ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

1141 / 1724
カッコいい戦闘シーンを書きたい。

難しい言葉いっぱい使いたい。


あなたの目の前に盗賊団が現れた

異世界転移から二週間。

 

異形組一同は、ラダムへ向けて街道を歩いていた。

 

「ふむ……、地図によると、街道を通らない方が早いようだが?」

 

ローズが、手元の地図を読みながら言う。

 

「ん……、ああ、街道以外を通るとクリーチャーの襲撃が多くなるんだよ」

 

シャールノスが小説を読みながら答える。

 

「なるほど、では、遠回りであっても街道を歩った方が結果的に速いということか。急がば回れとはよく言ったものだな」

 

「そうだな」

 

そんな話をしながら、異形組で共同購入した馬車十台の列に、空を飛びながらついていく二人。

 

「シャールノス君」「先輩ー!」

 

同じく、飛行能力のあるゴーストのアヤとデーモンのララベルが空を飛んで追ってくる。

 

「うーん!空飛ぶのって気持ちいい!」

 

ララベルは、嬉しそうに空を飛び回る。

 

「ええ、本当に……。風が気持ちいい……」

 

アヤも、風を切って空を飛ぶ。

 

因みに、シャールノスは、直立状態で娯楽小説を読みながら、極彩色の翅から煌めく鱗粉のようなものを撒き散らしつつ高速で空を飛んでいる。

 

側から見れば、なんか派手なキラキラした奴が空を飛んでいるので、流れ星のように見えるかもしれない。

 

 

 

さて、ここまでは順調だったが、一つハプニングが起きる。

 

それはある種お約束の……。

 

「待ちな!俺達は盗賊団『空飛ぶ蟹団』だ!命が惜しけりゃ有り金全部と馬車を中身ごと置いてきな!」

 

盗賊団、野盗の出現である。

 

「な……?!と、盗賊団、だと?!」

 

ローズは今まで、平和な日本で過ごし、イームル村でも穏やかに生活してきた故、このような他人の悪意に触れるのはあまり経験のないことだった。

 

その為、大きく動揺してしまう。

 

だが、動揺しても復帰が早い。

 

ローズは即座に異議を申し立てた。

 

「ま、待ってくれ!金はある程度渡してもいいが、馬車の中身は……!」

 

ローズはたまらずそう言って交渉をしようとする。

 

実際、馬車の中身は、皆で集めた食料や資材であるが故、それらを全て渡せばこの近くに街のない平原のど真ん中で着の身着のまま放り出されることになる。

 

そうなれば飢えて死ぬ。

 

故に、なんとか交渉しようと声を上げたのだが……。

 

「んん〜?よし!女も全員ここに置いていけ!」

 

盗賊がそんな話を聞く訳がない。

 

金、物、女を置いていけの一点張りだ。

 

「ふむ……?」

 

一方でシャールノスは、金と物だけでなく女も置いていけと言った盗賊団を見て、驚いていた。

 

《灰の玉座》では、バニラでは女を置いていけなどとは言われないからだ。

 

バニラでの盗賊団襲撃のランダムイベントでは、ある程度の金と馬車の中身を置いていけと脅され、断って戦うか、逃げるか、素直に渡すかの三択を選ぶ形だった。

 

だが今回は、現実に即した内容の盗賊の動きだった。

 

有り金と馬車そのもの、ついでに女も置いていけ!という要求は、実に盗賊らしい。

 

「ああ!なるほど。ヴァリアントのeroticaが入っているのか」

 

シャールノスは一人でそう呟いた。

 

ヴァリアントの《erotica》とは、この《灰の玉座》にR18要素を追加したバージョンのことである。

 

R18要素を追加せずとも、『売春する』だとか『子供を作る』だとか、そう言ったことはできるのだが、このeroticaではその辺りの性描写を多くしているのが特徴となっている。

 

まあ、基本的に、超美麗グラフィックのVRMMOが主流の日本で、今時、2Dドット見下ろし型ローグライクなどをやるような奴は頭がおかしいので、どのヴァリアントもどのMODも、尖り切った変態性癖の塊である。

 

その点、ただ性的な描写を増やすだけのeroticaはまだマシな方であった。

 

「オラ!早くしろ!女はこっちだ!」

 

「げへへ……、あの女は乳がでけえぞ」

 

「うまそうなケツだあ」

 

さて、下卑で粗野な盗賊達は、異形組の女達にぞっとするような性欲の篭った目を向けてきた。

 

「ひっ……!」

 

本能的に、その視線に恐れを感じる女達。

 

因みにだが、この世界はアメリカなんて目じゃないほどの多民族世界なので、種族が◯◯だから……、といって差別されることはない。魅力の能力値は考慮されるようだが。

 

更に言えば、ゴーレムだろうがサイボーグだろうがゴーストだろうが、何故か性行為はできる。その辺りは深く考えてはいけない。ローグライクなので。

 

つまりは、このままでは女は犯され富は奪われるのだが……。

 

 

 

「死ね」

 

 

 

だが、そうはならなかった。

 

「なん……、じゃぶぁ?!」

 

サイケデリックな万色の閃光が通り過ぎると、通過点にいた盗賊はバラバラにされた。

 

後に残るは、残り香のような極彩色の鱗粉と、赤く染まった肉塊のみ。

 

『盗賊団員A〜Eは*ミンチになった*』というシステムメッセージが聞こえたのは、プレイヤーたる転生者達の空耳だろうか?

 

血と髄液に塗れた凶器が、黄昏時の少し前の、青でも赤でもない曖昧な空の中で、ただ一つの夜のように蠢く。

 

「ひっ……!」

 

悲鳴を上げたのは、残りの盗賊団か?それとも仲間であるはずの異形組か?

 

闇色の肌に浮かぶ、灼爍たる金色の瞳。

 

怜悧な相貌は、斯様な殺戮の後でもまるで歪まず、それどころか素晴らしく理知に満ちた瞳をしていた。

 

そう、シャールノスである。

 

彼は、人間を殺した。

 

イームル村で、何度も村人とコミュニケーションを取り、この世界に生きるものは単なるNPCではなく、理性と心を持つ人間であると確信した上で……、殺害した。

 

「シャールノス、君……?!」

 

ローズが驚きの声を上げる。

 

頼れる男性であり、仄かな……、ローズ本人は自覚していないが恋心すら抱いていた男。好いている男が、人を殺したのだから。

 

それも、あっさりと。

 

眉一つ動かさずに。

 

「……な、んで」

 

ローズが、声にならない声で何かを言おうとしたその時。

 

「アぁ」

 

シャールノスは大きく口を開いた。

 

そして。

 

「『地獄の吐息(ヘルブレス)』」

 

赤黒い火炎を口から撒き散らし、残りの盗賊団員を焼き殺した。

 

「や、めろ、やめてくれ」

 

ローズが、震える声でそう言った。

 

怖いのだ。

 

自分の好きな男が、得体の知れない悍しい『何か』に見えるから。

 

自分の知っている存在が、全く未知の『何か』に変わっていってしまっているように見えるから。

 

その間も、シャールノスは、逃げ惑う盗賊団員を、手に持ったグレートソードで斬り刻んで回っている。

 

一振りごとに肉片が飛び散り、赤い塗料のバケツをぶち撒けたかのように血が舞う。

 

「もう、もうやめてくれっ!!!」

 

それは、いつでも胸を張り、自信に溢れた態度を取るローズとは思えないほどに、女々しく弱々しい、絞り出された悲鳴だった。

 

ローズは横合いから、グレートソードを振りかぶるシャールノスに、泣きながら抱きついた。

 

「君に!そんな事をして欲しくない!やめろっ!」

 

そう、泣いたのだ。

 

あの、凛々しく美しいローズが。

 

「何だ?今は気を抜いて良い時ではないぞ」

 

シャールノスは、泣きながら命乞いをする最後の盗賊団員に刃を向けながら、片手でローズを押し退けた。

 

この世界の人間はNPCではないが、この男こそNPCめいている。

 

人間らしい、感情によるファジーな処理は一切なく、コンピュータAIのように決まった処理をする。

 

即ち、『敵はルールの範囲内で最大のダメージを与えて排除する』こと……。

 

例えば、日本では、殺人は非合法的行為であったためやらなかった。ルールに反する事をすると自分が罰せられるからだ。

 

だが、敵に対しては、暴力を振るわれたことに対する『正当防衛』や、証拠を集めての『起訴』や『ネット公開』など、徹底的に攻撃して潰してきた。

 

この男は、『敵』は『潰す』というシステムの権化なのだ。

 

AIのように正確で、感情のない存在。

 

そんなバケモノを、この、殺人でも強盗でもなんでも罰する法律がない、無法の地に放り込んだならば、こうもなろう。

 

この男は今、『敵』は『殺す』にルーチンが変化した。

 

こうなってはもう、誰も止めることなどできない……。

 




全然盛り上がらないなあ。

今回はなるべく、ゲームのプレイ日記みたいに描写を細かくしたいと思ってるんだけど、皆さんはいつもみたいな音速超展開の方が好きですよねえ?

今んとこ屋台マンと追放賢者と帰還勇者を10話ずつくらい書けてます。

次は……、うーん、超能力サバイバル書こうかなあ?

でももうあれ、やることはあんまりなくて、サバイバルじゃなくて縄張り争いとバトルが主題になりそう。

考えてる展開だと、またもやモンスターに襲撃されるも普通に対処できてやったね!って展開から、秋の保存食作りをやって、防寒着も作って、折角だからみんなで収穫祭みたいなことをやって酒飲んで騒いで……。

それから冬の話に入ります。涼巴と正那の主観での過去話と現在の状況語りを挿入して……。

冬の間は、ロングハウスであったかくしながらアイスクリーム食べたり、雪遊びしたり、薪割りしたり、鍋食べたり、雪かきしたり。

それと、主人公のスマコンのデータから漫画を引き出して、記憶を写真にする能力者の手伝いの元製本に勤しんだり。

それでもやっぱりやることないからセックスしたり。

あとは、村に子狼が迷い込んできたので、それを保護して飼ったり。

で、春先に、また新たな飛行機が墜落してきて……?しかも村に直撃コース。それを、主人公は能力を本気で使って墜落飛行機を逸らす。

新たな墜落飛行機には、海外の超能力者が多く乗っていた。その中には、主人公の盟友である、フランス人のサバイバル系ユウチューバーのチビロリハーフリングネキも乗っていた。

ハーフリングネキの力を借りて、村は更に発展する。人も増えた。

だが、それによるトラブルも増えて、主人公は村の長として、争い事の調停などもするようになっていく。

一方で、新たな飛行機の墜落を見ていた他の集落の奴らがこちらに偵察に来て、争うことになる……。

うーん、どうしてもそうなるよなあ。タイトルにサバイバルってあるのにバトル展開入れると怒られそう。

そして、争いがひと段落すると、今度は向こうの大陸の調査をしよう!ということに……。

まあ実際、異世界転移は政府の陰謀なんですけど……。

オチどうしましょ?地球に帰還します?

俺としては地球とこの異世界が融合して、異世界側を占拠して街を作っている主人公が新たな国として認められる……、とかにしたいんですがそれでいいですか?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。