ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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最後のイライラシーンです。


EX4:暴虐

異世界転移から一ヶ月ほどが過ぎた。

 

異形組は、ラダムへ到着したところだ。

 

一方でこの人間組はと言うと……。

 

「村だ!村を見つけたぞー!」

 

「「「「「「うおおおお!!!」」」」」」

 

イームル村に雪崩れ込んでいた。

 

どうしてこうなったのか?

 

理由は簡単。

 

『食糧不足』……、これに尽きる。

 

確かに、戦闘組の平均レベルは既に30を超えているし、平均戦闘能力も28程になっていた。

 

異形組の平均レベルは24なので、かなり高いと言っていいだろう。

 

……なお、異形組の平均戦闘能力は44だが。

 

まあとにかく、一端のレベルにはなっている。

 

このゲームはローグライクであるからして、空腹度という尺度がしっかり存在し、まあつまるところ、飢えると死ぬ。

 

あの神の厚意で用意された小屋にあった保存食を、彼らは食べ尽くしたのだ。

 

保存食の量があと数日分……、となったところで、慌てて動き出した人間組は、その人数を活かして人海戦術で人里を探した。

 

その結果見つけたのが、このゲームのいわゆる始まりの村、イームル村であった。

 

彼らはそこで、交渉……、と称して食料を奪うつもりだ。

 

 

 

「なっ……?!!何だ、お前らはっ?!!」

 

村の自警団の狩人が、千人を超える流れ者を見て仰天する。

 

異形組の四十人でも驚くくらいだったこの村に、村の住民と同数ほどの規模の人間が集まるのは、驚くどころの騒ぎではない。

 

異形組は、村に配慮して常に野営して過ごしていた(とは言え、女達は宿を使っていたが)お陰で、村に混乱はなかったのだが、ここにいる人間組は……。

 

「おい、NPCのおっさん!」

 

この態度であった。

 

レックスは、この世界をゲームだと聞いてから、『自分達はプレイヤー=特別な存在である』と思い込み、自意識と自尊心、そしてなによりも承認欲求が醜く肥大化していた。

 

実際のところこのゲームでのプレイヤーは、ローグライクであるが故に、単なる無位無冠の流れ者に過ぎないのだが。

 

決して、『選ばれた光の勇者』でもなければ、それどころか『物語の主人公』ですらない。

 

ただ、この《灰の玉座》という世界に流れ着いた一人の無頼漢で、少なくともスタート時は、何者でもないただ一人の旅人だ。

 

むしろ、何者でもないただの流浪人が、これからの冒険で『何者か』になっていくのがこのゲームの主題とも言える。

 

その何者かは、世界を股にかける商人か、あらゆるダンジョンを制覇した戦士か……、はたまた木端農民か。それは、現時点では誰にも分からないが。

 

「は……?え、えぬぴーしー、とは何だ?」

 

もちろん、自警団の狩人達はそんな反応をした。当たり前だ、彼らは人間でNPCではないし、NPCなどという言葉は知らない。

 

「はぁ?出来の悪いAIだな!とりあえず飯だ!」

 

「待て待て、お前ら全員分の飯など、この村にはない!」

 

「じゃあどうしろって言うんだよ?!ゲームなんだから食い物なんてすぐに出せるだろ?!」

 

「何を言ってるんだお前は?!赤ん坊じゃないんだから、自分の食い扶持くらい自分達でどうにかしろっ!!!」

 

自警団はそう言い放った。

 

それは、この世界では当たり前のことである。

 

少なくともこのイームル村では、レックスよりも小さな10歳にも満たない子供も、何かしら仕事をして、それで生きる糧を得ている。

 

それが当たり前の世界だ。

 

であるからして、いきなり大勢で押しかけて、飯を出せと脅しつけるのは恥ずべき行為である。

 

「テ、テメェ!馬鹿にしてんのか!」

 

「ぐあっ!」

 

レックスは、自警団の狩人を殴りつけた。

 

侮辱されたと思ったので殴ったのだ。

 

『ゲームだから』をすべての言い訳にして、あらゆる行為を正当化している。

 

「お、お前っ!」「何をする?!」「やりやがった!」

 

周りの自警団達が声を上げた。

 

そもそも、千人の人口の村に千人の身元不明者が押しかけてきた!というのは、村人からすれば何をされるか分からない恐怖でいっぱいだった。

 

現在のここは、一触即発の空気と言っていい。

 

そこでいきなり、正論で諭されたから逆上して殴りかかってきた!などと言うのは、相当に頭がおかしい奴だと喧伝しているようなものだ。

 

だが、当の殴った本人は平然として、仲間と話し始めた。

 

「アレじゃないか?ほら、金貨」

 

「あー、そうか。金を払ってことだったのか。チッ、NPCは融通が利かないな……」

 

「まあ、お金を払えば何でも手に入るんだから良いじゃない」

 

「そうそう、慰謝料でも払っておけば?」

 

「そうだな、ほら、金貨一枚やるよ」

 

「えー?田舎者だし、金貨とか見たことないんじゃない?」

 

「はは、そうかもな!」

 

レックス達はそう言うと、1Gだけを、殴られて倒れている自警団員に投げつけた。

 

もちろん、これは、これこそが侮辱行為だ。

 

問題は、彼ら人間組は、村人達を侮辱した自覚がないことだ。

 

ゴールド、金貨。なるほど、地球ならば高価だろう。だがこの、《灰の玉座》の世界である『エンデリオン』においては、金はそこまで価値のある物質ではない。

 

金貨一枚の価値は、地球で例えると百円程だろうか?

 

因みに、初期状態での所持金は、職業や性格、種族などによりまちまちだが、概ね300〜600Gと言ったところ。

 

つまり今は、レックスは、百円玉を投げつけて、これで飯を千人分用意しろと宣ったことになる。

 

それが侮辱でなくて何になる?と言う話だ。

 

とは言え、村人達は逆らえない。

 

村人達の中で戦えるのは百人前後の自警団だけで、彼らの平均レベルは12ほど、平均戦闘能力は20ほどと、かなり控えめだ。

 

自分達より強いかどうかは、このゲームでは、相手を注視すれば何となくわかるというシステムがあるので、村人達はこの坂東高校の人間組が自分達より強いと理解できている。

 

「何やってんだよ!金をやったんだから、早く食いもんを持ってこい!」

 

「ぐ……!わ、分かった……」

 

 

 

こうして、人間組はイームル村から物資を奪い取り、なんとか生存することができた。

 

だが……、彼らが調子に乗れていたのはここまでである。

 

統一政府も、明文化された法律もない中世のような世界で、力をもって他人を害した時どうなるかを。

 

即ち、力には力を。

 

暴虐には暴虐を返されるのだということを、彼らは考えるべきであった。

 




召喚もの、主人公が下衆で書いてて気持ちがええんじゃ。

だがプロットがないからここで考えます。

そうまず、書けているところの説明から。

主人公!能力は召喚!魔力を貯めつつ生きているのだが、ある日突然探索局に捕まって探索者学校に打ち込まれる!

Q:なんで逃げないの?

A:逃げて戦うってことは貯金に相当する魔力を無駄遣いするってことやぞ。何人来ようと余裕で始末できるけど、始末するのに魔力を無駄遣いするとかヤダ!

Q:でも、探索者学校に入れば結局魔力を使うよね?

A:そんなん全授業サボりやぞ。

そんな感じで、エロゲヒロインみたいなヒロインモドキ三人を弄りながら、授業はほぼサボり生きることを決意。

まず、ヒロインは、正統派幼馴染、復讐系、舎弟妹系の三匹で。いつものようにヒロインは添えるだけなので安心してね!

ヒロインとの顔合わせ、魔法のお披露目会が終わったら、次は噛ませとの戦闘シーンでも書くかなあ。

噛ませの男を秒殺して、補導を受けることになるがサボる。

ちょい待ち、その前に主人公の目標を決めとこう。

うーーーん?当面は魔力を貯めることかな。異世界転移装置を購入して、別の世界で生きていくことも考えてるんだけど、どの道、魔力が貯まるのを待たないと何もできん。つまりは、平穏無事に学校を卒業して、探索者になってクソ以下の成果で働いているフリをしつつ魔力を貯め、そして異世界に転移するんだかしないんだか。どの道、生活に必要なものは自弁できるから、早急に欲しいものとかないんだろうね。

いやもう、学園ものじゃなくてもいいんじゃないか?三年とは言わず一年くらいの訓練で放り出されるのとか、末期感出てて良くないか?ジオン軍かな?

主人公は魔法を『召喚』ではなく『バリア』と嘘つくんだけど、それを利用してヒロイン共に働かせて自分は楽々生活ってのはどう?

いやでも、学園編は確定なんだし、学園編のイベントを詰めていくべきか……。

とは言え、やることはそう多くはないよな。学園祭とかできるほど豊かじゃないから、訓練訓練アンド訓練だろうし……。

前期には魔法に慣れるための訓練、後期では実地訓練になる感じで良いとは思うけど……。

だったら学園編そのものが要らんよなあ。いやでも、公的機関が生きてるなら、探索者学校的なのは絶対作るだろうし。

学園ものじゃなくてもいいな、ポストアポカリプスと学園ものは相性が悪いよ。やっぱり、さっさと卒業させて探索者にしちゃおう。フォールアウトでも学校のシーンは音速で過ぎていったしね。

そんな感じでヒロイン共のヒモでもやろうか。

とりあえず思いつくのは、生まれた地である孤児院に行って金を地面に落として院長に拾わせること、復讐系ヒロインの復讐相手であるモンスターとの戦い、舎弟系ヒロインがストリートチルドレンだった頃の因縁の話。

それが終わったら……、うーん、もうアレだね、無理にサブイベント突っ込まんでメインストーリーぶっちぎっちゃう方が良いね。

という訳で、主人公の拠点にしている街である帝都トウキョウにモンスターの大襲撃。追い詰められた主人公は、三年分の魔力貯蓄を切り崩して、スピリットオブマザーウィルみたいな移動多脚要塞を召喚して全てを蹂躙する。

その後、トウキョウの復興を待たずに安全な地を求めて脱出。

あー、一応地理関係については、人口多そうなところは生きてるって設定です。ヨコハマ、センダイ、ナゴヤ、オオサカとかね。

で脱出……、ヨコハマにしましょうか。ヨコハマに脱出します。

トウキョウは田舎って絶対にしません?国の中枢はキョウトで。

だから、脱出先のヨコハマはそこそこ都会でみんな驚く感じで。

でゃー、どうしますかねえ、ヨコハマ。

じゃあヨコハマまで地下道で行きましょう。メトロリスペクトです。地上は瘴気で汚染されてるとかなんかそんなんで。

旅の道中で、ヒロイン共に美味い飯でも恵んでやるシーンを書いて気持ち良くなっておくこととします。

そして、ヨコハマでは、ヨコハマの探索者に絡まれたりしましょうよ。もちろん瞬殺ですが。

主人公はそのまま、探索者をやりながら安住の地を目指して移動するってことで。

あーもう時間もないしとりあえずここまで。

なんかポストアポカリプスっぽいイベントとかねーかなー。ポストアポカリプス、そもそも総数が少ないから、中々お手本がなくって書きにくいんですよね。

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