ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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んー、過去最高にメンタルが死んでますね。

あんまりメンタルがどうこうとか言うとメンヘラ臭いんで控えてるんですけど。


あなたの足元に《★灰の玉座》が転がってきた

「ウギャー!先輩ってばあの野郎!私達を見捨ててさっさと異世界転移しやがりましたよ?!どうしましょうアヤさん?!!」

 

頭を抱えて悲鳴を上げたのは、レトロゲーム部所属の一年生、仁科鈴であった。

 

高校一年生と言うよりかは、中学一年生と言った方が通用するのでは?と思えるような小さな身体で、大きな仕草をして主張する。

 

「そ、そうですね……」

 

小麦色の肌をした健康的な鈴と比べて、初雪のように汚れのない白肌。深窓の令嬢と言うには少し陰気っぽいこの女性は、大和の幼馴染みの文乃である。

 

文乃は、常人と比べて自己主張が弱く、物事をはっきりと即決できるタイプではない。

 

しかし、その分、考えてから物を語る。

 

「大和君は、何か言っていましたか?」

 

「聞こえませんでしたけど、あそこの自称カミサマと喋ったら、書類を書いて、そのまま消えちゃいました……」

 

鈴がそう言う。

 

「アノ、とりあえず、その書類?とか言うのを見てみないことには、何とも言えないんじゃないデスか?」

 

横から口を出すのは、ナターリヤ・マルコフスカヤ。

 

銀髪の美しいロシア人。二年生で、大和とは別のクラス。日本語のイントネーションがおかしいところがあるが、それがまた逆に可愛らしいと、クラスではもっぱらの評判だ。

 

「では、書類を見ましょうか」

 

「でも、可憐で華奢な女の子である私達が、あの怒れる暴徒の群れを突っ切るのって無理っぽくないです?」

 

「それは……、そうですね。では、神様に頼んでみましょうか。すみません、書類をこちらに見せていただけないでしょうかー?!」

 

文乃がそう叫ぶ……、いや、心肺機能が弱過ぎて叫ぶほどの声は出せてはいないのだが、とにかくそう言うと、神は。

 

「あっはい、どうぞ」

 

と、軽い返事と共に書類を人数分飛ばしてきた。

 

レトロゲーム部の部員である女子三人は、それを読み込む。

 

「うーん……、どっかで見たことがあると思うんですよね、このラインナップ」

 

「そうですね……、これは……」

 

「ア……!大和サンの好きなゲームじゃないデスか?」

 

「となると……」

 

「「「《灰の玉座》!」」」

 

 

 

その頃、生徒会長たる龍造寺麗華は……。

 

「皆!やめたまえ!まずは人の話を聞くんだ!!!」

 

必死に、暴徒と化した生徒達に呼びかけていた。

 

「こう言った時こそ、皆で協力してだな!」

 

張りのあるハスキーな声で、一生懸命に暴徒を宥める。

 

しかし。

 

「うるせぇぞボケ!」

 

「引っ込んでろ!」

 

「仕切ってんじゃねーよ!」

 

逆に罵声を浴びせられる始末だ。

 

「なっ……?!わ、私はただ、少しでも諸君らの力になりたいだけで……!」

 

「うるせー!じゃあお前が日本に帰してくれんのかよ?!」

 

「そ、それは……」

 

「何もできねえんなら黙ってろよ!肝心な時に使えねぇな、クソが!」

 

「あ……、す、すまない……」

 

麗華は、所謂、『お金持ちの御令嬢』であり、見てくれもよく能力も高い。

 

故に、このように、他人に罵倒された経験など殆どない。

 

ましてや、信頼している生徒達や、生徒会のメンバーからすらも酷い態度を取られたのは、彼女の心を大きく傷つけた。

 

「あ、あの、会長」

 

男らしい低い声ながらも、どこか遠慮がちな声音で麗華に声をかけたのは、上杉薫だ。

 

この男は、ゴツくてデカい身体に反して、気の弱い青年だった。

 

三年生で、生徒会の書記でもある。

 

「薫君か……。すまない、私は……」

 

すっかり意気消沈してしまった麗華が俯く。

 

「い、いえ!会長は頑張ってますよ!み、みんな、今は気が動転しているだけですよ」

 

「そう、だろうか……?」

 

「とりあえず、大和さんと合流しませんか?あの人は、こう言う時に信頼できますよ!」

 

「そう、そうだな、大和君だ。大和君の話を聞こう……」

 

 

 

「ど、どどど、どうしましょう〜?!!」

 

頭を抱える栗毛の髪をした新任女教師。

 

彼女は、畠山莉子(はたけやまりこ)……、レトロゲーム部の顧問である。

 

「落ち着いてください、畠山先生」

 

狼狽える莉子を制止するのが、数学担当のイケメン教師、斯波海斗(しばかいと)だ。

 

「し、斯波せんせぇ〜!どうしましょう!大和君はいなくなっちゃうし、みんなは暴れてるし……!」

 

「まずは落ち着くことです。とりあえず、大和君と関係のあるレトロゲーム部とコンタクトを取りましょう」

 

「で、でも、他の先生方との話し合いも……」

 

……「オイコラァ!ふざけんじゃねえ!」

 

……「生徒達だけでいいだろ?!俺は関係ない!」

 

……「私は死んでない私は死んでない私は死んでない私は死んでない……」

 

教師達は、殆どこのように暴れるか錯乱するかの二通りだった。

 

「彼らはもう駄目ですよ。できるだけ、まともな判断力が残っている子を集めながら、レトロゲーム部と合流します。良いですね」

 

「は、はい」

 

 

 

そうして、揃ったのは。

 

総勢四十人の一勢力。

 

レトロゲーム部、生徒会長、二人の教師と。

 

この場においても判断力が残っていた数十人の生徒達。

 

それが、暴徒と化した学生達の群れから抜け出して、一堂に会した。

 

「まずは軽く自己紹介をさせてもらう。三年の生徒会長、龍造寺麗華だ」

 

「二年生でレトロゲーム部の副部長、細川文乃です」

 

「数学教師の斯波海斗だ」

 

このようにして、全員が自己紹介を済ませて……。

 

「レトロゲーム部から報告があります」

 

と、文乃が手を挙げる。

 

「言ってくれたまえ」

 

麗華がそう言った。

 

「先程、神様に確認をとってきたのですが、転移する世界は、レトロゲーム部の部長がこよなく愛する《灰の玉座》というゲームの世界であることが判明しました」

 

「なるほど……、そのゲームについて、君達の部長が送ってくれる活動レポートは読ませてもらったよ。となれば……、彼の残したレポートを基に行動すべきだな」

 

「それにつきまして、部長の大和君は、一人で先にキャラメイクを済ませて、すぐに異世界に旅立ちました。私達も早くキャラメイクを済ませて、大和君を追いましょう!」

 

「うむ!では、まずはキャラメイクについて知る限りの情報を説明させてもらう。よく聞いて考えてくれたまえ」

 

そう言って、麗華は、かつて読んだレポートの内容について語り出し、レトロゲーム部はそれの補足をした。

 

すると……。

 

「お、おい!みんな聞いたかよ?!ゲームの世界に転生できるんだってよ!!!」

 

と、盗み聞きをしていた生徒が叫んだ。

 

「え?!」「ゲームの世界?!」「もしかして《シャドウベインズ》かな?」「ゲームの世界なら……」

 

誤解が広まる。

 

「ち、違っ……!《シャドウベインズ》ではない!《灰の玉座》という別のゲームで!」

 

必死な顔をして否定する麗華だが……。

 

「美少女ハーレム!」「サラリーマンやるより、適当にモンスター倒すだけで金持ちになれるなら、それもありじゃねーか?!!」「異世界転生で俺強えええ!!!」

 

暴徒から『衆愚』に変わった学生達は、先ほどまでの様子から打って変わって、集まってワイワイとキャラメイクを始めた……。

 

「……こうなっては仕方がない。ここにいるメンバーだけには、《灰の玉座》のキャラメイクの基本について話そう」

 

麗華はそう言って、目の前の書類に触れた……。

 




マジで書きたいものがなくなれば超速攻で自殺するんだけど、なんで書きたいものがこんなにたくさんあるんだ?

誰か書けよ。



あ、あと最近、孤独のグルメのドラマ版を見てるんだけど、俳優がミスマッチじゃないあれ?もっとたくさん食える人にやらせた方が良いでしょ。少なくとも原作の、古武術の心得があるガタイのいい大食いの輸入雑貨商のイメージはないね。でも、エピソード中の独特の反応とかは面白くて、孤独のグルメの看板を使わなくても良かったんじゃないの?とも思った。

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