朝食を並べているエンドロールに気安く挨拶したのは、高松梢枝(たかまつこずえ)……、今の名をオープニングという女だ。

 

彼女は、エンドロールのマンションの隣室に住む女性であり、幼馴染みでもある。

 

彼女は生活力が一切ないので、エンドロールに全ての家事から身支度までやってもらっているだらしない女だった。

 

だがしかし、勉学においては極めて賢く、興味のある事柄に対しては素晴らしい能力を発揮する、いわゆる天才肌の人物でもある。

 

そんな彼女は今、ソルリアンの対になる種族、ルナリアンに転生していた。

 

「おはよう、オープニング。ほら、こっちに来い」

 

「うあー」

 

「お前も女の子なんだから、髪くらい自分で整えろよ……」

 

そんなことを言いつつも、慣れた手つきでオープニングの髪に櫛を通すエンドロール。

 

「え、だるい」

 

「だるいじゃねえよ!世の中の女の子はみんな自分でやってんの!」

 

「あー?私にはエンちゃんがいるから、へーき」

 

「はあ?俺が一生そばに居てやれるとは限らないだろ?」

 

「……あほ」

 

「なんでだよ?!」

 

……このようなイチャつきを朝から見せられる周りはどうなのだろうか?

 

「ヨウザンちゃん……、アレで付き合ってないってマジなの?」

 

半笑いでそう言ったのは、三年の岡崎春(おかざきはる)だった男、ロビンである。

 

三枚目の女好き、種族はライカンスロープ。

 

「いやぁ……、そうらしいですね」

 

そう返すのは、元生徒会書記のゴーレム、ヨウザン。

 

「なんか……、ラブコメって感じですよね」

 

三年生の池尻始(いけじりはじめ)だった存在、エントのアトムもそう言って追従した。

 

「でも、微笑ましいじゃないですか。今まで頑張ってきたのも、無駄じゃなかったんだな、って思えて……」

 

ヨウザンは、レベルが上がったことにより、肉体が土塊から石塊に変わっていた。

 

その石の口で、朝食として鉄鉱石を齧る。

 

「……そう、ですね。上手く言葉にできないですけど、こういう日常を守るために戦ってるんですよね」

 

アトムは、エント……、樹木人らしく、水分で栄養を補給する為、朝食として軽傷治療のポーションを飲んでいた。

 

「なぁにを枯れたこと言ってるんだい?君達も若いんだからさ、もっと恋とかしようぜ?」

 

そう言って、ロビンは朝からこんがり肉を齧る。

 

「そんなこと言われましても」

 

「僕はオタクですし」

 

なんだかんだ理由をつけて、奥手な二人は女性に近付こうとしない。

 

とは言え、人間はできているので、紳士的ではあるが。

 

「オイオイ、そんなことないだろ?君らだって良い男だ、自信を持てよ!なあ、女のコ達もそう思うだろ?」

 

そう言って、両隣のヨウザンとアトムの肩を抱くロビン。

 

それに対して、向かい側に座っている久世彩芽(くぜあやめ)だった存在であるチヨメはこう返した。

 

「ロビン先輩は人間的に好きになれないでござるが、ヨウザン先輩とアトム先輩は素敵な方だと思うでござるよ」

 

と。

 

「うっへぇ、告白する前に振られちゃったよ!」

 

三枚目らしく、おどけてそう言ったロビン。

 

「……ですが、こう言われても怒らない辺りは良い人だと思うでござる」

 

ロビンは恋愛したり、異性と遊ぶのが好きではあるが、手酷く振られても決して怒ったりはせず、その上で紳士的だった。

 

顔は、シャールノスのような超絶美形と比べると、残念ながら二枚目半と言ったところだが、その紳士的な態度とよく回る口は、多くの女性を口説き落としてきた。

 

そんな風にして楽しく食事をして……、午前八時頃には出勤を始める。

 




TRPGのやつ、割と楽しくて書いちゃってる……。

これ以上新作を抱えたくないんだけど、思いつきだから仕方ないよね。

もちろん、旧作の続きも書きました。

今手元にあるのは、帰還勇者と追放賢者とバフ料理ですね。ローグライクの書き溜めを全部吐いたら投稿します。

どれ先に見たいとかあれば聞きます。

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