ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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おまんこぉ^〜。


あなたは『盗賊団のアジト』を発見した

女盗賊は、名前を『チェルシー』と言うそうだ。お菓子のような名前で笑ってしまった。少なくとも、盗賊の名前ではないだろうに。

 

雑に短く刈り揃えた赤毛とそばかす、目つきの悪い三白眼の、生意気そうな面をした17歳前後の女。

 

クリーチャー名としては『見習い盗賊』で、戦闘能力は『15』前後、レベルは7で。

 

その名の通り、ヒューマンの盗賊である。

 

盗賊らしく、他人から奪ったものをたらふく食べたのだろう。故に、そこそこに豊満な身体をしていた。

 

だが、美の女神に愛されているとしか思えないような容姿をしている、アヤ、ローズ、ララベル、オーマ、ついでにジャンヌ辺りと比べてしまうと、流石にいくつか格は落ちる。

 

……そう言えば、ここにいる異形組は、見た目が良い奴ばかりだな。

 

まあ、明らかなブサイクはもれなく人格も歪んでいるから仕方ないか。

 

俺は美形だから分からんが、明らかなブサイクは、親からも周りからも容姿を揶揄われ続けて生きてきた訳で。そんなことをされて育てば人格も歪むだろうな。

 

逆に美形は、周りからもてはやされ、親にも教師にも優しくされて、特別扱いされ、あらゆる能力が伸びていく。

 

よく、イケメンは性格が悪い……、などと言うが、アレはブサイクの僻みだ。

 

とは言え、俺は例外的に性格の悪いイケメンだが。しかし、人格が卑屈に歪んでいる訳ではない。ただ、性格が悪いだけだ。

 

 

 

さて、盗賊を捕まえたのには理由がある。

 

ローズに配慮した訳じゃない。

 

まず一つ、人型コンパニオンの実験材料が欲しかったからだ。

 

ゲームでのコンパニオンと実際の動作について調べておきたかった。

 

そして第二に……。

 

「チェルシー、早速だが、盗賊団のアジトに案内しろ」

 

盗賊の持ち物は、盗賊を討伐した者が貰えるのが、この世界のルールである、ということ。

 

つまり、こいつにアジトに案内させ、アジトにあるアイテムを頂こうという寸法だ。

 

「わ、分かったよ旦那……」

 

異形組はこの場でしばらく待機するらしいので、俺は街道の外れにあるらしい、ランダムダンジョンである『盗賊団のアジト』を攻略する。

 

 

 

はずだったのだが、盗賊団のアジトはもぬけの空だった。

 

「おい、どういうことだ?」

 

「ど、どういうことって何だい?」

 

ふむ……。

 

「まさか……、盗賊団は全滅したのか?」

 

「えぇ……?!あんだけ殺しておいてその言い様?!」

 

なるほどな。

 

定期的に何度も起きるランダムイベントである、『盗賊団の襲撃』は、襲いかかってくる盗賊団を全滅させると、ランダムダンジョンである『盗賊団のアジト』への地図を得られる。

 

盗賊団のアジトには、『見習い盗賊』『盗賊』『殺人鬼』『盗賊の頭』が出現し、それらを全滅させて最奥を漁ると、そこそこにレアなアイテムが得られる……、というものなのだが。

 

この世界は『現実化』というパッチが当てられているが故に、『野外マップで盗賊団を全滅させたのに、その盗賊団のアジトに更に盗賊がいる』と言った論理的矛盾をなくしているようだ。

 

話を聞いてみようか。

 

「あれで盗賊団は全員だったのか?」

 

「そ、そうだよ。うちはそんな大きい盗賊団じゃないからね。襲撃をする組と待機する組……、みたいに班分けをすることなんてできないよ」

 

なるほど。

 

裏を返せば、大きい盗賊団なら、盗賊団のアジトに待機しているクリーチャーがいたかもしれない、という事か。

 

これが現実化パッチか……。

 

まあ、脆い盗賊相手に武器を振ったとしても、大した経験値は得られないからな。

 

むしろ、無駄な時間を過ごさなくて良いことは利点として受け止めるべきだろう。

 

では、アジトの物資は根こそぎ頂いて……、おお、物資が多いな。

 

この辺も現実化パッチということか。

 

そりゃそうだろう。

 

例えばゲームでは、『数十万の兵士がいる砦』という名目のダンジョンがあったが、置いてある物資の量は百人分に満たない……、とかそんなこともあった。

 

アレは、PCの描画できる限界までしかアイテムを配置できないというゲームとして避けられない事情から来るものだったのだろう。

 

だが、この世界は現実だ。

 

その辺り、色々と修正されているだろうから、気を付けていかないとな。

 

 

 

さて、頂戴してきた物資を馬車に詰めて、と。

 

再出発だ。

 

「馭者はできるか?」

 

「で、できるけど……」

 

「じゃあ頼んだ。俺はその辺を飛んでる」

 

チェルシーに馬車を任せて、あとは移動。

 

空中に直立しながら、娯楽小説を読みつつも空を飛ぶ。

 

「部長!ワタシも飛びたいデス!」

 

地面から手を振るのは、サイボーグ技師のオーマだ。

 

元々はロシア人の美女だったが、今はサイボーグになっている。

 

癖のある銀髪のセミロング、切れ目ながらもクールそうな表情、スカイブルーの瞳。モデルのように絞られた美しい肉体を持つ美女。

 

現段階では、このように人だった頃と同じ姿をしているが、サイボーグ技師ということは、これからどんどん自分を『改造』していくことになるはずだ。

 

例えば、腕にレーザー砲をつけたり、内臓を魔力炉心と入れ替えたり、ウイングを増設したり……。

 

最終的にアメコミヒーローとかFPS系SF洋ゲーみたいな様相になることも可能だ。

 

ついでに言えば、巨大兵器と一体化したりすることもできる。

 

まあ、それは後々の話だ。

 

「ほら、掴まれ」

 

「ハイ!」

 

俺は、オーマを抱き上げて、それなりに高く空を飛ぶ。

 

「凄いデスねー!空を飛んでマース!」

 

殺人したことについてはスルーされてるが、気を遣われているのだろうか?

 

オーマは、空気が凍った時にあえて戯けてみせて、場を和ませるムードメーカーだ。

 

つまり、そう言うことだろう。

 

にしても、サイボーグになったこの女の身体の柔らかさを感じて、性的な興奮を覚えるのはアリなのだろうか?

 

……まあ、深く考えないでおこう。

 




生きるのに疲れた……。

田舎で古本屋やりたい……。


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