ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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エコエコあざらし。

……エコエコ、あざらし?!!!


32話 帝国陸軍大佐『ヒューイ・フォン・ロイター』

偉大なるハシュマル帝国にて、最大の勢力を誇る陸軍。

 

ブレンダン・フォン・マグナット元帥閣下の指揮により戦う、規律と秩序の兵である。

 

軍機により総数は明かされていないが、私のように大佐ともなると、全軍の概数は教えられる。

 

その数、およそ五万!

 

戦いとは数だ。

 

確かに、数をすり潰す圧倒的な「個」があることは否定せんが、基本は、どこの国も一般の兵士の強さはそう大きく変わらないだろう?

 

「個」には「個」をぶつけるが、「群」には「群」をぶつける。

 

そして、「個」にできることには限度がある。人は一人では何もできんのだ。

 

故に我々、帝国陸軍は、連携を密として規律ある行動をできるように訓練している。

 

とは言え、私のような貴族上がりのエリート組は、兵士としての訓練はそこまで受けていないからな。

 

かつての勇者が考案したとされる『階級制』は素晴らしい。

 

昔は、一つの戦場に一人しか指揮官がおらず、その者が討たれると軍全体が戦えなくなったと言う。

 

だが、この指揮系統という仕組みがあれば、一人の指揮官が討たれても、次の階級のものが指揮を執れるのだ。

 

これは革命的だった。

 

私は、ヒューイ・フォン・ロイター……。

 

伯爵にして帝国陸軍大佐、そして皇帝の守護役を担う近衛部隊の隊長である。

 

 

 

本日は、軍務卿の指示にて、食事会をすることとなった。

 

あの質実剛健たる軍務卿が?と身構えたが、何やら特別なものらしい。

 

普段の軍務卿と言えば、パーティなどは顔見せ程度しか出席なさらないお方だ。

 

そんな方が急にパーティ、否、食事会などと……。

 

我々は当然、訝しんだ。

 

罠か何かではないかと思い、上に確認もとった。

 

だがやはり、食事会であるという事実は変わらなかった……。

 

我々は、陸軍本部の食堂に集められ、料理を振る舞われた。

 

この料理を誰が作ったのか?何故作ったのか?

 

そう言ったことは知らされていない。

 

ただ、食べろとだけ伝えられていた。

 

否、隊長の私には、理由は伝えられていた。

 

極めて大量の貴重素材が手に入ったので、それを我々に食わせて、戦力の強化を図ると。

 

私も伯爵として、いくつかの貴重素材を口にしたことがある。

 

貴重素材は、非常に上等な味をした木の実や果実、豆類に、災害級モンスターの肉などを指す。

 

これらは、非常に高濃度な魔力が篭っており、口にすると能力を高める効果があるのだ。

 

しかしその分、非常に貴重だ。

 

果実一つで数千万フロレンは下らない。

 

我々のように訓練や実戦を重ねてレベルを上げると、レベル一つにつきステータスが各項目10前後増える。

 

レベルを一つ上げるのに、大体一年。

 

猛烈な訓練や才覚、命がけの実戦を繰り返せばもっとレベルも上がるだろうが、少なくとも我々のレベルの平均値は、一般兵で10と言われている。

 

レベル上げ以外では、貴重素材を食べることでしかステータスは上がらない。

 

確かに、重いものを持ち上げる訓練を繰り返せば、微妙に腕力が強くなるということも理解しているが、ステータスの向上は、それとは格が違う。

 

ステータスが倍になれば腕力も倍。見た目は変わらずとも、だ。

 

最新の研究結果によると、例えばステータスの膂力の値が増えると、目には見えない魔力でできた筋肉が増える……、と言った感じになる、という学説がある。

 

そんな訳で、食べるだけで苦労を一切せずにステータスを上げられる貴重素材は、非常に重宝されるのだ。

 

さて、前置きはここまで。

 

仕事もあることだし、料理とやらを食べて、早く帰ろう。

 

・エビカツサンド

・オニオンリング

・ポテトフライ

・ジンジャエール

 

む……?

 

これはなんだ?

 

いや、これは……!

 

芳しい、芳しいぞ!

 

香ばしいこの香り……、えも言われぬ香りは!

 

焼き立てのパンの、麦を焦がしたような香りに誘われ、大きな、なにかを挟まれたパンを手に取った。

 

パンは、長方形のパンで、間に野菜と茶色い何かが挟まれている。

 

三つに切り分けられており、食べやすい。

 

乾いたパンで野菜やソースを挟んでいるので、手が汚れない……、ということか?

 

ううむ……、これは発明だな。糧食部に具申してみよう。

 

さて、茶色い何かの中には……?

 

桃色の何かだ。

 

ううむ、となると、翅蛆などだろうか?

 

食べてみれば分かるか。

 

がぶり、と。

 

私がエビカツサンドをかじると……。

 

ふわり、としたおろし立ての毛布のようなパン、それに、ザクザクとした野菜と茶色いものの食感が感じられた。

 

ふわ!ザクッ!

 

素晴らしい!

 

まさに食感の波状攻撃だ!

 

それだけじゃない。

 

咀嚼すれば分かるが、ピンク色の何かは、女の柔肌よりもプリプリとしている!

 

それに、酸味のありつつもこってりとしたソースが絡み合い……!

 

「うっ……まぁ……?!!」

 

私は、あっという間にエビカツサンドを一切れ食べてしまっていた。

 

呆然としたとも。

 

こんな旨いものは、宮廷の晩餐会にも出されんからな。

 

それもそうか。宮廷の晩餐会では、見た目の優美さこそが重要視されるからな。

 

ここにある料理は、見た目も美しくはあるが、それ以上に、味が重要視されている。

 

次は、こちらのポテトフライを。

 

赤いソースにつけて食べると……。

 

「おっほ」

 

甘い!甘くて、酸っぱい!

 

だがこれは、遠征訓練で食べた葉物野菜の漬物のような、保存のために馬鹿みたいに酸っぱくされたそれとはまるで違う!

 

果実のような柔らかな酸味に、まろやかな甘さ!

 

そこに、このポテトフライ自体のホクホクとした芋の優しい甘さが加わる!

 

適度な塩気もあり、まさにいくらでも食べられるというものだ!!!

 

おっと、忘れてはならぬ、こちらの丸いもの。

 

オニオンリングとか言ったか?

 

これはどうだ?

 

「ぬおっ!甘い……!」

 

こちらも、ポテトフライと同じく優しい甘さに優しい塩味だったが、違いは二つ。

 

ポテトフライとは違い、しっとりとした飴色の野菜は、ポテトフライとはまた違った旨味があった。

 

更に、マスタードと呼ばれる黄色のソースは、甘さと酸っぱさだけでなく、ほのかな辛味があり、舌を楽しませてくれている!

 

ポテトフライとはまた違った食感なのもいい。まるで飽きがこない。

 

そして最後に、このジンジャエールと言うものを……。

 

……何故、これは泡を吹いているのだ?

 

ううむ……、だが、他のものは旨かったしな……。

 

「ごくっ……、こ、これは?!」

 

な、なんだこれは?!

 

痛い……、酸っぱい……、いや、舌の上で弾けた?!

 

弾ける飲み物?!

 

まるで、最新兵器の爆弾ではないか!

 

私は慌てて口に指を入れたが、血は出ていないようだ。

 

面食らったものだが、これはきっと、飛虫の踊り食いのような珍味なのだろうと納得した。

 

それを思えば、ほのかな苦味に、舌を刺す刺激、そして確かな甘みは、美味であると言っていい。

 

 

 

これらの料理は、私達に驚きを与えてくれた。

 

それだけでなく、大いなる力も……!

 

なるほど、これが軍務卿の目的か!

 




アアアアアッーーー!!!

今ちょっと、某スレのダンジョンもの読んでるんですけど、これおんもしれぇなあ!!!!

俺もこういうのやりたい。

魔法があって、科学もあって、何でもありな世界の話。

魔法使いがダンジョン用のスマホ型制御端末を持ち歩き、ロボット兵器のジェネレーターが魔力回路だったり、竜の心臓を外科手術で移植した魔剣士がいて、魔法使いのクローン兵器が街を襲う!

いつも、科学兵器でファンタジーを蹂躙するか、ファンタジーで現代文明を蹂躙するかだったから、たまにはその世界に合わせたチート能力を持たせていこうか!

色んなキャラを出そう。

死神を信奉するパラディンはどうだ?魔法銃で戦うエンジニアは?サイボーグの魔法使いは?パワードスーツ乗り、高周波ブレードのサムライ、悪魔と契約した呪術師……。

バイク騎兵、ロボット魔獣を呼び出す召喚士、妖精に取り憑かれた男、ナノマシン使い、四肢に武器を埋め込んだ半機人、身長3mでバフ魔法使って殴ってくる魔女……。

色々やろうぜ。

世界観がどうするか……。

ダンジョンは異次元だとして、そこに潜る理由は?

資源採取?間引き?

うわー、書きたいのが多過ぎるー!

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